大園玲×村山美羽
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森の奥、月がいちばん高く昇る夜。
その村では昔から言い伝えがあった。
——満月の夜、狼が人の姿を借りて現れる、と。
村山美羽は、その話を信じていなかった。
いや、正確には「信じないようにしていた」。
怖がるよりも先に、知りたくなってしまう自分がいたから。
その夜、美羽はひとりで森へ入った。
月明かりに照らされた木々の間で、誰かが佇んでいるのが見えた。
長い髪、静かな目、そして——不思議なほど澄んだ気配。
「……こんな時間に、危ないよ」
そう声をかけてきた彼女は、大園玲と名乗った。
どこか人間離れした落ち着き。
距離を保つようでいて、目だけは美羽を逃さない。
みう「あなた、村の人じゃないよね」
美羽の言葉に、玲は一瞬だけ目を伏せた。
れい「……うん。でも、害はしない」
その夜から、美羽は何度も森で玲に会うようになった。
言葉は多くない。けれど沈黙が苦しくなかった。
月の話、風の匂い、孤独のこと。
みう「れいは、ひとりなの?」
そう聞くと、彼女は小さく笑った。
れい「ずっと前からね」
満月の夜。
美羽が森へ行くと、玲はいなかった。
代わりに、低く唸る声。
闇の中から現れたのは——銀色の毛並みをした狼。
逃げるべきなのに、足が動かなかった。
れい「……みう」
狼が、玲の声で名を呼んだ。
れい「私、狼なの。月が満ちる夜だけ、人の形をしていられる」
真実を知った瞬間、恐怖より先に胸が痛んだ。
れい「それでも……会いに来てくれた?」
美羽は、震える手で狼の頭に触れた。
みう「うん。だってれいは、れいでしょ」
その言葉に、狼は静かに目を閉じた。
夜明け前、玲は再び人の姿に戻った。
朝日が差し込む森で、彼女は美羽に背を向ける。
れい「もう、会わないほうがいい」
みう「どうして」
れい「私は人と一緒には生きられない」
美羽は一歩踏み出し、玲の手を握った。
みう「一緒に生きられなくても、好きになることはできる」
玲は驚いたように目を見開き、そして——泣いた。
それからふたりは約束した。
満月の夜だけ、森で会うこと。
狼と人。
触れられる時間は短くても、想いは消えない。
月が昇るたび、森には静かな恋が息づいている。
——それは誰にも知られない、優しい秘密だった。
その村では昔から言い伝えがあった。
——満月の夜、狼が人の姿を借りて現れる、と。
村山美羽は、その話を信じていなかった。
いや、正確には「信じないようにしていた」。
怖がるよりも先に、知りたくなってしまう自分がいたから。
その夜、美羽はひとりで森へ入った。
月明かりに照らされた木々の間で、誰かが佇んでいるのが見えた。
長い髪、静かな目、そして——不思議なほど澄んだ気配。
「……こんな時間に、危ないよ」
そう声をかけてきた彼女は、大園玲と名乗った。
どこか人間離れした落ち着き。
距離を保つようでいて、目だけは美羽を逃さない。
みう「あなた、村の人じゃないよね」
美羽の言葉に、玲は一瞬だけ目を伏せた。
れい「……うん。でも、害はしない」
その夜から、美羽は何度も森で玲に会うようになった。
言葉は多くない。けれど沈黙が苦しくなかった。
月の話、風の匂い、孤独のこと。
みう「れいは、ひとりなの?」
そう聞くと、彼女は小さく笑った。
れい「ずっと前からね」
満月の夜。
美羽が森へ行くと、玲はいなかった。
代わりに、低く唸る声。
闇の中から現れたのは——銀色の毛並みをした狼。
逃げるべきなのに、足が動かなかった。
れい「……みう」
狼が、玲の声で名を呼んだ。
れい「私、狼なの。月が満ちる夜だけ、人の形をしていられる」
真実を知った瞬間、恐怖より先に胸が痛んだ。
れい「それでも……会いに来てくれた?」
美羽は、震える手で狼の頭に触れた。
みう「うん。だってれいは、れいでしょ」
その言葉に、狼は静かに目を閉じた。
夜明け前、玲は再び人の姿に戻った。
朝日が差し込む森で、彼女は美羽に背を向ける。
れい「もう、会わないほうがいい」
みう「どうして」
れい「私は人と一緒には生きられない」
美羽は一歩踏み出し、玲の手を握った。
みう「一緒に生きられなくても、好きになることはできる」
玲は驚いたように目を見開き、そして——泣いた。
それからふたりは約束した。
満月の夜だけ、森で会うこと。
狼と人。
触れられる時間は短くても、想いは消えない。
月が昇るたび、森には静かな恋が息づいている。
——それは誰にも知られない、優しい秘密だった。