長編
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朝の空気は、昨日より少しだけ冷たかった。
ひかるは校門の前で、足を止める。
ひかる(今日も……行く)
それは、誰に言われたわけでもない。
逃げない、そう決めただけ。
教室に入ると、いつもと同じ光景が広がっていた。
井上梨名と増本綺良が騒いでいて、藤吉夏鈴は窓際で静かに外を見ている。
大沼晶保の笑い声が、少し大きく響く。
ひかる(……変わらない)
世界は、ひかるが揺れている間も、ちゃんと進んでいた。
席に座ると、机の上に小さなメモが置かれていた。
《おはよう。今日、屋上来なくてもいいからね》
《気が向いたらで》
保乃の字だった。
誘っているのに、縛っていない。
ひかる(……ずるい)
そんな優しさ。
授業中。
先生の声が遠く感じる。
ひかるの頭に浮かぶのは、“選ぶ”という言葉。
誰かに選ばれることが、怖かった。
選ばれたあと、失うから。
でも――
ひかる(私が、選ぶなら……?)
昼休み。
ひかるは、ゆっくり立ち上がった。
向かう先は、屋上。
扉を開けると、風が吹き抜ける。
そこには――
田村保乃だけじゃなかった。
守屋麗奈、山崎天、松田里奈、森田ひかるがいなくても、いつもそこにいる人たち。
でも。
ひかるが現れた瞬間、空気が変わった。
「……おかえり」
誰かが、そう言った。
ただそれだけ。
責めるでも、問い詰めるでもなく。
ひかるは、胸の奥が、じわっと熱くなるのを感じた。
ひかる(戻ってきた)
そう思った。
保乃が、ひかるの隣に座る。
ほの「今日は、来てくれてありがとう」
ひかる「……うん」
それだけの会話。
でも、十分だった。
そのとき。
遠藤光莉が、ぽつりと口を開いた。
ひかり「選ばれるの、怖いよね」
ひかるは、驚いて顔を上げる。
ひかり「でもさ」
光莉は、柔らかく笑った。
ひかり「自分でここに来たなら、それはもう“選ばれた”んじゃなくて、“選んだ”ってことだと思う」
その言葉が、胸に落ちた。
ひかる(私が……選んだ)
ここに来ること。人と一緒にいること。
午後の授業。
ひかるは、ノートを取りながら、ふと周りを見る。
誰かが、こちらを気にしている。
誰かが、手を振る。
ひかる(……見てくれてる)
放課後。
校舎を出ると、空は少し明るかった。
保乃が、隣を歩く。
ほの「ね、ひーちゃん」
ひかる「なに?」
ほの「ここにいるって、選んでくれて嬉しい」
その言葉に、ひかるは足を止めた。
ひかる「……まだ、怖い」
正直な気持ち。
ひかる「でも」
少し、息を吸う。
ひかる「逃げないって、決めた」
保乃は、何も言わず、ただ頷いた。
それが、答えだった。
ひかるは、空を見上げる。
ひかる(ここにいていいかどうか)
それは、誰かが決めることじゃない。
ひかる(私が、決める)
そう思えた。
ひかるは校門の前で、足を止める。
ひかる(今日も……行く)
それは、誰に言われたわけでもない。
逃げない、そう決めただけ。
教室に入ると、いつもと同じ光景が広がっていた。
井上梨名と増本綺良が騒いでいて、藤吉夏鈴は窓際で静かに外を見ている。
大沼晶保の笑い声が、少し大きく響く。
ひかる(……変わらない)
世界は、ひかるが揺れている間も、ちゃんと進んでいた。
席に座ると、机の上に小さなメモが置かれていた。
《おはよう。今日、屋上来なくてもいいからね》
《気が向いたらで》
保乃の字だった。
誘っているのに、縛っていない。
ひかる(……ずるい)
そんな優しさ。
授業中。
先生の声が遠く感じる。
ひかるの頭に浮かぶのは、“選ぶ”という言葉。
誰かに選ばれることが、怖かった。
選ばれたあと、失うから。
でも――
ひかる(私が、選ぶなら……?)
昼休み。
ひかるは、ゆっくり立ち上がった。
向かう先は、屋上。
扉を開けると、風が吹き抜ける。
そこには――
田村保乃だけじゃなかった。
守屋麗奈、山崎天、松田里奈、森田ひかるがいなくても、いつもそこにいる人たち。
でも。
ひかるが現れた瞬間、空気が変わった。
「……おかえり」
誰かが、そう言った。
ただそれだけ。
責めるでも、問い詰めるでもなく。
ひかるは、胸の奥が、じわっと熱くなるのを感じた。
ひかる(戻ってきた)
そう思った。
保乃が、ひかるの隣に座る。
ほの「今日は、来てくれてありがとう」
ひかる「……うん」
それだけの会話。
でも、十分だった。
そのとき。
遠藤光莉が、ぽつりと口を開いた。
ひかり「選ばれるの、怖いよね」
ひかるは、驚いて顔を上げる。
ひかり「でもさ」
光莉は、柔らかく笑った。
ひかり「自分でここに来たなら、それはもう“選ばれた”んじゃなくて、“選んだ”ってことだと思う」
その言葉が、胸に落ちた。
ひかる(私が……選んだ)
ここに来ること。人と一緒にいること。
午後の授業。
ひかるは、ノートを取りながら、ふと周りを見る。
誰かが、こちらを気にしている。
誰かが、手を振る。
ひかる(……見てくれてる)
放課後。
校舎を出ると、空は少し明るかった。
保乃が、隣を歩く。
ほの「ね、ひーちゃん」
ひかる「なに?」
ほの「ここにいるって、選んでくれて嬉しい」
その言葉に、ひかるは足を止めた。
ひかる「……まだ、怖い」
正直な気持ち。
ひかる「でも」
少し、息を吸う。
ひかる「逃げないって、決めた」
保乃は、何も言わず、ただ頷いた。
それが、答えだった。
ひかるは、空を見上げる。
ひかる(ここにいていいかどうか)
それは、誰かが決めることじゃない。
ひかる(私が、決める)
そう思えた。