中編
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あの生放送から数ヶ月が経ち、世界は少しずつ、だけど確実に変わり始めていた。
ゆめの言葉は、感情のラベリングに息苦しさを感じていた多くの人々の心を打った。
SNSでは#透明なままでいいというハッシュタグがトレンド入りし、涙の色で他人を裁く風潮に疑問を持つ人々が増え始めたのだ。
何色にも分類できない、割り切れない心があってもいい。
それは、ゆめとひかるが世界に穿った、小さな、だけど決定的な風穴だった。
季節は巡り、櫻坂46は初のスタジアムツアーの千秋楽を迎えていた。
地平線まで埋め尽くすような、何万人ものファンの熱気とペンライトの光。
その中心で、ひかるとゆめは並んでステージに立っていた。
ダブルアンコールのラスト鳴り響く歓声の中で、二人は自然と手をつないだ。
繋いだ手のひらからお互いの鼓動と今日まで一緒に戦い抜いてきたという確かな絆が伝わってくる。
ステージの端、客席の熱い視線を浴びながらゆめがひかるに顔を寄せた。
ゆめ「ひかる。私、今、すっごく幸せだよ」
その瞳には、すでに大粒の涙が溜まっていた。
ライトに照らされたその雫は、やっぱり無色透明でだけど誰の涙よりもまばゆく発光しているように見えた。
客席からはもう、驚きの声は上がらない。
ただ、彼女の美しい涙を祝福するような、温かい拍手が響き渡るだけだった。
ひかる「うん。私も、ゆめの隣にいられて幸せ」
ひかるの瞳からも、涙が溢れそうになる。
ふと、ひかるは自分の視界が、いつもと違うことに気がついた。
ひかる(あ……)
ひかるの目から、ぽろぽろと零れ落ちた涙。
それは、嬉しい涙の「ピンク」でも、悲しみの「青」でもなかった。
ステージの強烈な光を浴びて、ひかるの頬を伝う雫はゆめとまったく同じどこまでも澄み切った無色透明だった。
ゆめ「ひかる……?」
ゆめが驚いたように目を見開く。
ひかるは泣きながら、だけどこれ以上ないくらい幸せそうに微笑んだ。
感情を色で分ける必要なんて、もうない。
ゆめを愛おしいと思うこの瞬間の、すべての感情が混ざり合ったひかるの心もまた完全に透明な光へと変わっていたのだ。
ひかる「ふふ、お揃いだね、ゆめ」
ゆめ「うん……お揃いだね」
二人の透明な涙が、ステージの床に落ちて混ざり合う。
それはどんな色よりも鮮やかで、どんな光よりも美しい、二人だけの特別な世界の始まりだった。
ライブが終わり、喧騒が遠ざかった夜の楽屋。
すべてから解放された二人は、薄暗い部屋の隅で、お互いの体温を確かめ合うように強く抱き合っていた。
ゆめ「ひかる、大好きだよ」
ゆめが囁き、ひかるの濡れた目元に優しくキスをする。
ひかる「私も。世界中で、誰よりも愛してる」
涙の色で全てが決まる世界の中で、二人は自分たちだけの透明なパレットを見つけた。
これから先、どんな未来が待っていようとも。
何色にも染まらない二人の愛は、永遠に透き通った光を放ち続ける。
ゆめの言葉は、感情のラベリングに息苦しさを感じていた多くの人々の心を打った。
SNSでは#透明なままでいいというハッシュタグがトレンド入りし、涙の色で他人を裁く風潮に疑問を持つ人々が増え始めたのだ。
何色にも分類できない、割り切れない心があってもいい。
それは、ゆめとひかるが世界に穿った、小さな、だけど決定的な風穴だった。
季節は巡り、櫻坂46は初のスタジアムツアーの千秋楽を迎えていた。
地平線まで埋め尽くすような、何万人ものファンの熱気とペンライトの光。
その中心で、ひかるとゆめは並んでステージに立っていた。
ダブルアンコールのラスト鳴り響く歓声の中で、二人は自然と手をつないだ。
繋いだ手のひらからお互いの鼓動と今日まで一緒に戦い抜いてきたという確かな絆が伝わってくる。
ステージの端、客席の熱い視線を浴びながらゆめがひかるに顔を寄せた。
ゆめ「ひかる。私、今、すっごく幸せだよ」
その瞳には、すでに大粒の涙が溜まっていた。
ライトに照らされたその雫は、やっぱり無色透明でだけど誰の涙よりもまばゆく発光しているように見えた。
客席からはもう、驚きの声は上がらない。
ただ、彼女の美しい涙を祝福するような、温かい拍手が響き渡るだけだった。
ひかる「うん。私も、ゆめの隣にいられて幸せ」
ひかるの瞳からも、涙が溢れそうになる。
ふと、ひかるは自分の視界が、いつもと違うことに気がついた。
ひかる(あ……)
ひかるの目から、ぽろぽろと零れ落ちた涙。
それは、嬉しい涙の「ピンク」でも、悲しみの「青」でもなかった。
ステージの強烈な光を浴びて、ひかるの頬を伝う雫はゆめとまったく同じどこまでも澄み切った無色透明だった。
ゆめ「ひかる……?」
ゆめが驚いたように目を見開く。
ひかるは泣きながら、だけどこれ以上ないくらい幸せそうに微笑んだ。
感情を色で分ける必要なんて、もうない。
ゆめを愛おしいと思うこの瞬間の、すべての感情が混ざり合ったひかるの心もまた完全に透明な光へと変わっていたのだ。
ひかる「ふふ、お揃いだね、ゆめ」
ゆめ「うん……お揃いだね」
二人の透明な涙が、ステージの床に落ちて混ざり合う。
それはどんな色よりも鮮やかで、どんな光よりも美しい、二人だけの特別な世界の始まりだった。
ライブが終わり、喧騒が遠ざかった夜の楽屋。
すべてから解放された二人は、薄暗い部屋の隅で、お互いの体温を確かめ合うように強く抱き合っていた。
ゆめ「ひかる、大好きだよ」
ゆめが囁き、ひかるの濡れた目元に優しくキスをする。
ひかる「私も。世界中で、誰よりも愛してる」
涙の色で全てが決まる世界の中で、二人は自分たちだけの透明なパレットを見つけた。
これから先、どんな未来が待っていようとも。
何色にも染まらない二人の愛は、永遠に透き通った光を放ち続ける。