長編
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ペア再編成の発表は、思っていたより静かに行われた。
音楽室の黒板に、チョークで書かれた名前。
森田ひかる × 藤吉夏鈴
田村保乃 × 守屋麗奈
大園玲 × 山崎天
そして――
石森璃花 × 的野美青
向井純葉 × 村山美羽
ほか、学年混合のペア。
向井純葉「えっ!?美羽と!?」
美羽「……声でかい」
純葉「やったぁ!絶対楽しいじゃん!」
美羽は小さくため息をつきつつ、でもどこか嬉しそうだった。
ひかるは、自分の名前の隣を見て、一瞬息を止める。
夏鈴。
隣で、夏鈴も同じように黒板を見ていた。
夏鈴「……よろしく」
ひかる「……うん、よろしく」
言葉は短い。
でも、その距離は前より近い。
練習が始まる。
ペアごとの振り確認。
ひかる「……ここ、もう半拍遅らせたい」
夏鈴「分かる。そしたら、ここで目線合わせよ」
自然に、距離が縮まる。
指先が、ほんの一瞬触れた。
ひかる(……近い)
夏鈴(……近いな)
一方、別の場所。
保乃と麗奈のペア。
保乃「れな、そこ可愛い」
麗奈「……褒め方が雑」
保乃「ほんとに可愛いんやって!」
二人は楽しそうだ。
その様子を、誰かが遠くから見ていた。
「ねぇ、あのペアさ」
「距離、近くない?」
「前から仲良かったよね?」
ひそひそ声。
天が、玲に小声で言う。
天「……噂、立ちそうじゃない?」
玲「もう立ってるかもね」
玲は笑ってるけど、
目は少し真剣だった。
休憩時間。
廊下の自販機前。
ひかるが水を買っていると、背後から声がした。
「森田さんって」
振り向くと、1年生の誰か。
「藤吉先輩と、仲いいんですね」
ひかるは、一瞬だけ言葉に詰まる。
ひかる「……一緒にやってるから」
それ以上は、言えなかった。
その様子を、少し離れたところで夏鈴が見ていた。
夏鈴(……やっぱ、見られる)
夜。
LINEの通知。
夏鈴:今日、距離近すぎたかも
ひかるは、少し悩んでから返信する。
ひかる:……私も思った
すぐに、既読。
夏鈴:嫌だった?
画面を見つめる時間が、長くなる。
ひかる:嫌じゃない。でも……バレるの、怖い
しばらくして。
夏鈴:じゃあ、誰も見てないとこで近づこ
ひかるの胸が、きゅっと鳴る。
次の日。
放課後の体育館裏。
人の少ない場所。
夏鈴「……ここなら」
ひかる「うん」
二人の距離は、
また少し縮まる。
でも、触れない。
夏鈴「境界線、難しいね」
ひかる「……壊したくもある」
夏鈴は、少し驚いてから、笑った。
夏鈴「そのうち、ね」
遠くで、誰かの足音。
二人は、自然に距離を取る。
その動きが、もう“慣れてしまっている”ことが、少し悲しかった。
近づくほど、守らなきゃいけない距離が増える。
それでも――
心までは、離せなかった。
音楽室の黒板に、チョークで書かれた名前。
森田ひかる × 藤吉夏鈴
田村保乃 × 守屋麗奈
大園玲 × 山崎天
そして――
石森璃花 × 的野美青
向井純葉 × 村山美羽
ほか、学年混合のペア。
向井純葉「えっ!?美羽と!?」
美羽「……声でかい」
純葉「やったぁ!絶対楽しいじゃん!」
美羽は小さくため息をつきつつ、でもどこか嬉しそうだった。
ひかるは、自分の名前の隣を見て、一瞬息を止める。
夏鈴。
隣で、夏鈴も同じように黒板を見ていた。
夏鈴「……よろしく」
ひかる「……うん、よろしく」
言葉は短い。
でも、その距離は前より近い。
練習が始まる。
ペアごとの振り確認。
ひかる「……ここ、もう半拍遅らせたい」
夏鈴「分かる。そしたら、ここで目線合わせよ」
自然に、距離が縮まる。
指先が、ほんの一瞬触れた。
ひかる(……近い)
夏鈴(……近いな)
一方、別の場所。
保乃と麗奈のペア。
保乃「れな、そこ可愛い」
麗奈「……褒め方が雑」
保乃「ほんとに可愛いんやって!」
二人は楽しそうだ。
その様子を、誰かが遠くから見ていた。
「ねぇ、あのペアさ」
「距離、近くない?」
「前から仲良かったよね?」
ひそひそ声。
天が、玲に小声で言う。
天「……噂、立ちそうじゃない?」
玲「もう立ってるかもね」
玲は笑ってるけど、
目は少し真剣だった。
休憩時間。
廊下の自販機前。
ひかるが水を買っていると、背後から声がした。
「森田さんって」
振り向くと、1年生の誰か。
「藤吉先輩と、仲いいんですね」
ひかるは、一瞬だけ言葉に詰まる。
ひかる「……一緒にやってるから」
それ以上は、言えなかった。
その様子を、少し離れたところで夏鈴が見ていた。
夏鈴(……やっぱ、見られる)
夜。
LINEの通知。
夏鈴:今日、距離近すぎたかも
ひかるは、少し悩んでから返信する。
ひかる:……私も思った
すぐに、既読。
夏鈴:嫌だった?
画面を見つめる時間が、長くなる。
ひかる:嫌じゃない。でも……バレるの、怖い
しばらくして。
夏鈴:じゃあ、誰も見てないとこで近づこ
ひかるの胸が、きゅっと鳴る。
次の日。
放課後の体育館裏。
人の少ない場所。
夏鈴「……ここなら」
ひかる「うん」
二人の距離は、
また少し縮まる。
でも、触れない。
夏鈴「境界線、難しいね」
ひかる「……壊したくもある」
夏鈴は、少し驚いてから、笑った。
夏鈴「そのうち、ね」
遠くで、誰かの足音。
二人は、自然に距離を取る。
その動きが、もう“慣れてしまっている”ことが、少し悲しかった。
近づくほど、守らなきゃいけない距離が増える。
それでも――
心までは、離せなかった。