小田倉麗奈
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親に「成績が落ちてるから」と無理やり入れられた個別指導塾。
最初は本当に面倒くさくて、サボることばかり考えていた。
――あの先生に会うまでは。
れいな「はい、じゃあ今日の数学の解説を始めるね」
テキストを開いておっとりと微笑むのは、担当講師の麗奈先生。
大学生。
上品で、髪が綺麗で、声が優しくて……とにかく、びっくりするくらい可愛い。
ゆめ「あの、解説の前に一ついいですか? 今日も世界一可愛いです、れいな先生!」
れいな「ふふ、ありがとう。でもお世辞はいいから、この前の宿題のページを開いて?」
ゆめ「お世辞じゃないです! 本当にすきです、付き合ってください!」
れいな「はいはい、ゆめちゃん、そこはすきじゃなくて不等号の向きが逆だよ。ほら、集中して?」
いつもこれだ。
私がどれだけ直球で愛を囁いても、麗奈先生は大人な余裕の笑みでさらりとあしらってしまう。
子供の冗談だと思われているのが、悔しくてたまらなかった。
そんなある日の授業。模試の成績表が返ってきた。
麗奈先生に褒められたくて猛勉強した甲斐あって、結果は大幅な判定アップ。
ゆめ「先生、見てください! 頑張りました!」
れいな「わあ……! すごい、ゆめちゃん! 本当によく頑張ったね!」
麗奈先生は自分のことのように目を輝かせて、私の頭を優しく撫でてくれた。
嬉しくて舞い上がるのと同時に、胸の奥の本気が抑えきれなくなる。
ゆめ「……先生。私、先生に褒められたくて、子供扱いされたくなくて、必死で頑張ったんです」
れいな「え……?」
ゆめ「いっつも冗談っぽく言っちゃうから伝わらないかもしれないけど、私、本当に先生のことがすきなんです。生徒じゃなくて、一人の人間として、れいな先生がすき。……これでも、まだあしらいますか?」
真剣に真っ直ぐ見つめると、麗奈先生はいつもみたいに笑わなかった。
それどころか、綺麗な白い肌がみるみるうちに真っ赤に染まっていく。
れいな「……ずるいよ、ゆめちゃん」
ゆめ「え?」
れいな「そんな顔で言われたら、もう先生のフリなんてできないじゃない……」
麗奈先生は困ったように視線を彷徨わせたあと、観念したように小さくため息をついた。
れいな「いつもね、からかわれてると思って必死にドキドキを隠してたの。だって私、先生だし、大学生だから……。でも、そんなふうに本気で言われたら、もうダメ」
ゆめ「先生……それって……」
れいな「……私も、ゆめちゃんのこと、可愛いなって思ってたよ。生徒としてじゃなくてね」
そう言って両手で顔を隠してしまう麗奈先生は、いつもの大人な姿からは想像できないくらい初々しくて。
ゆめ「じゃあ、付き合ってくれますか?」
れいな「……ゆめちゃんが卒業するまでは、塾ではちゃんと先生と生徒。でも、塾の外では……彼女、になってくれる?」
いつも完璧にあしらわれていたはずの私は、目の前の「世界一可愛い彼女」の破壊力に、今度はこちらが言葉を失ってしまう番だった。
最初は本当に面倒くさくて、サボることばかり考えていた。
――あの先生に会うまでは。
れいな「はい、じゃあ今日の数学の解説を始めるね」
テキストを開いておっとりと微笑むのは、担当講師の麗奈先生。
大学生。
上品で、髪が綺麗で、声が優しくて……とにかく、びっくりするくらい可愛い。
ゆめ「あの、解説の前に一ついいですか? 今日も世界一可愛いです、れいな先生!」
れいな「ふふ、ありがとう。でもお世辞はいいから、この前の宿題のページを開いて?」
ゆめ「お世辞じゃないです! 本当にすきです、付き合ってください!」
れいな「はいはい、ゆめちゃん、そこはすきじゃなくて不等号の向きが逆だよ。ほら、集中して?」
いつもこれだ。
私がどれだけ直球で愛を囁いても、麗奈先生は大人な余裕の笑みでさらりとあしらってしまう。
子供の冗談だと思われているのが、悔しくてたまらなかった。
そんなある日の授業。模試の成績表が返ってきた。
麗奈先生に褒められたくて猛勉強した甲斐あって、結果は大幅な判定アップ。
ゆめ「先生、見てください! 頑張りました!」
れいな「わあ……! すごい、ゆめちゃん! 本当によく頑張ったね!」
麗奈先生は自分のことのように目を輝かせて、私の頭を優しく撫でてくれた。
嬉しくて舞い上がるのと同時に、胸の奥の本気が抑えきれなくなる。
ゆめ「……先生。私、先生に褒められたくて、子供扱いされたくなくて、必死で頑張ったんです」
れいな「え……?」
ゆめ「いっつも冗談っぽく言っちゃうから伝わらないかもしれないけど、私、本当に先生のことがすきなんです。生徒じゃなくて、一人の人間として、れいな先生がすき。……これでも、まだあしらいますか?」
真剣に真っ直ぐ見つめると、麗奈先生はいつもみたいに笑わなかった。
それどころか、綺麗な白い肌がみるみるうちに真っ赤に染まっていく。
れいな「……ずるいよ、ゆめちゃん」
ゆめ「え?」
れいな「そんな顔で言われたら、もう先生のフリなんてできないじゃない……」
麗奈先生は困ったように視線を彷徨わせたあと、観念したように小さくため息をついた。
れいな「いつもね、からかわれてると思って必死にドキドキを隠してたの。だって私、先生だし、大学生だから……。でも、そんなふうに本気で言われたら、もうダメ」
ゆめ「先生……それって……」
れいな「……私も、ゆめちゃんのこと、可愛いなって思ってたよ。生徒としてじゃなくてね」
そう言って両手で顔を隠してしまう麗奈先生は、いつもの大人な姿からは想像できないくらい初々しくて。
ゆめ「じゃあ、付き合ってくれますか?」
れいな「……ゆめちゃんが卒業するまでは、塾ではちゃんと先生と生徒。でも、塾の外では……彼女、になってくれる?」
いつも完璧にあしらわれていたはずの私は、目の前の「世界一可愛い彼女」の破壊力に、今度はこちらが言葉を失ってしまう番だった。