山下瞳月
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その日の櫻坂46のスケジュールは、夕方からの全体仕事だった。
ゆめは、かねてからの計画を実行すべく、午前中に美容院へと駆け込んでいた。
胸まであったロングヘアをバッサリと切り落とし、初めてのヘアカラーに挑戦したのだ。
少しの緊張と、新しい自分への気恥ずかしさを胸に、ゆめは少し早めに楽屋へと入った。
楽屋には、すでに三期生の同期である中嶋優月と石森璃花が座っていた。
扉が開いた瞬間、二人の動きがピタッと止まる。
ゆづき「えっ……!? え、ちょっと待って、ゆめ!?」
りか「うそ、めっちゃ可愛い……!! え、嘘でしょ、ショート!? 髪色も変わってる!」
ゆめ「あはは、驚かせちゃった? ずっと切りたくてさ……」
ゆづき「驚くとかのレベルじゃないって! 璃花、カメラ! カメラ出して!!」
りか「もう持ってる! はいゆめ、こっち向いて! ピースして! うわぁぁ、透明感すごすぎて消えちゃいそう!」
優月と璃花は完全に大興奮。
カシャカシャと小気味いいシャッター音が楽屋に響き渡る。
ゆめが照れくさそうにポーズを取っていると、時間が近づくにつれて他のメンバーもぞろぞろと楽屋に入ってきた。
「え、ゆめちゃん!?」「めっちゃ似合ってる!」「可愛いー!」と、楽屋はちょっとしたお祭り騒ぎになっていく。
そんな賑やかな空間の扉が、再び開いた。
入ってきたのは、山下瞳月だった。
ゆめは、すっと胸の鼓動が速くなるのを感じた。
だって、付き合っている瞳月には、髪を切ることも染めることも、一切内緒にしていたのだから。
瞳月は楽屋に入るなり、メンバーの輪の中心にいるゆめへと視線を向けた。
その瞬間、瞳月の動きが止まる。
大きな瞳がさらに丸くなり、じっとゆめの新しい姿を見つめた。
そして瞳月は、自分の席に荷物を置くことすら忘れて、一直線にゆめの元へと歩いてきた。
まわりのメンバーが「しーちゃん、見てよ! ゆめめっちゃ可愛くない!?」と声をかけるが、瞳月の耳には届いていないようだった。
しづき「え、いつの間に。教えてくれてない」
ゆめの目の前で足を止め、少し上目遣いでそう言った瞳月の声は、明らかにトーンが低かった。
怒っている、というよりかは、完全に拗ねている時のそれだ。
ゆめ「しづき、ごめんね……? びっくりさせたくて、内緒にしてたの」
しづき「……びっくりした。でも、教えてほしかった。他の人に最初に見せるの、ずるい」
瞳月は小さな声で不満を漏らすと、ゆめの手首をきゅっと掴んだ。
優月たちが「おっと、これはお邪魔虫かな?」と察して、ニヤニヤしながら少し距離を取っていく。
まわりの目がなくなると、瞳月は掴んでいた手をゆめの指に絡ませて、恋人繋ぎに変えた。
そして、少し赤くなった顔をツンと背ける。
ゆめ「しづき……怒ってる? 似合って、ないかな……?」
不安になって顔を覗き込もうとすると、瞳月は慌ててゆめの服の袖を引っ張って、自分の顔を隠すように呟いた。
しづき「……似合ってる。似合いすぎてて、可愛すぎて、意味分からん」
ゆめ「ふふ、ありがと」
しづき「笑わんといて。……優月たちがいっぱい写真撮ってた。あとでしーにも、しーだけの写真、ちょーだいね」
ゆめ「うん、もちろん。しづき専用の、たくさん送るね」
その言葉を聞いて、ようやく瞳月の表情がふにゃりと柔らかくなった。
いつもは冷静でクールな人が、自分にだけ見せる独占欲。
ゆめは、少し短くなった髪を揺らしながら、やっぱり内緒でイメチェンして大正解だったな、と心の中で小さくガッツポーズをするのだった。
ゆめは、かねてからの計画を実行すべく、午前中に美容院へと駆け込んでいた。
胸まであったロングヘアをバッサリと切り落とし、初めてのヘアカラーに挑戦したのだ。
少しの緊張と、新しい自分への気恥ずかしさを胸に、ゆめは少し早めに楽屋へと入った。
楽屋には、すでに三期生の同期である中嶋優月と石森璃花が座っていた。
扉が開いた瞬間、二人の動きがピタッと止まる。
ゆづき「えっ……!? え、ちょっと待って、ゆめ!?」
りか「うそ、めっちゃ可愛い……!! え、嘘でしょ、ショート!? 髪色も変わってる!」
ゆめ「あはは、驚かせちゃった? ずっと切りたくてさ……」
ゆづき「驚くとかのレベルじゃないって! 璃花、カメラ! カメラ出して!!」
りか「もう持ってる! はいゆめ、こっち向いて! ピースして! うわぁぁ、透明感すごすぎて消えちゃいそう!」
優月と璃花は完全に大興奮。
カシャカシャと小気味いいシャッター音が楽屋に響き渡る。
ゆめが照れくさそうにポーズを取っていると、時間が近づくにつれて他のメンバーもぞろぞろと楽屋に入ってきた。
「え、ゆめちゃん!?」「めっちゃ似合ってる!」「可愛いー!」と、楽屋はちょっとしたお祭り騒ぎになっていく。
そんな賑やかな空間の扉が、再び開いた。
入ってきたのは、山下瞳月だった。
ゆめは、すっと胸の鼓動が速くなるのを感じた。
だって、付き合っている瞳月には、髪を切ることも染めることも、一切内緒にしていたのだから。
瞳月は楽屋に入るなり、メンバーの輪の中心にいるゆめへと視線を向けた。
その瞬間、瞳月の動きが止まる。
大きな瞳がさらに丸くなり、じっとゆめの新しい姿を見つめた。
そして瞳月は、自分の席に荷物を置くことすら忘れて、一直線にゆめの元へと歩いてきた。
まわりのメンバーが「しーちゃん、見てよ! ゆめめっちゃ可愛くない!?」と声をかけるが、瞳月の耳には届いていないようだった。
しづき「え、いつの間に。教えてくれてない」
ゆめの目の前で足を止め、少し上目遣いでそう言った瞳月の声は、明らかにトーンが低かった。
怒っている、というよりかは、完全に拗ねている時のそれだ。
ゆめ「しづき、ごめんね……? びっくりさせたくて、内緒にしてたの」
しづき「……びっくりした。でも、教えてほしかった。他の人に最初に見せるの、ずるい」
瞳月は小さな声で不満を漏らすと、ゆめの手首をきゅっと掴んだ。
優月たちが「おっと、これはお邪魔虫かな?」と察して、ニヤニヤしながら少し距離を取っていく。
まわりの目がなくなると、瞳月は掴んでいた手をゆめの指に絡ませて、恋人繋ぎに変えた。
そして、少し赤くなった顔をツンと背ける。
ゆめ「しづき……怒ってる? 似合って、ないかな……?」
不安になって顔を覗き込もうとすると、瞳月は慌ててゆめの服の袖を引っ張って、自分の顔を隠すように呟いた。
しづき「……似合ってる。似合いすぎてて、可愛すぎて、意味分からん」
ゆめ「ふふ、ありがと」
しづき「笑わんといて。……優月たちがいっぱい写真撮ってた。あとでしーにも、しーだけの写真、ちょーだいね」
ゆめ「うん、もちろん。しづき専用の、たくさん送るね」
その言葉を聞いて、ようやく瞳月の表情がふにゃりと柔らかくなった。
いつもは冷静でクールな人が、自分にだけ見せる独占欲。
ゆめは、少し短くなった髪を揺らしながら、やっぱり内緒でイメチェンして大正解だったな、と心の中で小さくガッツポーズをするのだった。