向井純葉
夢小説設定
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レッスン終わりのスタジオ。
鏡の前で汗を拭きながら、いとはは小さく息をついた。
いとは「……つかれた」
床に座り込むと、隣に影が落ちる。
ゆめ「おつかれ」
いとは「……おつかれさまです」
見上げると、いつも通りの先輩の顔。
優しくて、頼れて、でも――ただの“先輩”。
いとは(それ以上でも、それ以下でもない)
そう思っていた。
ゆめ「今日、ちょっと無理してたでしょ」
いとは「え?」
ゆめ「動き、ちょっと雑だった」
核心を突かれる。
いとは「……見てたんですか」
ゆめ「そりゃ見るよ」
当たり前みたいに言う。
いとは「……すみません」
少しだけ視線を落とす。
ゆめ「謝らなくていい」
優しい声。
ゆめ「でも、ちゃんと休みな」
そのまま、軽く頭をぽんっと叩かれる。
いとは「……子ども扱いしないでください」
少しだけ拗ねる。
ゆめ「してないよ」
笑う。
ゆめ「後輩って思ってるだけ」
その言葉に、なぜか少しだけ引っかかる。
いとは(……それでいいのに)
今までは、それでよかったはずなのに。
――その日の帰り。
外は少し雨が降っていた。
いとは「うわ、最悪……」
傘を持っていない。
立ち止まっていると……
ゆめ「はい」
上から傘が差し出される。
いとは「……え」
ゆめ「一緒に帰る?」
自然な一言。
いとは「……いいんですか」
ゆめ「ダメな理由ある?」
少し笑う。
そのまま、ふたりで並んで歩く。
近い距離。
雨音だけが静かに響く。
いとは(……なんか変)
いつもと同じはずなのに、少しだけ意識してしまう。
ゆめ「寒くない?」
いとは「大丈夫です」
でも、少しだけ震える。
それを見て
ゆめ「ほら」
そっと肩を寄せられる。
いとは「……近いです」
思わず言ってしまう。
ゆめ「風邪ひくよりいいでしょ」
さらっとした返し。
でも――
いとは(……なんでこんなドキドキするの)
ただの先輩なのに。
――そのとき。
足元が滑る。
いとは「っ……!」
バランスを崩した瞬間
ゆめ「危ない」
腕を引かれる。
そのまま、体が引き寄せられて――
一瞬、距離がゼロになる。
いとは「……」
目の前にある顔。
近すぎる距離。
ゆめ「……大丈夫?」
少しだけ低い声。
いとは「……だいじょうぶ、です」
でも、全然大丈夫じゃない。
心臓がうるさい。
離れたあとも、その感覚が残る。
いとは(……なんなのこれ)
分からない。
でも――
もう、前と同じじゃない。
――その夜。
ベッドの上で、何度も思い出す。
傘の中の距離。
触れた手。
あの一瞬の近さ。
いとは「……最悪」
顔を枕に埋める。
いとは「なんで、こんな」
ただの先輩のはずなのに。
――翌日。
スタジオで顔を合わせる。
ゆめ「おはよ」
いとは「……おはようございます」
少しだけぎこちない。
ゆめ「なに、その距離」
少し離れて立っているのを見て笑う。
いとは「……別に」
目を合わせられない。
ゆめ「昨日のこと気にしてる?」
核心を突かれる。
いとは「……してないです」
でも――バレバレ。
ゆめ「ふーん」
少しだけ楽しそうに笑う。
ゆめ「じゃあさ」
一歩近づく。
いとは「……っ」
無意識に後ろに下がる。
ゆめ「やっぱ気にしてるじゃん」
くすっと笑う。
いとは「……してません」
強がる。
ゆめ「じゃあ、もう一回やってもいい?」
さらっと言う。
いとは「……は?」
一瞬フリーズ。
ゆめ「昨日みたいに」
少しだけ顔を近づける。
いとは「ちょ、やめてください!」
慌てて距離を取る。
心臓が限界。
ゆめ「……かわいい」
ぽつりとこぼす。
いとは「……え?」
ゆめ「そんな反応すると思わなかった」
少しだけ目を細める。
ゆめ「ただの後輩だと思ってたのに」
その言葉に、胸がぎゅっとなる。
いとは「……それは、こっちもです」
小さく言う。
ゆめ「なにが?」
いとは「ただの先輩だと思ってたのに」
顔を上げる。
いとは「なんか、変になりました」
正直な気持ち。
ゆめは少しだけ黙って――
ゆめ「……じゃあ」
ゆっくり近づく。
ゆめ「変なままでいいんじゃない?」
その距離で言う。
いとは「……それ、どういう意味ですか」
ゆめ「そのままの意味」
目を逸らさない。
ゆめ「もう、後輩だけじゃ見れないってこと」
その一言で、全部変わる。
いとは「……ずるいです」
小さく笑う。
いとは「こっちは昨日からずっと変なのに」
ゆめ「こっちもだよ」
静かに言う。
ゆめ「気づいてなかっただけ」
その言葉に、少しだけ救われる。
いとは「……じゃあ」
一歩、近づく。
いとは「これからどうするんですか」
ゆめ「どうしたい?」
問い返される。
いとはは少しだけ考えて――
いとは「……もっと意識させてください」
小さく笑う。
いとは「ちゃんと、好きになるように」
その言葉に、ゆめは少しだけ驚いて――
すぐに、優しく笑った。
ゆめ「もう遅いかもね」
いとは「……え?」
ゆめ「たぶんもう、好きだから」
その一言で、また心臓が跳ねる。
いとは「……ほんとに、ずるい」
でも、嫌じゃない。
むしろ――
少しだけ嬉しい。
“ただの先輩”だった距離が、少しずつ変わっていく音がした。
鏡の前で汗を拭きながら、いとはは小さく息をついた。
いとは「……つかれた」
床に座り込むと、隣に影が落ちる。
ゆめ「おつかれ」
いとは「……おつかれさまです」
見上げると、いつも通りの先輩の顔。
優しくて、頼れて、でも――ただの“先輩”。
いとは(それ以上でも、それ以下でもない)
そう思っていた。
ゆめ「今日、ちょっと無理してたでしょ」
いとは「え?」
ゆめ「動き、ちょっと雑だった」
核心を突かれる。
いとは「……見てたんですか」
ゆめ「そりゃ見るよ」
当たり前みたいに言う。
いとは「……すみません」
少しだけ視線を落とす。
ゆめ「謝らなくていい」
優しい声。
ゆめ「でも、ちゃんと休みな」
そのまま、軽く頭をぽんっと叩かれる。
いとは「……子ども扱いしないでください」
少しだけ拗ねる。
ゆめ「してないよ」
笑う。
ゆめ「後輩って思ってるだけ」
その言葉に、なぜか少しだけ引っかかる。
いとは(……それでいいのに)
今までは、それでよかったはずなのに。
――その日の帰り。
外は少し雨が降っていた。
いとは「うわ、最悪……」
傘を持っていない。
立ち止まっていると……
ゆめ「はい」
上から傘が差し出される。
いとは「……え」
ゆめ「一緒に帰る?」
自然な一言。
いとは「……いいんですか」
ゆめ「ダメな理由ある?」
少し笑う。
そのまま、ふたりで並んで歩く。
近い距離。
雨音だけが静かに響く。
いとは(……なんか変)
いつもと同じはずなのに、少しだけ意識してしまう。
ゆめ「寒くない?」
いとは「大丈夫です」
でも、少しだけ震える。
それを見て
ゆめ「ほら」
そっと肩を寄せられる。
いとは「……近いです」
思わず言ってしまう。
ゆめ「風邪ひくよりいいでしょ」
さらっとした返し。
でも――
いとは(……なんでこんなドキドキするの)
ただの先輩なのに。
――そのとき。
足元が滑る。
いとは「っ……!」
バランスを崩した瞬間
ゆめ「危ない」
腕を引かれる。
そのまま、体が引き寄せられて――
一瞬、距離がゼロになる。
いとは「……」
目の前にある顔。
近すぎる距離。
ゆめ「……大丈夫?」
少しだけ低い声。
いとは「……だいじょうぶ、です」
でも、全然大丈夫じゃない。
心臓がうるさい。
離れたあとも、その感覚が残る。
いとは(……なんなのこれ)
分からない。
でも――
もう、前と同じじゃない。
――その夜。
ベッドの上で、何度も思い出す。
傘の中の距離。
触れた手。
あの一瞬の近さ。
いとは「……最悪」
顔を枕に埋める。
いとは「なんで、こんな」
ただの先輩のはずなのに。
――翌日。
スタジオで顔を合わせる。
ゆめ「おはよ」
いとは「……おはようございます」
少しだけぎこちない。
ゆめ「なに、その距離」
少し離れて立っているのを見て笑う。
いとは「……別に」
目を合わせられない。
ゆめ「昨日のこと気にしてる?」
核心を突かれる。
いとは「……してないです」
でも――バレバレ。
ゆめ「ふーん」
少しだけ楽しそうに笑う。
ゆめ「じゃあさ」
一歩近づく。
いとは「……っ」
無意識に後ろに下がる。
ゆめ「やっぱ気にしてるじゃん」
くすっと笑う。
いとは「……してません」
強がる。
ゆめ「じゃあ、もう一回やってもいい?」
さらっと言う。
いとは「……は?」
一瞬フリーズ。
ゆめ「昨日みたいに」
少しだけ顔を近づける。
いとは「ちょ、やめてください!」
慌てて距離を取る。
心臓が限界。
ゆめ「……かわいい」
ぽつりとこぼす。
いとは「……え?」
ゆめ「そんな反応すると思わなかった」
少しだけ目を細める。
ゆめ「ただの後輩だと思ってたのに」
その言葉に、胸がぎゅっとなる。
いとは「……それは、こっちもです」
小さく言う。
ゆめ「なにが?」
いとは「ただの先輩だと思ってたのに」
顔を上げる。
いとは「なんか、変になりました」
正直な気持ち。
ゆめは少しだけ黙って――
ゆめ「……じゃあ」
ゆっくり近づく。
ゆめ「変なままでいいんじゃない?」
その距離で言う。
いとは「……それ、どういう意味ですか」
ゆめ「そのままの意味」
目を逸らさない。
ゆめ「もう、後輩だけじゃ見れないってこと」
その一言で、全部変わる。
いとは「……ずるいです」
小さく笑う。
いとは「こっちは昨日からずっと変なのに」
ゆめ「こっちもだよ」
静かに言う。
ゆめ「気づいてなかっただけ」
その言葉に、少しだけ救われる。
いとは「……じゃあ」
一歩、近づく。
いとは「これからどうするんですか」
ゆめ「どうしたい?」
問い返される。
いとはは少しだけ考えて――
いとは「……もっと意識させてください」
小さく笑う。
いとは「ちゃんと、好きになるように」
その言葉に、ゆめは少しだけ驚いて――
すぐに、優しく笑った。
ゆめ「もう遅いかもね」
いとは「……え?」
ゆめ「たぶんもう、好きだから」
その一言で、また心臓が跳ねる。
いとは「……ほんとに、ずるい」
でも、嫌じゃない。
むしろ――
少しだけ嬉しい。
“ただの先輩”だった距離が、少しずつ変わっていく音がした。