向井純葉
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
朝の昇降口。
いとはは、靴箱の前で少しだけ立ち止まっていた。
理由は簡単。
少し先に、あの人がいるから。
ゆめ「おはよ。早いね」
後輩「おはようございます!」
ゆめ「今日テストだっけ?がんばって」
後輩「はい!」
頭を軽くぽん、とする。
自然すぎるその距離感。
それを見て、胸の奥がもやっとする。
いとは(……またやってる)
靴を履き替えながら、つい視線がいく。
ゆめ「あ、いとは」
いとは「……おはようございます」
ゆめ「なんか機嫌悪い?」
いとは「別に」
少しだけそっけなく返すと、ゆめは首をかしげる。
ゆめ「怒ってる?」
いとは「怒ってません」
ゆめ「じゃあなんでそんな顔してるの」
いとは「普通です」
ゆめ「嘘だ」
少し近づいてきて、顔を覗き込まれる。
ゆめ「ほっぺ膨らんでる」
いとは「膨らんでません」
ゆめ「かわいい」
いとは「……ほんとやめてください」
いとはは顔をそむけて歩き出す。
だけど、後ろから足音がついてくる。
ゆめ「一緒に行こ」
いとは「先輩、人気者なんだからみんなと行けばいいじゃないですか」
ゆめ「いとはと行きたいんだけど」
いとは「……そういうところです」
廊下を歩きながら、少しだけ沈黙。
いとは「先輩って、誰にでも優しいですよね」
ゆめ「そう?」
いとは「そうです」
ゆめ「優しいの嫌?」
いとは「……嫌じゃないですけど」
小さくため息をつく。
いとは「勘違いする人、いっぱいいますよ」
ゆめ「勘違い?」
いとは「……わたしとか」
言ってしまってから、後悔する。
でももう遅い。
ゆめ「……いとは」
いとは「なんでもないです。忘れてください」
逃げるように教室へ入った。
――昼休み。
いとはが席でお弁当を食べていると、机の横に影が落ちる。
ゆめ「隣いい?」
いとは「……もう座ってますよね」
ゆめ「ばれた?」
クラスの何人かがざわつく。
それもいつものこと。
いとは「ほら、また目立ってます」
ゆめ「別にいいじゃん」
いとは「よくないです」
ゆめ「なんで?」
いとは「……なんとなくです」
言えない。
独占したいなんて。
ゆめ「いとはってさ」
いとは「はい」
ゆめ「ちょっと嫉妬してる?」
いとは「してません」
即答するけど、顔が少し熱い。
ゆめ「してるじゃん」
いとは「してないです!」
ゆめ「かわいいなあ」
またそれ。
ほんとにずるい。
いとは「先輩、そうやって誰にでも言うんでしょ」
ゆめ「言ってないよ」
いとは「嘘」
ゆめ「ほんと」
でも、信じきれない。
――放課後。
部活が終わって校舎を出ると、校門のところに立っている人がいた。
いとは「……先輩?」
ゆめ「待ってた」
いとは「なんで」
ゆめ「話したかった」
少し真面目な顔。
いつもの軽い雰囲気じゃない。
ゆめ「朝のこと」
いとは「……忘れてくださいって言いました」
ゆめ「無理」
夕方の空が、少しオレンジに染まっている。
ゆめ「いとはが勘違いしてるって言ったでしょ」
いとは「……はい」
ゆめ「してないよ」
いとは「え?」
ゆめ「勘違いじゃない」
一歩、近づく。
ゆめ「わたし、いとはのこと好きだよ」
心臓が一瞬止まる。
いとは「……またそういうこと言う」
ゆめ「本気なのに」
いとは「信じられません」
ゆめ「なんで」
いとは「だって先輩、みんなに優しいから」
ぎゅっと拳を握る。
いとは「特別とか、分かんないです」
風が吹く。
そして。
――手を掴まれる。
いとは「え?」
ゆめ「じゃあ、分かるようにする」
そのまま、ぐっと距離が近くなる。
ゆめ「これ、他の人にもしてると思う?」
いとは「……してない、です」
ゆめ「うん。してない」
指を絡められる。
恋人みたいに。
ゆめ「いとは限定」
胸が一気に熱くなる。
いとは「……ずるいです」
ゆめ「たらしだから?」
いとは「自覚あるんですね」
ゆめ「でもね」
少しだけ笑う。
ゆめ「本命はひとりだけ」
言葉が、真っ直ぐすぎる。
いとは「……ほんとに、わたしですか」
ゆめ「いとは以外いない」
夕焼けの中、指先の温度がじんわり広がる。
いとは「……じゃあ」
ゆめ「うん?」
いとは「責任とってください」
ゆめ「もちろん」
今度はちゃんと、手を握り返す。
いとは「わたし、結構独占欲強いですよ」
ゆめ「知ってる」
いとは「後輩に優しくするの、減らしてください」
ゆめ「えー」
いとは「ほら!」
ゆめ「冗談。気をつける」
ふたりで少し笑う。
ゆめ「でもさ」
いとは「はい」
ゆめ「いとはが嫉妬してる顔、ちょっと好き」
いとは「もうほんとに!」
ゆめ「怒った?」
いとは「……少し」
でも、手は離さない。
いとは「でも、嬉しいです」
ゆめ「よかった」
夕方の帰り道。
並んで歩く距離が、今までよりずっと近い。
いとは(……やっぱりこの人、たらし)
でも。
いとは(わたしだけの、たらしならいいか)
そう思った瞬間、また少し好きが増えていた。
いとはは、靴箱の前で少しだけ立ち止まっていた。
理由は簡単。
少し先に、あの人がいるから。
ゆめ「おはよ。早いね」
後輩「おはようございます!」
ゆめ「今日テストだっけ?がんばって」
後輩「はい!」
頭を軽くぽん、とする。
自然すぎるその距離感。
それを見て、胸の奥がもやっとする。
いとは(……またやってる)
靴を履き替えながら、つい視線がいく。
ゆめ「あ、いとは」
いとは「……おはようございます」
ゆめ「なんか機嫌悪い?」
いとは「別に」
少しだけそっけなく返すと、ゆめは首をかしげる。
ゆめ「怒ってる?」
いとは「怒ってません」
ゆめ「じゃあなんでそんな顔してるの」
いとは「普通です」
ゆめ「嘘だ」
少し近づいてきて、顔を覗き込まれる。
ゆめ「ほっぺ膨らんでる」
いとは「膨らんでません」
ゆめ「かわいい」
いとは「……ほんとやめてください」
いとはは顔をそむけて歩き出す。
だけど、後ろから足音がついてくる。
ゆめ「一緒に行こ」
いとは「先輩、人気者なんだからみんなと行けばいいじゃないですか」
ゆめ「いとはと行きたいんだけど」
いとは「……そういうところです」
廊下を歩きながら、少しだけ沈黙。
いとは「先輩って、誰にでも優しいですよね」
ゆめ「そう?」
いとは「そうです」
ゆめ「優しいの嫌?」
いとは「……嫌じゃないですけど」
小さくため息をつく。
いとは「勘違いする人、いっぱいいますよ」
ゆめ「勘違い?」
いとは「……わたしとか」
言ってしまってから、後悔する。
でももう遅い。
ゆめ「……いとは」
いとは「なんでもないです。忘れてください」
逃げるように教室へ入った。
――昼休み。
いとはが席でお弁当を食べていると、机の横に影が落ちる。
ゆめ「隣いい?」
いとは「……もう座ってますよね」
ゆめ「ばれた?」
クラスの何人かがざわつく。
それもいつものこと。
いとは「ほら、また目立ってます」
ゆめ「別にいいじゃん」
いとは「よくないです」
ゆめ「なんで?」
いとは「……なんとなくです」
言えない。
独占したいなんて。
ゆめ「いとはってさ」
いとは「はい」
ゆめ「ちょっと嫉妬してる?」
いとは「してません」
即答するけど、顔が少し熱い。
ゆめ「してるじゃん」
いとは「してないです!」
ゆめ「かわいいなあ」
またそれ。
ほんとにずるい。
いとは「先輩、そうやって誰にでも言うんでしょ」
ゆめ「言ってないよ」
いとは「嘘」
ゆめ「ほんと」
でも、信じきれない。
――放課後。
部活が終わって校舎を出ると、校門のところに立っている人がいた。
いとは「……先輩?」
ゆめ「待ってた」
いとは「なんで」
ゆめ「話したかった」
少し真面目な顔。
いつもの軽い雰囲気じゃない。
ゆめ「朝のこと」
いとは「……忘れてくださいって言いました」
ゆめ「無理」
夕方の空が、少しオレンジに染まっている。
ゆめ「いとはが勘違いしてるって言ったでしょ」
いとは「……はい」
ゆめ「してないよ」
いとは「え?」
ゆめ「勘違いじゃない」
一歩、近づく。
ゆめ「わたし、いとはのこと好きだよ」
心臓が一瞬止まる。
いとは「……またそういうこと言う」
ゆめ「本気なのに」
いとは「信じられません」
ゆめ「なんで」
いとは「だって先輩、みんなに優しいから」
ぎゅっと拳を握る。
いとは「特別とか、分かんないです」
風が吹く。
そして。
――手を掴まれる。
いとは「え?」
ゆめ「じゃあ、分かるようにする」
そのまま、ぐっと距離が近くなる。
ゆめ「これ、他の人にもしてると思う?」
いとは「……してない、です」
ゆめ「うん。してない」
指を絡められる。
恋人みたいに。
ゆめ「いとは限定」
胸が一気に熱くなる。
いとは「……ずるいです」
ゆめ「たらしだから?」
いとは「自覚あるんですね」
ゆめ「でもね」
少しだけ笑う。
ゆめ「本命はひとりだけ」
言葉が、真っ直ぐすぎる。
いとは「……ほんとに、わたしですか」
ゆめ「いとは以外いない」
夕焼けの中、指先の温度がじんわり広がる。
いとは「……じゃあ」
ゆめ「うん?」
いとは「責任とってください」
ゆめ「もちろん」
今度はちゃんと、手を握り返す。
いとは「わたし、結構独占欲強いですよ」
ゆめ「知ってる」
いとは「後輩に優しくするの、減らしてください」
ゆめ「えー」
いとは「ほら!」
ゆめ「冗談。気をつける」
ふたりで少し笑う。
ゆめ「でもさ」
いとは「はい」
ゆめ「いとはが嫉妬してる顔、ちょっと好き」
いとは「もうほんとに!」
ゆめ「怒った?」
いとは「……少し」
でも、手は離さない。
いとは「でも、嬉しいです」
ゆめ「よかった」
夕方の帰り道。
並んで歩く距離が、今までよりずっと近い。
いとは(……やっぱりこの人、たらし)
でも。
いとは(わたしだけの、たらしならいいか)
そう思った瞬間、また少し好きが増えていた。