村山美羽
夢小説設定
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教室の窓際、一番後ろの席。
みうは今日も変わらず、静かに外を見ていた。
表情はほとんど動かない。
何を考えているのか、分からない。
――でも。
ゆめ(……ほんとは、優しいの知ってる)
その視線を、少し離れた席から見つめる。
ゆめ「みう」
みう「なに」
ゆめ「今日のプリント、もう出した?」
みう「出した」
ゆめ「はや…」
みう「普通」
それだけの会話。
だけど、それだけで嬉しくなる自分がいる。
ゆめ(もっと話したいのに)
でも、踏み込めない。
みうはいつも淡々としていて、距離を詰めていいのか分からないから。
――放課後。
人が少なくなった教室で、偶然、ふたりきりになる。
ゆめ「……まだ帰らないの?」
みう「うん。ちょっとだけ」
ゆめ「そっか」
気まずいわけじゃないのに、言葉がうまく出てこない。
ゆめ(今なら……言えるかも)
勇気を出して、一歩近づく。
ゆめ「ねえ、みう」
みう「なに」
ゆめ「……好きな人とか、いる?」
ほんの少しだけ、みうの視線が揺れた気がした。
みう「……いる」
ゆめ「……そっか」
胸が、ぎゅっと痛くなる。
分かってたはずなのに。
ゆめ「どんな人?」
みう「……うるさい」
ゆめ「え」
顔は相変わらずクールなのに、声だけが、少しだけ不機嫌になる。
みう「そういうの、聞かないで」
ゆめ「ご、ごめん」
やっぱり、距離を間違えたのかもしれない。
ゆめ「じゃあ、帰るね」
背を向けようとした、そのとき。
――ぐい、と腕を引かれる。
ゆめ「え?」
振り返ると、みうが、ほんの少しだけ近い距離にいた。
みう「……逃げないで」
ゆめ「逃げてないよ」
みう「逃げてた」
ゆめ「だって……嫌がってるかと」
みう「嫌じゃない」
その一言が、まっすぐすぎて、息が止まりそうになる。
みう「……さっきの質問」
少しだけ目を逸らして、でも、手は離さないまま。
みう「好きな人、いるって言ったでしょ」
ゆめ「……うん」
みう「……目の前にいる」
時間が止まったみたいに、何も聞こえなくなる。
ゆめ「……え?」
みう「鈍い」
少しだけ、呆れたようにため息をつく。
みう「ずっと前から」
ゆめ「……ほんとに?」
みう「ほんとに」
握られている手に、少しだけ力がこもる。
みう「でも、言わないつもりだった」
ゆめ「なんで?」
みう「……言わなくても、いいかなって」
淡々とした声。
でも、その奥に、少しだけ揺れがある。
みう「今のままでも、隣にいられるから」
ゆめ「……ずるいよ、それ」
みう「うん、ずるい」
あっさり認めるのが、みうらしい。
ゆめ「でも、わたしは嫌だ」
みう「……なんで」
ゆめ「ちゃんと、言いたいから」
ぎゅっと、今度はこっちが手を握る。
ゆめ「みうのこと、好き」
みう「……知ってる」
ゆめ「なんで?」
みう「見てれば分かる」
ほんの少しだけ、みうの口元が緩む。
みう「わかりやすすぎ」
ゆめ「……恥ずかしいんだけど」
みう「かわいい」
その言葉に、心臓が大きく跳ねる。
ゆめ「……みうも、もっと分かりやすくしてよ」
みう「無理」
ゆめ「なんで!」
みう「性格」
でも――
少しだけ近づいてきて、
ぽつりと呟く。
みう「……でも、これくらいならできる」
そっと、肩に頭を預けてくる。
ゆめ「……っ」
初めて見る、みうの距離感。
みう「……好き」
ゆめ「今の、反則」
みう「知らない」
静かな教室。
夕焼けの中で、ふたりの距離は、ようやく重なった。
みう「……これからも、あんまり言わないと思う」
ゆめ「えー」
みう「でも」
ゆめ「?」
少しだけ顔を上げて、まっすぐ見つめてくる。
みう「ほんとに好きだから」
その一言は、今までで一番、ちゃんと伝わった。
みうは今日も変わらず、静かに外を見ていた。
表情はほとんど動かない。
何を考えているのか、分からない。
――でも。
ゆめ(……ほんとは、優しいの知ってる)
その視線を、少し離れた席から見つめる。
ゆめ「みう」
みう「なに」
ゆめ「今日のプリント、もう出した?」
みう「出した」
ゆめ「はや…」
みう「普通」
それだけの会話。
だけど、それだけで嬉しくなる自分がいる。
ゆめ(もっと話したいのに)
でも、踏み込めない。
みうはいつも淡々としていて、距離を詰めていいのか分からないから。
――放課後。
人が少なくなった教室で、偶然、ふたりきりになる。
ゆめ「……まだ帰らないの?」
みう「うん。ちょっとだけ」
ゆめ「そっか」
気まずいわけじゃないのに、言葉がうまく出てこない。
ゆめ(今なら……言えるかも)
勇気を出して、一歩近づく。
ゆめ「ねえ、みう」
みう「なに」
ゆめ「……好きな人とか、いる?」
ほんの少しだけ、みうの視線が揺れた気がした。
みう「……いる」
ゆめ「……そっか」
胸が、ぎゅっと痛くなる。
分かってたはずなのに。
ゆめ「どんな人?」
みう「……うるさい」
ゆめ「え」
顔は相変わらずクールなのに、声だけが、少しだけ不機嫌になる。
みう「そういうの、聞かないで」
ゆめ「ご、ごめん」
やっぱり、距離を間違えたのかもしれない。
ゆめ「じゃあ、帰るね」
背を向けようとした、そのとき。
――ぐい、と腕を引かれる。
ゆめ「え?」
振り返ると、みうが、ほんの少しだけ近い距離にいた。
みう「……逃げないで」
ゆめ「逃げてないよ」
みう「逃げてた」
ゆめ「だって……嫌がってるかと」
みう「嫌じゃない」
その一言が、まっすぐすぎて、息が止まりそうになる。
みう「……さっきの質問」
少しだけ目を逸らして、でも、手は離さないまま。
みう「好きな人、いるって言ったでしょ」
ゆめ「……うん」
みう「……目の前にいる」
時間が止まったみたいに、何も聞こえなくなる。
ゆめ「……え?」
みう「鈍い」
少しだけ、呆れたようにため息をつく。
みう「ずっと前から」
ゆめ「……ほんとに?」
みう「ほんとに」
握られている手に、少しだけ力がこもる。
みう「でも、言わないつもりだった」
ゆめ「なんで?」
みう「……言わなくても、いいかなって」
淡々とした声。
でも、その奥に、少しだけ揺れがある。
みう「今のままでも、隣にいられるから」
ゆめ「……ずるいよ、それ」
みう「うん、ずるい」
あっさり認めるのが、みうらしい。
ゆめ「でも、わたしは嫌だ」
みう「……なんで」
ゆめ「ちゃんと、言いたいから」
ぎゅっと、今度はこっちが手を握る。
ゆめ「みうのこと、好き」
みう「……知ってる」
ゆめ「なんで?」
みう「見てれば分かる」
ほんの少しだけ、みうの口元が緩む。
みう「わかりやすすぎ」
ゆめ「……恥ずかしいんだけど」
みう「かわいい」
その言葉に、心臓が大きく跳ねる。
ゆめ「……みうも、もっと分かりやすくしてよ」
みう「無理」
ゆめ「なんで!」
みう「性格」
でも――
少しだけ近づいてきて、
ぽつりと呟く。
みう「……でも、これくらいならできる」
そっと、肩に頭を預けてくる。
ゆめ「……っ」
初めて見る、みうの距離感。
みう「……好き」
ゆめ「今の、反則」
みう「知らない」
静かな教室。
夕焼けの中で、ふたりの距離は、ようやく重なった。
みう「……これからも、あんまり言わないと思う」
ゆめ「えー」
みう「でも」
ゆめ「?」
少しだけ顔を上げて、まっすぐ見つめてくる。
みう「ほんとに好きだから」
その一言は、今までで一番、ちゃんと伝わった。