向井純葉
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四月。
最初のオリエンテーション。
いとはは後ろの席でスマホをいじっていた。
前の席に座ったゆめが、資料を落とす。
いとはは反射的に拾って、前に差し出す。
いとは「これ、おとしたよ」
ゆめ「あ、ありがとう」
目が合う。
数秒。
でもその日は、それだけ。
いとは(なんか、きになった)
ゆめ(あのこ、やさしいな)
まだ、恋じゃない。
ただの「印象」。
数日後。
必修の英語の授業。
席が偶然、隣。
先生「ペアワークしてください」
いとは「……まただね」
ゆめ「ほんとだ」
少し笑い合う。
ぎこちない空気。
いとは「えっと、なまえ、きいてなかった」
ゆめ「あ……ゆめです」
いとは「いとはです」
その日、初めて名前を知る。
ゆめ(いとは……ぴったりな名前)
授業終わり。
いとはがノートを閉じると、ゆめが声をかける。
ゆめ「あのさ」
いとは「ん?」
ゆめ「さっきのとこ、ちょっとわからなくて」
いとは「あ、いっしょにやる?」
学食へ。
最初は課題の話だけ。
でも少しずつ。
ゆめ「いとはって、どこからきたの」
いとは「神奈川」
ゆめ「ひとりぐらし?」
いとは「うん。そっちは?」
ゆめ「私も神奈川」
共通点。
それだけで、少し距離が縮む。
五月。
グループワーク。
いとはは、人前で発表するのが苦手だった。
声が小さくなる。
終わったあと。
ゆめ「よかったよ」
いとは「……ぜんぜん」
ゆめ「ちゃんとつたわってた」
まっすぐな目。
いとは(なんでそんなふうにみるの)
胸が、あたたかくなる。
その夜、いとはは初めてゆめのことを考えながら眠る。
まだ「すき」とは言えない。
でも、確実に特別。
六月。
雨の日。
いとははバイトで失敗して落ち込んでいた。
大学のベンチでぼーっとしていると、ゆめが隣に座る。
ゆめ「なんかあった?」
いとは「べつに」
ゆめ「かおにかいてある」
いとはは、ぽつぽつ話す。
いとは「わたし、なんか、だめだなって」
ゆめ「なんで」
いとは「ちゃんとできなくて」
ゆめ「私いとはのそういうとこ、すきだよ」
いとは、止まる。
いとは「……そういうとこってなに」
ゆめ「ちゃんとへこむとこ。ちゃんとまじめなとこ」
いとはの目が、じわっとなる。
いとは「それ、ほめてる?」
ゆめ「めちゃくちゃ」
そのとき。
はじめて。
いとは(あ、すきだ)
って、はっきり思う。
でも。
いとはは気づいていなかった。
ゆめはもっと前から。
いとはが笑うたび。
困った顔をするたび。
無意識に、目で追っていたこと。
七月。
テスト前。
図書館で並んで勉強。
静かな空間。
ゆめ「ねぇ」
いとは「ん?」
ゆめ「このままさ」
いとは「うん」
ゆめ「ともだちのままって、いやなんだけど」
いとはのペンが止まる。
いとは「……え」
ゆめ「もっとちかくなりたい。いとはの1番になりたい」
いとはの心臓がうるさい。
いとは「わたしも」
小さな声。
ゆめ「ほんと?」
いとは「うん。もう、すきになってた」
ゆめは、深呼吸して。
ゆめ「私と、つきあってください」
いとは、少しだけ笑って。
いとは「はい」
ゆっくり育った恋が、やっと形になる。
春から夏へ。
時間をかけて知ったからこそ。
ちゃんとすきになった恋。
最初のオリエンテーション。
いとはは後ろの席でスマホをいじっていた。
前の席に座ったゆめが、資料を落とす。
いとはは反射的に拾って、前に差し出す。
いとは「これ、おとしたよ」
ゆめ「あ、ありがとう」
目が合う。
数秒。
でもその日は、それだけ。
いとは(なんか、きになった)
ゆめ(あのこ、やさしいな)
まだ、恋じゃない。
ただの「印象」。
数日後。
必修の英語の授業。
席が偶然、隣。
先生「ペアワークしてください」
いとは「……まただね」
ゆめ「ほんとだ」
少し笑い合う。
ぎこちない空気。
いとは「えっと、なまえ、きいてなかった」
ゆめ「あ……ゆめです」
いとは「いとはです」
その日、初めて名前を知る。
ゆめ(いとは……ぴったりな名前)
授業終わり。
いとはがノートを閉じると、ゆめが声をかける。
ゆめ「あのさ」
いとは「ん?」
ゆめ「さっきのとこ、ちょっとわからなくて」
いとは「あ、いっしょにやる?」
学食へ。
最初は課題の話だけ。
でも少しずつ。
ゆめ「いとはって、どこからきたの」
いとは「神奈川」
ゆめ「ひとりぐらし?」
いとは「うん。そっちは?」
ゆめ「私も神奈川」
共通点。
それだけで、少し距離が縮む。
五月。
グループワーク。
いとはは、人前で発表するのが苦手だった。
声が小さくなる。
終わったあと。
ゆめ「よかったよ」
いとは「……ぜんぜん」
ゆめ「ちゃんとつたわってた」
まっすぐな目。
いとは(なんでそんなふうにみるの)
胸が、あたたかくなる。
その夜、いとはは初めてゆめのことを考えながら眠る。
まだ「すき」とは言えない。
でも、確実に特別。
六月。
雨の日。
いとははバイトで失敗して落ち込んでいた。
大学のベンチでぼーっとしていると、ゆめが隣に座る。
ゆめ「なんかあった?」
いとは「べつに」
ゆめ「かおにかいてある」
いとはは、ぽつぽつ話す。
いとは「わたし、なんか、だめだなって」
ゆめ「なんで」
いとは「ちゃんとできなくて」
ゆめ「私いとはのそういうとこ、すきだよ」
いとは、止まる。
いとは「……そういうとこってなに」
ゆめ「ちゃんとへこむとこ。ちゃんとまじめなとこ」
いとはの目が、じわっとなる。
いとは「それ、ほめてる?」
ゆめ「めちゃくちゃ」
そのとき。
はじめて。
いとは(あ、すきだ)
って、はっきり思う。
でも。
いとはは気づいていなかった。
ゆめはもっと前から。
いとはが笑うたび。
困った顔をするたび。
無意識に、目で追っていたこと。
七月。
テスト前。
図書館で並んで勉強。
静かな空間。
ゆめ「ねぇ」
いとは「ん?」
ゆめ「このままさ」
いとは「うん」
ゆめ「ともだちのままって、いやなんだけど」
いとはのペンが止まる。
いとは「……え」
ゆめ「もっとちかくなりたい。いとはの1番になりたい」
いとはの心臓がうるさい。
いとは「わたしも」
小さな声。
ゆめ「ほんと?」
いとは「うん。もう、すきになってた」
ゆめは、深呼吸して。
ゆめ「私と、つきあってください」
いとは、少しだけ笑って。
いとは「はい」
ゆっくり育った恋が、やっと形になる。
春から夏へ。
時間をかけて知ったからこそ。
ちゃんとすきになった恋。