的野美青
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文化祭当日。
校舎は朝から異様な熱気に包まれていた。
廊下には装飾、教室からは音楽、笑い声、呼び込みの声。
そして——
視線の中心には、いつも二人がいた。
「ゆめ!写真撮ろ!」
「的野さん、シフト代わってもらえませんか!」
ゆめはクラスの出し物で忙しく、美青は実行委員として校内を走り回っていた。
二人とも目立つ。
嫌でも、人の視線を集める。
遠くから見えるゆめの笑顔。
楽しそうに話す姿。
周りに集まる人、人、人。
美青は、その光景を見るたびに胸が締めつけられた。
——今日は、文化祭。
——距離を取らなきゃいけない日。
分かっているのに。
積み重なる違和感
「的野さん、ちょっと一緒に回りません?」
知らない女子に声をかけられる。
美青は少し困った顔で断った。
みお「ごめん、今忙しくて」
断っても断っても、声はかかる。
ファンクラブの子たちも、どこか浮き足立っている。
「文化祭だし、ワンチャンあるかもね」
「今日なら告白してもいいよね」
——やめて。
心の中で、何度もそう叫んだ。
その時。
ゆめ「美青!」
ゆめの声が聞こえた。
振り返ると、少し疲れた顔で立っている。
ゆめ「少しだけ、話せない?」
その声が、もう限界に近いことを伝えていた。
二人きりの準備室
人気のない準備室。
ドアが閉まった瞬間、ゆめは笑顔を消した。
ゆめ「……無理」
ぽつりと落ちた声。
みお「なにが?」
美青が聞くと、ゆめは唇を噛んだ。
ゆめ「美青が、みんなに見られてるの」
みお「……」
ゆめ「声かけられて、囲まれて、当たり前みたいに」
肩が小さく震えている。
ゆめ「私、ずっと我慢してたけど」
顔を上げたゆめの目は、潤んでいた。
ゆめ「今日は、無理」
抑えていた感情
美青の中で、何かが切れた。
みお「……私も」
低い声。
みお「ずっと、我慢してた」
一歩、距離を詰める。
みお「ゆめがモテるのも、誰かに触れられる距離にいるのも、全部」
拳を強く握る。
みお「嫌だった」
みお「でも、隠すって決めたから、嫉妬もしちゃいけないって思ってた」
美青の声が、震える。
みお「もう、無理だ」
外から、ざわめきが聞こえる。
ステージ企画のアナウンス。
「次は実行委員からのご挨拶です!」
——美青。
その名前が呼ばれた。
美青は、ゆめを真っ直ぐ見た。
みお「……行く」
ゆめ「え?」
みお「もう、隠さない」
ゆめの目が大きく揺れる。
ゆめ「それって……」
みお「後悔しない」
そして、静かに言った。
みお「一人で立たせない」
ステージ。
マイクを持つ美青。
視線が、一斉に集まる。
校庭が静まり返った。
みお「……今日は、文化祭に来てくれてありがとうございます」
いつも通りの落ち着いた声。
でも、その奥に決意が滲んでいた。
一拍置いてから、続ける。
みお「実行委員としてじゃなく、一人の人間として、言わせてください」
ざわり、と空気が動く。
みお「私には、好きな人がいます」
——どよめき。
ファンクラブの子たちが息を呑む。
みお「隠してきました。守りたかったから」
美青は、ステージ下を見た。
人混みの中で、ゆめが立っている。
みお「でも」
声が、少しだけ強くなる。
みお「一番大事な人に、我慢させる恋は、間違ってると思いました」
そして。
みお「——ゆめ」
名前を呼ばれた瞬間、世界が止まる。
みお「私の恋人です」
崩れる静寂
一瞬の沈黙。
次の瞬間。
「え……?」
「嘘……」
「マジで?」
ざわめきが一気に爆発した。
ゆめは、震える足で前に出た。
ゆめ「……私も」
マイクはない。
でも、はっきりとした声。
ゆめ「美青が、好きです」
涙を浮かべながら、笑う。
ゆめ「ずっと、隠してきたけど」
一歩、ステージに近づく。
ゆめ「美青は、私のです」
——完全に、空気がひっくり返った。
その後
混乱。
驚き。
祝福と、呆然。
でも。
二人は、手を繋いでいた。
誰の目も、もう怖くなかった。
ゆめ「……怖かった?」
ゆめが小さく聞く。
美青は、正直に答えた。
みお「うん」
でも、すぐに続ける。
みお「でも、それ以上に」
手を強く握る。
みお「隠さなくていいのが、嬉しい」
文化祭の終わり。
夕焼けの校庭。
ゆめ「人生で一番、忘れられない文化祭だね」
ゆめが笑う。
美青も、珍しく柔らかく笑った。
みお「……うん」
秘密だった恋は、やっと、光の中に出た。
それでも、変わらない。
嫉妬も、独占欲も、全部含めて。
みお「これからは」
美青が言う。
みお「堂々と、好きでいる」
ゆめは、答えの代わりに、ぎゅっと手を握り返した。
校舎は朝から異様な熱気に包まれていた。
廊下には装飾、教室からは音楽、笑い声、呼び込みの声。
そして——
視線の中心には、いつも二人がいた。
「ゆめ!写真撮ろ!」
「的野さん、シフト代わってもらえませんか!」
ゆめはクラスの出し物で忙しく、美青は実行委員として校内を走り回っていた。
二人とも目立つ。
嫌でも、人の視線を集める。
遠くから見えるゆめの笑顔。
楽しそうに話す姿。
周りに集まる人、人、人。
美青は、その光景を見るたびに胸が締めつけられた。
——今日は、文化祭。
——距離を取らなきゃいけない日。
分かっているのに。
積み重なる違和感
「的野さん、ちょっと一緒に回りません?」
知らない女子に声をかけられる。
美青は少し困った顔で断った。
みお「ごめん、今忙しくて」
断っても断っても、声はかかる。
ファンクラブの子たちも、どこか浮き足立っている。
「文化祭だし、ワンチャンあるかもね」
「今日なら告白してもいいよね」
——やめて。
心の中で、何度もそう叫んだ。
その時。
ゆめ「美青!」
ゆめの声が聞こえた。
振り返ると、少し疲れた顔で立っている。
ゆめ「少しだけ、話せない?」
その声が、もう限界に近いことを伝えていた。
二人きりの準備室
人気のない準備室。
ドアが閉まった瞬間、ゆめは笑顔を消した。
ゆめ「……無理」
ぽつりと落ちた声。
みお「なにが?」
美青が聞くと、ゆめは唇を噛んだ。
ゆめ「美青が、みんなに見られてるの」
みお「……」
ゆめ「声かけられて、囲まれて、当たり前みたいに」
肩が小さく震えている。
ゆめ「私、ずっと我慢してたけど」
顔を上げたゆめの目は、潤んでいた。
ゆめ「今日は、無理」
抑えていた感情
美青の中で、何かが切れた。
みお「……私も」
低い声。
みお「ずっと、我慢してた」
一歩、距離を詰める。
みお「ゆめがモテるのも、誰かに触れられる距離にいるのも、全部」
拳を強く握る。
みお「嫌だった」
みお「でも、隠すって決めたから、嫉妬もしちゃいけないって思ってた」
美青の声が、震える。
みお「もう、無理だ」
外から、ざわめきが聞こえる。
ステージ企画のアナウンス。
「次は実行委員からのご挨拶です!」
——美青。
その名前が呼ばれた。
美青は、ゆめを真っ直ぐ見た。
みお「……行く」
ゆめ「え?」
みお「もう、隠さない」
ゆめの目が大きく揺れる。
ゆめ「それって……」
みお「後悔しない」
そして、静かに言った。
みお「一人で立たせない」
ステージ。
マイクを持つ美青。
視線が、一斉に集まる。
校庭が静まり返った。
みお「……今日は、文化祭に来てくれてありがとうございます」
いつも通りの落ち着いた声。
でも、その奥に決意が滲んでいた。
一拍置いてから、続ける。
みお「実行委員としてじゃなく、一人の人間として、言わせてください」
ざわり、と空気が動く。
みお「私には、好きな人がいます」
——どよめき。
ファンクラブの子たちが息を呑む。
みお「隠してきました。守りたかったから」
美青は、ステージ下を見た。
人混みの中で、ゆめが立っている。
みお「でも」
声が、少しだけ強くなる。
みお「一番大事な人に、我慢させる恋は、間違ってると思いました」
そして。
みお「——ゆめ」
名前を呼ばれた瞬間、世界が止まる。
みお「私の恋人です」
崩れる静寂
一瞬の沈黙。
次の瞬間。
「え……?」
「嘘……」
「マジで?」
ざわめきが一気に爆発した。
ゆめは、震える足で前に出た。
ゆめ「……私も」
マイクはない。
でも、はっきりとした声。
ゆめ「美青が、好きです」
涙を浮かべながら、笑う。
ゆめ「ずっと、隠してきたけど」
一歩、ステージに近づく。
ゆめ「美青は、私のです」
——完全に、空気がひっくり返った。
その後
混乱。
驚き。
祝福と、呆然。
でも。
二人は、手を繋いでいた。
誰の目も、もう怖くなかった。
ゆめ「……怖かった?」
ゆめが小さく聞く。
美青は、正直に答えた。
みお「うん」
でも、すぐに続ける。
みお「でも、それ以上に」
手を強く握る。
みお「隠さなくていいのが、嬉しい」
文化祭の終わり。
夕焼けの校庭。
ゆめ「人生で一番、忘れられない文化祭だね」
ゆめが笑う。
美青も、珍しく柔らかく笑った。
みお「……うん」
秘密だった恋は、やっと、光の中に出た。
それでも、変わらない。
嫉妬も、独占欲も、全部含めて。
みお「これからは」
美青が言う。
みお「堂々と、好きでいる」
ゆめは、答えの代わりに、ぎゅっと手を握り返した。