りかみお
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先生のことを好きになった理由を聞かれても、正直、うまく答えられない。
ただ、最初に声をかけたとき、ちゃんと私の目を見てくれた。
それだけで十分だった。
黒板に向かう後ろ姿も、プリントを配るときの指先も、「静かにしなさい」って少し低くなる声も。
全部、私の中で特別だった。
だから私は、毎日のように言った。
「せーんせっ!」
「ねえ先生!」
「今日もかわいいですね!」
先生はいつも困った顔をして、
「先生に向かって言う言葉じゃありません」って言う。
でも、ほんの少しだけ、口元が緩むのを私は見逃さなかった。
——あ、今の、ちょっと嬉しかったでしょ。
それが嬉しくて、また話しかける。
「卒業したら、付き合ってくださいね!」
言うたびに、先生は笑って流した。
「はいはい」
「冗談はほどほどに」
冗談じゃなかった。
一度も。
本当は、分かってた。
今は無理だって。
先生は先生で、私は生徒で、
この距離は越えちゃいけないって。
でも、気持ちまで止める方法は知らなかった。
放課後、職員室の前を通るたびに、先生の姿を探してしまう。
国語の授業がある日は、ノートを取るふりをして、先生の声を聞いているだけで落ち着いた。
他の生徒に優しくしていると、胸の奥が少しだけチクっとした。
(……ずるい。私だけじゃないんだ)
そんな自分が子どもっぽくて、それでも、どうしようもなくて。
卒業が近づくにつれて、私は焦っていた。
このままじゃ、「冗談を言う生徒」のまま終わってしまう。
だから最後の日、ちゃんと目を見て言った。
「付き合ってください」
先生は優しかった。だからこそ、断り方も優しかった。
「あなたはこれから、もっと世界が広がる」
その言葉で分かった。
——ああ、やっぱり、信じてもらえてなかったんだ。
でも、後悔はしなかった。
好きって言い続けたこと。
ちゃんと本気だったこと。
それだけは、嘘じゃない。
卒業してからも、すぐに他の人を好きになれなかった。
何人かと話してみても、
比べてしまう。
声のトーン。
言葉の選び方。
安心する距離感。
全部、先生じゃなかった。
だから——
再会したとき、胸が跳ねた。
本屋で声をかけた瞬間、振り向いた先生の顔を見て、確信した。
(あ、まだ好きだ)
時間が経っても、立場が変わっても、気持ちは変わってなかった。
「覚えてます?」
そう言ったとき、先生の目が少し揺れた。
あのとき初めて、冗談じゃないって、少しだけ伝わった気がした。
私は待てる。
急がなくていい。
答えをすぐにもらえなくてもいい。
だって、ずっとそうだったから。
それでも、もう一度だけ言う。
今度は、生徒じゃない。
一人の人として。
——ずっと、好きでした。
そして今も、好きです。
ただ、最初に声をかけたとき、ちゃんと私の目を見てくれた。
それだけで十分だった。
黒板に向かう後ろ姿も、プリントを配るときの指先も、「静かにしなさい」って少し低くなる声も。
全部、私の中で特別だった。
だから私は、毎日のように言った。
「せーんせっ!」
「ねえ先生!」
「今日もかわいいですね!」
先生はいつも困った顔をして、
「先生に向かって言う言葉じゃありません」って言う。
でも、ほんの少しだけ、口元が緩むのを私は見逃さなかった。
——あ、今の、ちょっと嬉しかったでしょ。
それが嬉しくて、また話しかける。
「卒業したら、付き合ってくださいね!」
言うたびに、先生は笑って流した。
「はいはい」
「冗談はほどほどに」
冗談じゃなかった。
一度も。
本当は、分かってた。
今は無理だって。
先生は先生で、私は生徒で、
この距離は越えちゃいけないって。
でも、気持ちまで止める方法は知らなかった。
放課後、職員室の前を通るたびに、先生の姿を探してしまう。
国語の授業がある日は、ノートを取るふりをして、先生の声を聞いているだけで落ち着いた。
他の生徒に優しくしていると、胸の奥が少しだけチクっとした。
(……ずるい。私だけじゃないんだ)
そんな自分が子どもっぽくて、それでも、どうしようもなくて。
卒業が近づくにつれて、私は焦っていた。
このままじゃ、「冗談を言う生徒」のまま終わってしまう。
だから最後の日、ちゃんと目を見て言った。
「付き合ってください」
先生は優しかった。だからこそ、断り方も優しかった。
「あなたはこれから、もっと世界が広がる」
その言葉で分かった。
——ああ、やっぱり、信じてもらえてなかったんだ。
でも、後悔はしなかった。
好きって言い続けたこと。
ちゃんと本気だったこと。
それだけは、嘘じゃない。
卒業してからも、すぐに他の人を好きになれなかった。
何人かと話してみても、
比べてしまう。
声のトーン。
言葉の選び方。
安心する距離感。
全部、先生じゃなかった。
だから——
再会したとき、胸が跳ねた。
本屋で声をかけた瞬間、振り向いた先生の顔を見て、確信した。
(あ、まだ好きだ)
時間が経っても、立場が変わっても、気持ちは変わってなかった。
「覚えてます?」
そう言ったとき、先生の目が少し揺れた。
あのとき初めて、冗談じゃないって、少しだけ伝わった気がした。
私は待てる。
急がなくていい。
答えをすぐにもらえなくてもいい。
だって、ずっとそうだったから。
それでも、もう一度だけ言う。
今度は、生徒じゃない。
一人の人として。
——ずっと、好きでした。
そして今も、好きです。