山下瞳月×村井優
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そこ曲がったら、櫻坂?のスタジオは、いつも以上の熱気に包まれていた。
今日の企画は『相手を鳴らせ! 心拍数ドキドキ対決!』
メンバーの胸元に心拍数計をつけ、至近距離でのアピールや囁き言葉で相手の心拍数をどれだけ上げられるかを競うチーム対抗戦だ。
実は密かに付き合っている山下瞳月と村井優だったがくじ引きの結果、無情にも別々のチームに分かれてしまっていた。
前半戦、優の出番がやってくる。
対戦相手の先輩メンバーに対し、優は持ち前の身体能力を生かしてぐっと距離を詰めると上目遣いで耳元に囁いた。
ゆう「……ねぇ、私のこと、もっと見て?」
『ピピッ、ピピッ、ピピッ!』
モニターの数値が「78」から一気に「115」まで跳ね上がる。
澤部「おおーっと! 村井の至近距離アピールで心拍数急上昇!!」
スタジオが大歓声に包まれる中、ひな壇の端でその光景をじっと見つめる人物がいた。
瞳月である。
普段はポーカーフェイスな瞳月だが、今はあからさまに不機嫌なオーラを放ちジト目で優を睨みつけている。
しづき(……ゆう、あんな距離で耳元で囁くとか……誰にでもやってるの? 絶対許さない)
燃え上がる嫉妬心。
自分の出番になると、瞳月は対戦相手に対して一切の容赦をみせなかった。
普段の大人しい印象からは想像もつかないほど積極的に顔を数センチの距離まで近づけ、小悪魔的な笑みを浮かべて相手を翻弄。
見事相手の心拍数を「128」まで叩き出し、チームに大量点をもたらした。
土田「山下、今日の攻め方えぐいな!笑」
しづき「……絶対に勝ちたいので」
そう言いながら、瞳月はひな壇に戻る途中優の目をじっと見つめてみせた。
ゆう(えっ、しづき怒ってる……?)
冷や汗を流す。
そして勝負は白熱し、ついに最終対決。
なんと両チームの代表として指名されたのは、瞳月と優だった。
澤部「さあ最終決戦! 山下瞳月対、村井優ーー!!」
スタジオ中央の椅子に、向かい合わせで座るふたり。
お互いの胸元には心拍数計が装着され、背後の巨大モニターにリアルタイムの数値が表示されている。
現在のふたりの心拍数は、どちらも落ち着いた「72」。
土田「普段から同期で仲良いふたりだけど、どう? いける?」
ゆう「はい! しづきには負けたくないです!」
しづき「……ふーん。がんばってください」
どこかトゲのある瞳月の態度に、優の胸がキュッと締め付けられる。
澤部「それでは……スタート!!」
合図とともに、優が先攻で仕掛けた。
ゆっくりと顔を近づけ、瞳月の手をそっと両手で包み込む。
ゆう「しづき……さっきは怒ってた? 私は、しづきが一番好きだよ……?」
カメラ前とは思えないほど本気のトーンで囁く優。
スタジオからは「きゃー!」と悲鳴が上がる。
しかし、瞳月の心拍数モニターは「72……74……73」と、ほとんど変化がない。
ゆう「えっ、嘘……!? 全然上がらない……!」
焦る優に向かって、瞳月はふっと不敵な笑みを浮かべた。
しづき「……ゆう、甘いよ。本気って、こういうことだから」
そう呟いた瞬間、瞳月は優の手を強く引き寄せた。
勢い余って優の身体が前に傾き、ふたりの唇が触れ合いそうなほど至近距離で交差する。
ゆう「っ!?」
逃げ場をなくした優の耳元に瞳月は自分だけにしか聞こえないような掠れた甘い声でぽつりと囁いた。
しづき「……さっきの嫉妬した。帰ったら、覚悟してね」
ゆう「……っあ……」
直後——
『ピピピピピピピピピピピピ!!!!!』
警告音がスタジオに響き渡る。
優のモニターの数値が「75」から「90」、「110」……そしてなんと「142」まで垂直立ち上がりで急上昇したのだ。
優の顔は髪の毛の先まで真っ赤に染まり、胸を押さえて手で顔を覆い隠してその場にへたり込んでしまった。
澤部「142ーーー!!!記録更新!! 山下の勝ちーーー!!」
土田「おいおい村井、何言われたんだよ!? 一瞬で落ちたぞ!笑」
まつだ「ゆうちゃん顔真っ赤やん!!笑 なに囁いたの!?」
ひかる「ゆうちゃんフリーズしてる笑」
メンバーから大歓声とイジりが飛ぶ中、勝利した瞳月は優の背中を優しくぽんぽんと撫でながら、カメラに向かって澄ました顔で微笑んだ。
しづき「ひみつです。……チームが勝ててよかったです」
カメラには映らない位置で、瞳月はへたり込む優の手をぎゅっと握りしめた。
優が真っ赤な顔のまま上目遣いで瞳月を見上げると、そこにはあとでお説教ねと言いたげな、最高に愛おしそうな瞳月の笑顔があったのだった。
今日の企画は『相手を鳴らせ! 心拍数ドキドキ対決!』
メンバーの胸元に心拍数計をつけ、至近距離でのアピールや囁き言葉で相手の心拍数をどれだけ上げられるかを競うチーム対抗戦だ。
実は密かに付き合っている山下瞳月と村井優だったがくじ引きの結果、無情にも別々のチームに分かれてしまっていた。
前半戦、優の出番がやってくる。
対戦相手の先輩メンバーに対し、優は持ち前の身体能力を生かしてぐっと距離を詰めると上目遣いで耳元に囁いた。
ゆう「……ねぇ、私のこと、もっと見て?」
『ピピッ、ピピッ、ピピッ!』
モニターの数値が「78」から一気に「115」まで跳ね上がる。
澤部「おおーっと! 村井の至近距離アピールで心拍数急上昇!!」
スタジオが大歓声に包まれる中、ひな壇の端でその光景をじっと見つめる人物がいた。
瞳月である。
普段はポーカーフェイスな瞳月だが、今はあからさまに不機嫌なオーラを放ちジト目で優を睨みつけている。
しづき(……ゆう、あんな距離で耳元で囁くとか……誰にでもやってるの? 絶対許さない)
燃え上がる嫉妬心。
自分の出番になると、瞳月は対戦相手に対して一切の容赦をみせなかった。
普段の大人しい印象からは想像もつかないほど積極的に顔を数センチの距離まで近づけ、小悪魔的な笑みを浮かべて相手を翻弄。
見事相手の心拍数を「128」まで叩き出し、チームに大量点をもたらした。
土田「山下、今日の攻め方えぐいな!笑」
しづき「……絶対に勝ちたいので」
そう言いながら、瞳月はひな壇に戻る途中優の目をじっと見つめてみせた。
ゆう(えっ、しづき怒ってる……?)
冷や汗を流す。
そして勝負は白熱し、ついに最終対決。
なんと両チームの代表として指名されたのは、瞳月と優だった。
澤部「さあ最終決戦! 山下瞳月対、村井優ーー!!」
スタジオ中央の椅子に、向かい合わせで座るふたり。
お互いの胸元には心拍数計が装着され、背後の巨大モニターにリアルタイムの数値が表示されている。
現在のふたりの心拍数は、どちらも落ち着いた「72」。
土田「普段から同期で仲良いふたりだけど、どう? いける?」
ゆう「はい! しづきには負けたくないです!」
しづき「……ふーん。がんばってください」
どこかトゲのある瞳月の態度に、優の胸がキュッと締め付けられる。
澤部「それでは……スタート!!」
合図とともに、優が先攻で仕掛けた。
ゆっくりと顔を近づけ、瞳月の手をそっと両手で包み込む。
ゆう「しづき……さっきは怒ってた? 私は、しづきが一番好きだよ……?」
カメラ前とは思えないほど本気のトーンで囁く優。
スタジオからは「きゃー!」と悲鳴が上がる。
しかし、瞳月の心拍数モニターは「72……74……73」と、ほとんど変化がない。
ゆう「えっ、嘘……!? 全然上がらない……!」
焦る優に向かって、瞳月はふっと不敵な笑みを浮かべた。
しづき「……ゆう、甘いよ。本気って、こういうことだから」
そう呟いた瞬間、瞳月は優の手を強く引き寄せた。
勢い余って優の身体が前に傾き、ふたりの唇が触れ合いそうなほど至近距離で交差する。
ゆう「っ!?」
逃げ場をなくした優の耳元に瞳月は自分だけにしか聞こえないような掠れた甘い声でぽつりと囁いた。
しづき「……さっきの嫉妬した。帰ったら、覚悟してね」
ゆう「……っあ……」
直後——
『ピピピピピピピピピピピピ!!!!!』
警告音がスタジオに響き渡る。
優のモニターの数値が「75」から「90」、「110」……そしてなんと「142」まで垂直立ち上がりで急上昇したのだ。
優の顔は髪の毛の先まで真っ赤に染まり、胸を押さえて手で顔を覆い隠してその場にへたり込んでしまった。
澤部「142ーーー!!!記録更新!! 山下の勝ちーーー!!」
土田「おいおい村井、何言われたんだよ!? 一瞬で落ちたぞ!笑」
まつだ「ゆうちゃん顔真っ赤やん!!笑 なに囁いたの!?」
ひかる「ゆうちゃんフリーズしてる笑」
メンバーから大歓声とイジりが飛ぶ中、勝利した瞳月は優の背中を優しくぽんぽんと撫でながら、カメラに向かって澄ました顔で微笑んだ。
しづき「ひみつです。……チームが勝ててよかったです」
カメラには映らない位置で、瞳月はへたり込む優の手をぎゅっと握りしめた。
優が真っ赤な顔のまま上目遣いで瞳月を見上げると、そこにはあとでお説教ねと言いたげな、最高に愛おしそうな瞳月の笑顔があったのだった。