守屋麗奈×藤吉夏鈴
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楽屋の隅、ぽつんと置かれたソファ。
そこがいつからか、私と夏鈴の定位置になっていた。
外はすっかり暗くなり、冷たい雨が窓を叩いている。
れな「……ねぇ、かりんちゃん? 起きてる?」
かりん「……ん。起きてるよ」
夏鈴は膝に頭を乗せたまま、小さな声で答えた。
長く伸びた前髪の隙間から、どこか遠くを見つめるような瞳が覗く。
れな「今日、ずっと元気ないね。何かあった?」
かりん「なんもない。……ただ、夜が長くなりそうやなって思っただけ」
夏鈴の手が、そっと麗奈のスカートの裾を掴む。
その手が少しだけ震えていることに、麗奈は気づかない振りをすることしかできない。
かりん「れなは、私のことどう思っとる?」
不意に投げられた質問に、胸が跳ねる。
れな「どうって……大切な、同期だよ」
かりん「……そっか。やっぱり、そう言うよね」
夏鈴は自嘲気味に少しだけ笑うと、麗奈の膝に顔を埋めてしまった。
嘘だ。
同期だなんて、そんな綺麗な言葉で片付けられるような感情じゃない。
麗奈は夏鈴のその掴みどころのない瞳に、不器用な優しさに、とっくに溺れている。
でも、この関係を壊すのが怖かった。
私たちはグループのメンバーで、友達で……それ以上の境界線を越えてしまえば、もう戻れない気がして。
れいな「かりんちゃん……」
そっと夏鈴の髪に触れる。
指先から伝わる彼女の髪は、驚くほど柔らかくて、少し冷たかった。
かりん「れな冷たい」
れな「え? ごめん、私の手が冷え性だから……」
手を引こうとした瞬間、夏鈴の強い力で手首を掴まれた。
かりん「……手じゃなくて、心が。れなはいつも、一番肝心なところで私を突き放す」
夏鈴が起き上がり、真っ直ぐに麗奈を見つめる。
その瞳には、今にも零れ落ちそうなほどの寂しさが溜まっていた。
かりん「ずるいよ。そんなに優しく笑うのに、心は全然見せてくれん。私は……れなの全部が欲しいのに」
れな「かりんちゃん、それは……」
かりん「言わんで。……拒絶されるくらいなら、夜のせいにさせて」
夏鈴の顔が近づく。
雨の音だけが響く静寂の中、私たちはどちらからともなく唇を重ねた。
それは、驚くほど熱くて、だけど酷く切ないキスだった。
お互いの体温を確かめ合うように、何度も、深く。
れいな「ん……っ、かりんちゃん……」
ようやく唇が離れたとき、夏鈴は泣きそうな顔で微笑んでいた。
かりん「これで、ただの同期なんて嘘つけんくなったね」
れいな「……最初から、嘘だよ。かりんちゃんが想ってくれるよりずっと前から、私はかりんちゃんのことが……」
窓の外では、まだ雨が夜を長引かせようと降り続いている。
この夜だけは、二人の体温だけが本物だった。
そこがいつからか、私と夏鈴の定位置になっていた。
外はすっかり暗くなり、冷たい雨が窓を叩いている。
れな「……ねぇ、かりんちゃん? 起きてる?」
かりん「……ん。起きてるよ」
夏鈴は膝に頭を乗せたまま、小さな声で答えた。
長く伸びた前髪の隙間から、どこか遠くを見つめるような瞳が覗く。
れな「今日、ずっと元気ないね。何かあった?」
かりん「なんもない。……ただ、夜が長くなりそうやなって思っただけ」
夏鈴の手が、そっと麗奈のスカートの裾を掴む。
その手が少しだけ震えていることに、麗奈は気づかない振りをすることしかできない。
かりん「れなは、私のことどう思っとる?」
不意に投げられた質問に、胸が跳ねる。
れな「どうって……大切な、同期だよ」
かりん「……そっか。やっぱり、そう言うよね」
夏鈴は自嘲気味に少しだけ笑うと、麗奈の膝に顔を埋めてしまった。
嘘だ。
同期だなんて、そんな綺麗な言葉で片付けられるような感情じゃない。
麗奈は夏鈴のその掴みどころのない瞳に、不器用な優しさに、とっくに溺れている。
でも、この関係を壊すのが怖かった。
私たちはグループのメンバーで、友達で……それ以上の境界線を越えてしまえば、もう戻れない気がして。
れいな「かりんちゃん……」
そっと夏鈴の髪に触れる。
指先から伝わる彼女の髪は、驚くほど柔らかくて、少し冷たかった。
かりん「れな冷たい」
れな「え? ごめん、私の手が冷え性だから……」
手を引こうとした瞬間、夏鈴の強い力で手首を掴まれた。
かりん「……手じゃなくて、心が。れなはいつも、一番肝心なところで私を突き放す」
夏鈴が起き上がり、真っ直ぐに麗奈を見つめる。
その瞳には、今にも零れ落ちそうなほどの寂しさが溜まっていた。
かりん「ずるいよ。そんなに優しく笑うのに、心は全然見せてくれん。私は……れなの全部が欲しいのに」
れな「かりんちゃん、それは……」
かりん「言わんで。……拒絶されるくらいなら、夜のせいにさせて」
夏鈴の顔が近づく。
雨の音だけが響く静寂の中、私たちはどちらからともなく唇を重ねた。
それは、驚くほど熱くて、だけど酷く切ないキスだった。
お互いの体温を確かめ合うように、何度も、深く。
れいな「ん……っ、かりんちゃん……」
ようやく唇が離れたとき、夏鈴は泣きそうな顔で微笑んでいた。
かりん「これで、ただの同期なんて嘘つけんくなったね」
れいな「……最初から、嘘だよ。かりんちゃんが想ってくれるよりずっと前から、私はかりんちゃんのことが……」
窓の外では、まだ雨が夜を長引かせようと降り続いている。
この夜だけは、二人の体温だけが本物だった。