田村保乃
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楽屋の隅でいつも静かに読書をしているゆめは、グループ内でもクールで物静かな人として通っている。
感情をあまり表に出さない彼女だが、心の中にはずっと、同期の田村保乃への熱い想いを隠し持っていた。
時計の針は午前2時を回っている。
ベッドの中で何度も寝返りを打ったあと、ゆめは衝動を抑えきれず、スマートフォンの画面をタップした。
プルルル……、プルルル……。
数回のコールのあと、スピーカーから少しこもった、愛らしい声が聞こえてくる。
ゆめ「ごめんねこんな時間に」
ほの「…ん、は〜い。どした〜?」
いつもよりさらに柔らかく、引きずるような関西弁。
明らかに寝ぼけている。
ゆめ「ねてた?」
ほの「ん〜ねてた〜」
普段のクールなゆめなら、ここで「じゃあまた明日」と引いてしまうはずだった。
けれど、夜の静けさとほのの無防備な声が、彼女のブレーキを壊していく。
ゆめ「え、あごめん、、、」
ほの「ううん、大丈夫やで〜どした〜ん?」
電話の向こうで、ほの自身がベッドの中で寝返りを打つ衣擦れの音が聞こえた。それだけで、ゆめの心臓はうるさいほど跳ね上がる。胸の奥にしまい込んでいた好きという気持ちが、言葉になって溢れそうになった。
ゆめ「めっちゃ急なんだけどさ、明日デート行かない?」
口を突いて出た自分の言葉に、ゆめはハッとして息を呑んだ。
「デート」なんて、普段の自分なら絶対に言わない恥ずかしいワードだ。
しばらく、沈黙が流れる。
やってしまった、とゆめが電話を切ろうとしたその時、受話器の向こうから「ふふっ」と小さくて愛おしそうな笑い声が漏れた。
ほの「…デート? めっちゃ急やなぁ」
ゆめ「……うん。急に、顔が見たくなって。迷惑、だった?」
いつもの無口な姿からは想像もつかないくらい、素直で、少し寂しそうなゆめの声。
ほのはベッドの中で完全に目を覚まし、ふんわりと微笑んだ。
普段は一歩引いているゆめが、自分にだけ見せてくれた甘えたような態度が、たまらなく愛おしかったから。
ほの「迷惑なわけないやん。ほの、めっちゃ嬉しい。明日、いやもう今日やな? どこ連れてってくれるん?」
ゆめ「……ほのの行きたいところ、どこでも」
ほの「じゃあ、美味しいカフェ行って、その後はいっぱいお散歩しよ。約束な?」
ゆめ「うん。約束」
ほの「ふふ、じゃあまた後でね。おやすみ、ゆめ」
ゆめ「おやすみ、ほの」
通話が切れた画面を見つめながら、ゆめはぽっぽと熱くなる顔を両手で覆った。
夜空の下で、ほのもまた「ずるいわ、あんなん断れるわけないやん……」と、赤くなった耳を枕に押し付けていた。
デート後、楽屋でいつも通りクールに佇むゆめの元へ、ほのが嬉しそうに駆け寄っていくのを、メンバーたちはまだ誰も知らない。
感情をあまり表に出さない彼女だが、心の中にはずっと、同期の田村保乃への熱い想いを隠し持っていた。
時計の針は午前2時を回っている。
ベッドの中で何度も寝返りを打ったあと、ゆめは衝動を抑えきれず、スマートフォンの画面をタップした。
プルルル……、プルルル……。
数回のコールのあと、スピーカーから少しこもった、愛らしい声が聞こえてくる。
ゆめ「ごめんねこんな時間に」
ほの「…ん、は〜い。どした〜?」
いつもよりさらに柔らかく、引きずるような関西弁。
明らかに寝ぼけている。
ゆめ「ねてた?」
ほの「ん〜ねてた〜」
普段のクールなゆめなら、ここで「じゃあまた明日」と引いてしまうはずだった。
けれど、夜の静けさとほのの無防備な声が、彼女のブレーキを壊していく。
ゆめ「え、あごめん、、、」
ほの「ううん、大丈夫やで〜どした〜ん?」
電話の向こうで、ほの自身がベッドの中で寝返りを打つ衣擦れの音が聞こえた。それだけで、ゆめの心臓はうるさいほど跳ね上がる。胸の奥にしまい込んでいた好きという気持ちが、言葉になって溢れそうになった。
ゆめ「めっちゃ急なんだけどさ、明日デート行かない?」
口を突いて出た自分の言葉に、ゆめはハッとして息を呑んだ。
「デート」なんて、普段の自分なら絶対に言わない恥ずかしいワードだ。
しばらく、沈黙が流れる。
やってしまった、とゆめが電話を切ろうとしたその時、受話器の向こうから「ふふっ」と小さくて愛おしそうな笑い声が漏れた。
ほの「…デート? めっちゃ急やなぁ」
ゆめ「……うん。急に、顔が見たくなって。迷惑、だった?」
いつもの無口な姿からは想像もつかないくらい、素直で、少し寂しそうなゆめの声。
ほのはベッドの中で完全に目を覚まし、ふんわりと微笑んだ。
普段は一歩引いているゆめが、自分にだけ見せてくれた甘えたような態度が、たまらなく愛おしかったから。
ほの「迷惑なわけないやん。ほの、めっちゃ嬉しい。明日、いやもう今日やな? どこ連れてってくれるん?」
ゆめ「……ほのの行きたいところ、どこでも」
ほの「じゃあ、美味しいカフェ行って、その後はいっぱいお散歩しよ。約束な?」
ゆめ「うん。約束」
ほの「ふふ、じゃあまた後でね。おやすみ、ゆめ」
ゆめ「おやすみ、ほの」
通話が切れた画面を見つめながら、ゆめはぽっぽと熱くなる顔を両手で覆った。
夜空の下で、ほのもまた「ずるいわ、あんなん断れるわけないやん……」と、赤くなった耳を枕に押し付けていた。
デート後、楽屋でいつも通りクールに佇むゆめの元へ、ほのが嬉しそうに駆け寄っていくのを、メンバーたちはまだ誰も知らない。