藤吉夏鈴
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放課後の教室。人がまばらになっていく中、夏鈴はスマホを見つめて小さくため息をついた。
かりん「……どうしよ」
誕生日まで、あと少し。
大好きな人のために何かしたいのに、何をあげたらいいのか、全然思い浮かばない。
そのとき、後ろから声がした。
れな「かりんちゃん、どしたの?さっきから難しい顔してる〜」
かりん「……あ、れな。ちょっと悩んでて」
れな「え、恋愛?それとも仕事?」
かりん「……恋愛、かな」
れな「えー!珍しい!聞かせてよ〜」
少し迷ったあと、夏鈴はぽつりと打ち明けた。
かりん「ゆめ の誕生日、もうすぐでさ。プレゼント考えてるんだけど……全然決まらなくて」
れな「え〜かわいい悩みじゃんそれ!じゃあ一緒に見に行こ!」
かりん「……いいの?」
れな「もちろん!任せてよ、センスいいから私」
かりん「……それ自分で言う?」
れな「言う〜」
くすっと笑って、少しだけ気持ちが軽くなる。
その日の帰り、二人はそのまま街へ出た。
雑貨屋やアクセサリーショップをいくつも回る。
れな「これとかどう?シンプルで絶対似合うと思うけど」
かりん「……うーん、でももっと特別感ほしいかも」
れな「さすが本命、こだわるね〜」
かりん「……当たり前でしょ」
そう言いながらも、どこか照れたように目を逸らす夏鈴。
―――その頃。
ゆめ は、たまたま同じ街に来ていた。
何気なく歩いていると、見覚えのある後ろ姿が目に入る。
ゆめ「……え」
並んで歩く、二人の姿。
楽しそうに笑い合ってる。
――かりんと、れな。
ゆめ「……なんで」
心臓が、じわっと重くなる。
今日、そんな予定聞いてない。
……むしろ、「今日はちょっと用事ある」ってだけだった。
ゆめ「……そっか」
何でもないふりをして、通り過ぎようとする。
でも、どうしても目が離せなくて。
二人がアクセサリーを手に取って笑っているのが見えてしまう。
ゆめ「……楽しそう」
ぽつりとこぼれた言葉は、自分でも驚くほど寂しそうだった。
夜。
帰宅しても、胸のもやもやは消えない。
スマホを見る。
かりんからのメッセージ。
「今日はちょっと遅くなる、ごめん」
……それだけ。
ゆめ「……」
返信しようとして、やめる。
代わりに、ベッドに倒れ込んだ。
ゆめ「……なんか、やだ」
信じてるはずなのに。
好きだからこそ、不安になる。
次の日。
控室で顔を合わせても、ゆめ はどこかよそよそしい。
かりん「ゆめ、おはよ」
ゆめ「……おはよ」
目も合わせない。
かりん「……なんかあった?」
ゆめ「……別に」
かりん「……嘘」
少し間が空く。
ゆめ は耐えきれずに口を開いた。
ゆめ「……昨日さ」
かりん「……うん」
ゆめ「れなと一緒にいたよね」
かりん「……え」
ゆめ「たまたま見かけて……なんか、すごい楽しそうで」
かりん「……」
ゆめ「……私、何も聞いてなかったし」
声が少し震える。
ゆめ「……正直、ちょっと不安になった」
そして、夏鈴はゆっくり息を吐いた。
かりん「……ごめん」
ゆめ「……なんで謝るの」
かりん「……言えなかったから」
ゆめ「……?」
かりん「本当は、内緒にしたかった」
ゆめ「……内緒?」
かりん「……誕生日のプレゼント、探してた」
ゆめ「……え」
かりん「ゆめ に何あげたら喜ぶか分かんなくて……れなに付き合ってもらってた」
ゆめ「……」
一瞬、言葉が出ない。
かりん「……だから、言えなかった。ごめん」
ゆめ「……」
胸の奥に溜まってたものが、ふっとほどける。
ゆめ「……ばか」
かりん「……え」
ゆめ「そんなの、言ってくれればよかったのに」
かりん「……サプライズ、したかったから」
ゆめ「……」
顔が少し熱くなる。
ゆめ「……不安になった私がバカみたいじゃん」
かりん「……ごめんって」
ゆめ「……でも」
少しだけ近づく。
ゆめ「……嬉しい」
かりん「……」
ゆめ「そんなに考えてくれてたんだ」
かりん「……当たり前でしょ」
ゆめ「……ねぇ」
かりん「……ん?」
ゆめ「もう一個、わがまま言っていい?」
かりん「……なに」
ゆめ「次からは、秘密でもいいけど……ちょっとだけヒントちょうだい」
かりん「……難しいこと言うね」
ゆめ「だって、不安になるのやだし」
かりん「……じゃあ」
少しだけ笑う。
かりん「“ちゃんとゆめ のこと考えてる”ってヒントでいい?」
ゆめ「……それ、ヒントになってない」
かりん「……でも本当」
ゆめ「……」
そして、小さく笑う。
ゆめ「……じゃあ、それでいい」
かりん「……単純」
ゆめ「うるさい」
二人の距離が、自然と近づく。
秘密だったはずの想いは、ちゃんと届いていた。
だからもう、不安なんていらない。
――秘密なのに、こんなに優しい。
かりん「……どうしよ」
誕生日まで、あと少し。
大好きな人のために何かしたいのに、何をあげたらいいのか、全然思い浮かばない。
そのとき、後ろから声がした。
れな「かりんちゃん、どしたの?さっきから難しい顔してる〜」
かりん「……あ、れな。ちょっと悩んでて」
れな「え、恋愛?それとも仕事?」
かりん「……恋愛、かな」
れな「えー!珍しい!聞かせてよ〜」
少し迷ったあと、夏鈴はぽつりと打ち明けた。
かりん「ゆめ の誕生日、もうすぐでさ。プレゼント考えてるんだけど……全然決まらなくて」
れな「え〜かわいい悩みじゃんそれ!じゃあ一緒に見に行こ!」
かりん「……いいの?」
れな「もちろん!任せてよ、センスいいから私」
かりん「……それ自分で言う?」
れな「言う〜」
くすっと笑って、少しだけ気持ちが軽くなる。
その日の帰り、二人はそのまま街へ出た。
雑貨屋やアクセサリーショップをいくつも回る。
れな「これとかどう?シンプルで絶対似合うと思うけど」
かりん「……うーん、でももっと特別感ほしいかも」
れな「さすが本命、こだわるね〜」
かりん「……当たり前でしょ」
そう言いながらも、どこか照れたように目を逸らす夏鈴。
―――その頃。
ゆめ は、たまたま同じ街に来ていた。
何気なく歩いていると、見覚えのある後ろ姿が目に入る。
ゆめ「……え」
並んで歩く、二人の姿。
楽しそうに笑い合ってる。
――かりんと、れな。
ゆめ「……なんで」
心臓が、じわっと重くなる。
今日、そんな予定聞いてない。
……むしろ、「今日はちょっと用事ある」ってだけだった。
ゆめ「……そっか」
何でもないふりをして、通り過ぎようとする。
でも、どうしても目が離せなくて。
二人がアクセサリーを手に取って笑っているのが見えてしまう。
ゆめ「……楽しそう」
ぽつりとこぼれた言葉は、自分でも驚くほど寂しそうだった。
夜。
帰宅しても、胸のもやもやは消えない。
スマホを見る。
かりんからのメッセージ。
「今日はちょっと遅くなる、ごめん」
……それだけ。
ゆめ「……」
返信しようとして、やめる。
代わりに、ベッドに倒れ込んだ。
ゆめ「……なんか、やだ」
信じてるはずなのに。
好きだからこそ、不安になる。
次の日。
控室で顔を合わせても、ゆめ はどこかよそよそしい。
かりん「ゆめ、おはよ」
ゆめ「……おはよ」
目も合わせない。
かりん「……なんかあった?」
ゆめ「……別に」
かりん「……嘘」
少し間が空く。
ゆめ は耐えきれずに口を開いた。
ゆめ「……昨日さ」
かりん「……うん」
ゆめ「れなと一緒にいたよね」
かりん「……え」
ゆめ「たまたま見かけて……なんか、すごい楽しそうで」
かりん「……」
ゆめ「……私、何も聞いてなかったし」
声が少し震える。
ゆめ「……正直、ちょっと不安になった」
そして、夏鈴はゆっくり息を吐いた。
かりん「……ごめん」
ゆめ「……なんで謝るの」
かりん「……言えなかったから」
ゆめ「……?」
かりん「本当は、内緒にしたかった」
ゆめ「……内緒?」
かりん「……誕生日のプレゼント、探してた」
ゆめ「……え」
かりん「ゆめ に何あげたら喜ぶか分かんなくて……れなに付き合ってもらってた」
ゆめ「……」
一瞬、言葉が出ない。
かりん「……だから、言えなかった。ごめん」
ゆめ「……」
胸の奥に溜まってたものが、ふっとほどける。
ゆめ「……ばか」
かりん「……え」
ゆめ「そんなの、言ってくれればよかったのに」
かりん「……サプライズ、したかったから」
ゆめ「……」
顔が少し熱くなる。
ゆめ「……不安になった私がバカみたいじゃん」
かりん「……ごめんって」
ゆめ「……でも」
少しだけ近づく。
ゆめ「……嬉しい」
かりん「……」
ゆめ「そんなに考えてくれてたんだ」
かりん「……当たり前でしょ」
ゆめ「……ねぇ」
かりん「……ん?」
ゆめ「もう一個、わがまま言っていい?」
かりん「……なに」
ゆめ「次からは、秘密でもいいけど……ちょっとだけヒントちょうだい」
かりん「……難しいこと言うね」
ゆめ「だって、不安になるのやだし」
かりん「……じゃあ」
少しだけ笑う。
かりん「“ちゃんとゆめ のこと考えてる”ってヒントでいい?」
ゆめ「……それ、ヒントになってない」
かりん「……でも本当」
ゆめ「……」
そして、小さく笑う。
ゆめ「……じゃあ、それでいい」
かりん「……単純」
ゆめ「うるさい」
二人の距離が、自然と近づく。
秘密だったはずの想いは、ちゃんと届いていた。
だからもう、不安なんていらない。
――秘密なのに、こんなに優しい。