守屋麗奈
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ネオンが揺れる夜の街。
扉を開けると、甘い香りと、少しざわついた空気。
その中で――
れなは、笑っていた。
れな「いらっしゃいませ」
完璧な笑顔。
完璧な声色。
それが、仕事。
――キャバクラで働く守屋麗奈。
指名も多くて、人気もある。
でも。
れな(……全部、仕事)
そう割り切っている。
その日。
初めて見かける顔が、席に座っていた。
ゆめ。
少しだけ落ち着いた雰囲気で、周りの空気に流されない感じ。
れな(……珍しいタイプ)
自然と、その席につく。
れな「はじめまして、れなです」
にこっと笑う。
ゆめ「……どうも」
静かな返事。
れな「初めてですよね?」
ゆめ「うん」
短く答える。
れな(……あんまり話すタイプじゃない)
でも、こういう人ほど。
れな「なに飲みます?」
グラスを手に取る。
ゆめ「同じのでいい」
れな「了解です」
手際よく準備しながら、自然と距離を縮める。
れな「こういうお店、よく来るんですか?」
ゆめ「あんまり」
れな「じゃあ、なんで今日?」
ゆめ「……なんとなく」
曖昧な答え。
でも、その目はどこか寂しそうで。
れな(……そういう顔、ずるい)
少しだけ、気になってしまう。
――時間が進むにつれて、会話も少しずつ増えていく。
ゆめは、派手に遊ぶタイプでもなく、ただ静かに話を聞いてくれる人だった。
れな「……なんか、変な感じ」
ゆめ「なにが」
れな「こんなに静かなお客さん、珍しい」
くすっと笑う。
ゆめ「うるさい方がいい?」
れな「ううん」
首を振る。
れな「こっちの方が、好きかも」
ぽろっと本音が出る。
自分でも少し驚く。
れな(……今の、仕事じゃない)
ゆめは少しだけ目を細めて。
ゆめ「それ、本音?」
静かに聞く。
れな「……どう思います?」
少しだけはぐらかす。
でも。
ゆめ「本音っぽい」
その言葉に、心が少しだけ揺れる。
――その日以降。
ゆめは、何度か店に来るようになった。
でも、変わらない。
派手にお酒を飲むわけでもなく、無理に盛り上げるわけでもなく。
ただ、れなの隣に座る。
れな(……なんで来るんだろ)
気になる。
ある日。
れな「ねえ」
ゆめ「ん?」
れな「なんで、来てくれるんですか?」
真っ直ぐ聞く。
ゆめは少しだけ間を置いて――
ゆめ「……れながいるから」
さらっと言う。
れな「……それ、ずるいですよ」
少しだけ笑う。
れな「そういうの、慣れてるんでしょ?」
ゆめ「慣れてない」
即答。
ゆめ「こういう店も、あんまり来ないし」
その目は、嘘っぽくない。
れな(……ほんとに?)
胸が少しだけざわつく。
れな「……じゃあさ」
少しだけ前のめりになる。
れな「もし、ここじゃなかったら?」
ゆめ「え?」
れな「こういう店じゃなくて」
れな「普通に会ってたら」
少しだけ、声を落とす。
れな「……どうしてました?」
静かな問い。
ゆめは、少しだけ考えて。
ゆめ「……たぶん」
れなを見つめる。
ゆめ「普通に、好きになってる」
その言葉に、時間が止まる。
れな「……なにそれ」
笑おうとするけど、うまく笑えない。
れな(……ずるい)
仕事のはずなのに。
れな「……こっちは仕事ですよ?」
少しだけ強がる。
ゆめ「知ってる」
頷く。
ゆめ「でも、さっきのは仕事じゃなかった」
静かな指摘。
胸が、ぎゅっとなる。
れな「……」
言い返せない。
ゆめ「れな」
名前を呼ばれる。
ゆめ「外で、会わない?」
その一言。
れな「……それ、ルール違反」
小さく呟く。
ゆめ「じゃあ、客じゃなくなる」
まっすぐな目。
ゆめ「ちゃんと、ひとりの人として会いたい」
その言葉に、揺れる。
れな(……どうしよう)
仕事じゃない関係。
本音の関係。
怖いけど。
れな「……一回だけ」
小さく言う。
れな「一回だけ、ですよ」
ゆめは、少しだけ笑って。
ゆめ「うん」
静かに頷く。
その約束はグラス越しじゃない、本当の距離への一歩だった。
扉を開けると、甘い香りと、少しざわついた空気。
その中で――
れなは、笑っていた。
れな「いらっしゃいませ」
完璧な笑顔。
完璧な声色。
それが、仕事。
――キャバクラで働く守屋麗奈。
指名も多くて、人気もある。
でも。
れな(……全部、仕事)
そう割り切っている。
その日。
初めて見かける顔が、席に座っていた。
ゆめ。
少しだけ落ち着いた雰囲気で、周りの空気に流されない感じ。
れな(……珍しいタイプ)
自然と、その席につく。
れな「はじめまして、れなです」
にこっと笑う。
ゆめ「……どうも」
静かな返事。
れな「初めてですよね?」
ゆめ「うん」
短く答える。
れな(……あんまり話すタイプじゃない)
でも、こういう人ほど。
れな「なに飲みます?」
グラスを手に取る。
ゆめ「同じのでいい」
れな「了解です」
手際よく準備しながら、自然と距離を縮める。
れな「こういうお店、よく来るんですか?」
ゆめ「あんまり」
れな「じゃあ、なんで今日?」
ゆめ「……なんとなく」
曖昧な答え。
でも、その目はどこか寂しそうで。
れな(……そういう顔、ずるい)
少しだけ、気になってしまう。
――時間が進むにつれて、会話も少しずつ増えていく。
ゆめは、派手に遊ぶタイプでもなく、ただ静かに話を聞いてくれる人だった。
れな「……なんか、変な感じ」
ゆめ「なにが」
れな「こんなに静かなお客さん、珍しい」
くすっと笑う。
ゆめ「うるさい方がいい?」
れな「ううん」
首を振る。
れな「こっちの方が、好きかも」
ぽろっと本音が出る。
自分でも少し驚く。
れな(……今の、仕事じゃない)
ゆめは少しだけ目を細めて。
ゆめ「それ、本音?」
静かに聞く。
れな「……どう思います?」
少しだけはぐらかす。
でも。
ゆめ「本音っぽい」
その言葉に、心が少しだけ揺れる。
――その日以降。
ゆめは、何度か店に来るようになった。
でも、変わらない。
派手にお酒を飲むわけでもなく、無理に盛り上げるわけでもなく。
ただ、れなの隣に座る。
れな(……なんで来るんだろ)
気になる。
ある日。
れな「ねえ」
ゆめ「ん?」
れな「なんで、来てくれるんですか?」
真っ直ぐ聞く。
ゆめは少しだけ間を置いて――
ゆめ「……れながいるから」
さらっと言う。
れな「……それ、ずるいですよ」
少しだけ笑う。
れな「そういうの、慣れてるんでしょ?」
ゆめ「慣れてない」
即答。
ゆめ「こういう店も、あんまり来ないし」
その目は、嘘っぽくない。
れな(……ほんとに?)
胸が少しだけざわつく。
れな「……じゃあさ」
少しだけ前のめりになる。
れな「もし、ここじゃなかったら?」
ゆめ「え?」
れな「こういう店じゃなくて」
れな「普通に会ってたら」
少しだけ、声を落とす。
れな「……どうしてました?」
静かな問い。
ゆめは、少しだけ考えて。
ゆめ「……たぶん」
れなを見つめる。
ゆめ「普通に、好きになってる」
その言葉に、時間が止まる。
れな「……なにそれ」
笑おうとするけど、うまく笑えない。
れな(……ずるい)
仕事のはずなのに。
れな「……こっちは仕事ですよ?」
少しだけ強がる。
ゆめ「知ってる」
頷く。
ゆめ「でも、さっきのは仕事じゃなかった」
静かな指摘。
胸が、ぎゅっとなる。
れな「……」
言い返せない。
ゆめ「れな」
名前を呼ばれる。
ゆめ「外で、会わない?」
その一言。
れな「……それ、ルール違反」
小さく呟く。
ゆめ「じゃあ、客じゃなくなる」
まっすぐな目。
ゆめ「ちゃんと、ひとりの人として会いたい」
その言葉に、揺れる。
れな(……どうしよう)
仕事じゃない関係。
本音の関係。
怖いけど。
れな「……一回だけ」
小さく言う。
れな「一回だけ、ですよ」
ゆめは、少しだけ笑って。
ゆめ「うん」
静かに頷く。
その約束はグラス越しじゃない、本当の距離への一歩だった。