森田ひかる
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グループの控室。
ひかるはずっと、ゆめのことが好きだった。
視線を向ければすぐ逸らされる。
話しかければ「別に」と返される。
でも、本当はわかっていた。
目が合うとき、ほんの少しだけ優しくなることを。
ひかる「ねぇ、今日のダンスどうだった?」
ゆめ「……普通。ミスしてたし」
ひかる「え、どこ?」
ゆめ「……最後のターン。危なかった」
ひかるは笑う。
ひかる「ちゃんと見てるじゃん」
ゆめ「べ、別に。たまたま」
その“たまたま”が、ひかるは嬉しかった。
でも——
何度もアピールしても、
返ってくるのはそっけない言葉ばかり。
ある日、ひかるは泣いた。
その隣にいてくれたのが、ほのだった。
ほの「無理しなくていいよ。ひーちゃんは十分頑張ってる」
その手は、あたたかかった。
ひかるは、疲れていた。
そして数週間後。
ひかる「……私、ほのと付き合うことになった」
静まり返る控室。
ゆめの手が、わずかに震えた。
ゆめ「……そう。よかったじゃん」
ひかる「うん。大事にしてくれるし」
その夜。
ゆめは初めて、自分がどれだけ失ったかを理解した。
——遅すぎた。
数日後。
レッスン終わり。
ゆめ「ひかる、ちょっといい」
ひかる「どうしたの?」
いつもより近い距離。
ゆめ「……その髪型、似合ってる」
ひかる「え?」
ゆめ「可愛い」
ひかるの心臓が跳ねた。
今さら、そんなこと。
ひかる「急にどうしたの」
ゆめ「別に。思っただけ」
でもその目は、逃げなかった。
別の日。
帰り道。
ゆめ「ほのと、うまくいってる?」
ひかる「……うん」
ゆめ「……そっか」
ゆめ「でもさ」
ひかる「?」
ゆめ「ひかるが笑ってると、今でも嬉しい」
ひかるの胸がざわつく。
ひかる「やめてよ」
ゆめ「やめない」
ひかる「私はもう——」
ゆめ「好きだよ」
空気が止まる。
ひかる「……今さら」
ゆめ「今さらでも、好き」
その声は震えていた。
ゆめ「素直になれなかったの、後悔してる。ひかるが離れるまで、気づかなかった」
ひかるは目を伏せる。
ほのの優しさ。
ゆめの不器用な想い。
どっちも本物。
ひかる「ずるいよ……」
ゆめ「うん。ずるい」
ひかる「私、やっと前向けたのに」
ゆめ「それでも振り向かせたい」
その真っ直ぐな瞳に、昔の優しさがあった。
ひかるの心が、揺れる。
ほのといると安心する。
でもゆめといると、胸が苦しいくらい熱くなる。
ひかる「……どうして今なの」
ゆめ「失うのが怖くなったから」
初めて見る、弱い顔。
ひかるは息を飲む。
ひかる「……考えさせて」
ゆめ「待つ」
ひかる「待たなくていい」
ゆめ「待つ」
その一言に、胸が締めつけられた。
夜、ベッドの中。
ほのからのメッセージ
「今日もお疲れ様。大好きだよ」
涙が滲む。
でも、頭の中に浮かぶのは——
ゆめの震える声。
ひかるは、スマホを胸に抱きしめる。
ひかる「……どうしたらいいの」
揺れ始めた心は、もう簡単には止まらなかった。
最近のゆめは、明らかに変わった。
逃げない。逸らさない。隠さない。
レッスン中も、視線はまっすぐひかるに向いている。
ひかる「……見すぎ」
ゆめ「見てる」
ひかる「堂々と言わないで」
ゆめ「好きだから」
周りにメンバーがいるのに、平然と言う。
ひかるの心臓がうるさい。
楽屋。
ひかるがほのと並んで座っていると、ゆめが間に割って入った。
ゆめ「ひかる、次の立ち位置確認しよ」
ほの「今やらなくても——」
ゆめ「今がいい」
空気が張り詰める。
ひかる「ゆめ……」
ゆめ「奪いに来たって言ったでしょ」
ほのの視線が鋭くなる。
ほの「ひーちゃんは私の彼女だよ」
ゆめ「知ってる。でも、まだ終わってない」
ひかるの呼吸が浅くなる。
その夜。
ゆめから着信。
ひかる「……もしもし」
ゆめ「会いたい」
ひかる「無理。ほのに悪い」
ゆめ「悪いって思うってことは、揺れてるってことでしょ」
図星だった。
ゆめ「ねぇ、正直に答えて」
ひかる「……なに」
ゆめ「私が他の子と付き合ったら、平気?」
胸が締め付けられる。
ひかる「……」
ゆめ「ほら」
ひかる「やだ」
小さな声。
ゆめ「聞こえない」
ひかる「やだよ」
涙が滲む。
ゆめ「じゃあ、手離さないで」
ひかる「私、最低だよ」
ゆめ「最低でもいい。ひかるが欲しい」
その言葉は重く、真剣だった。
数日後。
ほのがひかるを抱きしめる。
ほの「最近、元気ないね」
ひかる「……」
ほの「ゆめのこと?」
ひかるは息を止めた。
ほの「奪われるつもりないよ」
静かな声。でも、強い。
その日の帰り道。
ゆめが待っていた。
ゆめ「今日、決めて」
ひかる「そんな急に——」
ゆめ「私、本気だから」
一歩、距離を詰める。
ゆめ「もうツンツンしない。隠さない。全部出す」
震える指で、ひかるの手を掴む。
ゆめ「好き。ずっと好きだった。ひかるが他の子のものになるの、無理」
ひかる「……苦しい」
ゆめ「私も苦しい」
額が触れそうな距離。
ゆめ「選んで」
世界が止まったみたいに静か。
ほのの優しさ。
ゆめの熱。
ひかるの涙がこぼれる。
ひかる「……私」
ゆめ「うん」
ひかるは目を閉じる。
心臓の音が、早いのはどっちの名前を考えたとき?
——答えは、もう出ていた。
ひかるは、ゆめの服をぎゅっと掴む。
ひかる「……離れないで」
ゆめの呼吸が止まる。
ゆめ「それって」
ひかる「ちゃんと別れる。逃げない」
涙でぐしゃぐしゃのまま、笑う。
ひかる「今度は、ツンツン禁止だからね」
ゆめ「もうしない」
ひかる「絶対?」
ゆめ「ひかる限定で甘い」
ひかるは泣きながら笑った。
苦しくて、でも熱くて。
ようやく、素直になれた二人。
でも——
ほのに伝える夜は、まだ来ていない。
ひかるは震える指でメッセージを打った。
「今日、話したい」
すぐに返事が来る。
ほの「うん。待ってるね」
その“ね”が優しすぎて、胸が痛い。
公園のベンチ。
夜風が冷たい。
ほの「どうしたの?」
いつも通り、柔らかい笑顔。
ひかるの喉が詰まる。
ひかる「……ごめんね」
それだけで、ほのは察した。
少しだけ目を伏せて、それでも笑う。
ほの「ゆめ?」
ひかるは、うなずくことしかできなかった。
ひかる「私、最低だよ。ほのに救われたのに」
ほの「うん」
否定しない。
でも責めもしない。
ほの「でもね、ひーちゃん」
そっと手を握る。
ほの「ひーちゃんが笑ってないの、気づいてた」
ひかる「……え」
ほの「私といると安心はしてくれる。でも、ドキドキはしてない」
涙が、ぽろっと落ちる。
ほの「安心って、恋のゴールみたいだけどさ」
少しだけ震えた声。
ほの「始まりじゃないんだよね」
ひかる「やめて……」
ほの「私は、ひーちゃんの“逃げ場所”だった」
ひかるは首を振る。
ひかる「違う、好きだよ、ちゃんと」
ほの「うん、好きだよね。でも」
ほのは笑う。
その笑顔が、強すぎる。
ほの「ゆめの話するときのひーちゃんの目、全然違う」
言葉を失う。
ほの「悔しいけど、あれには勝てないや」
涙がこぼれたのは、ひかるより先にほのだった。
でも、すぐに拭う。
ほの「奪われたんじゃないよ」
ひかる「……」
ほの「最初から、ひかるの心の真ん中はゆめだった」
その優しさが、残酷だった。
ひかる「ほの、怒ってよ」
ほの「怒らない」
ひかる「なんで」
ほの「好きだから」
静かな夜。
ほの「本気で好きだったから、縛りたくない」
ひかるは声をあげて泣いた。
ほのが抱きしめる。
最後の、恋人としての抱擁。
ほの「ちゃんと幸せになって」
ひかる「……ごめん」
ほの「謝らないで。私が選ばれなかっただけ」
少し間を置いて。
ほの「でもさ、もしあの子がまたツンツンしたら」
涙目で笑う。
ほの「そのときは取り返しに行くから」
ひかるは泣きながら笑った。
翌日。
ゆめの前に立つひかる。
目は赤い。
ゆめ「……泣いた?」
ひかる「うん」
ゆめ「私のせい?」
ひかる「違う。私の決断」
一歩、近づく。
ひかる「ほのにちゃんと伝えた」
ゆめの表情が固まる。
ゆめ「……ほんとに?」
ひかる「うん」
ゆめ「泣いた?」
ひかる「いっぱい」
ゆめの拳が震える。
ゆめ「私、あの子に勝てる気しない」
ひかる「勝ち負けじゃないよ」
手を伸ばす。
ひかる「でも、私が選んだのは」
ぎゅっと、ゆめの手を握る。
ひかる「ゆめ」
初めて、ゆめが涙をこぼした。
ゆめ「……絶対後悔させない」
ひかる「うん」
でも心のどこかで、忘れられない。
優しくて、大人で、あったかいほのの背中。
それでも前に進むと決めた。
——これは、誰かを泣かせてでも選んだ恋。
ひかるはずっと、ゆめのことが好きだった。
視線を向ければすぐ逸らされる。
話しかければ「別に」と返される。
でも、本当はわかっていた。
目が合うとき、ほんの少しだけ優しくなることを。
ひかる「ねぇ、今日のダンスどうだった?」
ゆめ「……普通。ミスしてたし」
ひかる「え、どこ?」
ゆめ「……最後のターン。危なかった」
ひかるは笑う。
ひかる「ちゃんと見てるじゃん」
ゆめ「べ、別に。たまたま」
その“たまたま”が、ひかるは嬉しかった。
でも——
何度もアピールしても、
返ってくるのはそっけない言葉ばかり。
ある日、ひかるは泣いた。
その隣にいてくれたのが、ほのだった。
ほの「無理しなくていいよ。ひーちゃんは十分頑張ってる」
その手は、あたたかかった。
ひかるは、疲れていた。
そして数週間後。
ひかる「……私、ほのと付き合うことになった」
静まり返る控室。
ゆめの手が、わずかに震えた。
ゆめ「……そう。よかったじゃん」
ひかる「うん。大事にしてくれるし」
その夜。
ゆめは初めて、自分がどれだけ失ったかを理解した。
——遅すぎた。
数日後。
レッスン終わり。
ゆめ「ひかる、ちょっといい」
ひかる「どうしたの?」
いつもより近い距離。
ゆめ「……その髪型、似合ってる」
ひかる「え?」
ゆめ「可愛い」
ひかるの心臓が跳ねた。
今さら、そんなこと。
ひかる「急にどうしたの」
ゆめ「別に。思っただけ」
でもその目は、逃げなかった。
別の日。
帰り道。
ゆめ「ほのと、うまくいってる?」
ひかる「……うん」
ゆめ「……そっか」
ゆめ「でもさ」
ひかる「?」
ゆめ「ひかるが笑ってると、今でも嬉しい」
ひかるの胸がざわつく。
ひかる「やめてよ」
ゆめ「やめない」
ひかる「私はもう——」
ゆめ「好きだよ」
空気が止まる。
ひかる「……今さら」
ゆめ「今さらでも、好き」
その声は震えていた。
ゆめ「素直になれなかったの、後悔してる。ひかるが離れるまで、気づかなかった」
ひかるは目を伏せる。
ほのの優しさ。
ゆめの不器用な想い。
どっちも本物。
ひかる「ずるいよ……」
ゆめ「うん。ずるい」
ひかる「私、やっと前向けたのに」
ゆめ「それでも振り向かせたい」
その真っ直ぐな瞳に、昔の優しさがあった。
ひかるの心が、揺れる。
ほのといると安心する。
でもゆめといると、胸が苦しいくらい熱くなる。
ひかる「……どうして今なの」
ゆめ「失うのが怖くなったから」
初めて見る、弱い顔。
ひかるは息を飲む。
ひかる「……考えさせて」
ゆめ「待つ」
ひかる「待たなくていい」
ゆめ「待つ」
その一言に、胸が締めつけられた。
夜、ベッドの中。
ほのからのメッセージ
「今日もお疲れ様。大好きだよ」
涙が滲む。
でも、頭の中に浮かぶのは——
ゆめの震える声。
ひかるは、スマホを胸に抱きしめる。
ひかる「……どうしたらいいの」
揺れ始めた心は、もう簡単には止まらなかった。
最近のゆめは、明らかに変わった。
逃げない。逸らさない。隠さない。
レッスン中も、視線はまっすぐひかるに向いている。
ひかる「……見すぎ」
ゆめ「見てる」
ひかる「堂々と言わないで」
ゆめ「好きだから」
周りにメンバーがいるのに、平然と言う。
ひかるの心臓がうるさい。
楽屋。
ひかるがほのと並んで座っていると、ゆめが間に割って入った。
ゆめ「ひかる、次の立ち位置確認しよ」
ほの「今やらなくても——」
ゆめ「今がいい」
空気が張り詰める。
ひかる「ゆめ……」
ゆめ「奪いに来たって言ったでしょ」
ほのの視線が鋭くなる。
ほの「ひーちゃんは私の彼女だよ」
ゆめ「知ってる。でも、まだ終わってない」
ひかるの呼吸が浅くなる。
その夜。
ゆめから着信。
ひかる「……もしもし」
ゆめ「会いたい」
ひかる「無理。ほのに悪い」
ゆめ「悪いって思うってことは、揺れてるってことでしょ」
図星だった。
ゆめ「ねぇ、正直に答えて」
ひかる「……なに」
ゆめ「私が他の子と付き合ったら、平気?」
胸が締め付けられる。
ひかる「……」
ゆめ「ほら」
ひかる「やだ」
小さな声。
ゆめ「聞こえない」
ひかる「やだよ」
涙が滲む。
ゆめ「じゃあ、手離さないで」
ひかる「私、最低だよ」
ゆめ「最低でもいい。ひかるが欲しい」
その言葉は重く、真剣だった。
数日後。
ほのがひかるを抱きしめる。
ほの「最近、元気ないね」
ひかる「……」
ほの「ゆめのこと?」
ひかるは息を止めた。
ほの「奪われるつもりないよ」
静かな声。でも、強い。
その日の帰り道。
ゆめが待っていた。
ゆめ「今日、決めて」
ひかる「そんな急に——」
ゆめ「私、本気だから」
一歩、距離を詰める。
ゆめ「もうツンツンしない。隠さない。全部出す」
震える指で、ひかるの手を掴む。
ゆめ「好き。ずっと好きだった。ひかるが他の子のものになるの、無理」
ひかる「……苦しい」
ゆめ「私も苦しい」
額が触れそうな距離。
ゆめ「選んで」
世界が止まったみたいに静か。
ほのの優しさ。
ゆめの熱。
ひかるの涙がこぼれる。
ひかる「……私」
ゆめ「うん」
ひかるは目を閉じる。
心臓の音が、早いのはどっちの名前を考えたとき?
——答えは、もう出ていた。
ひかるは、ゆめの服をぎゅっと掴む。
ひかる「……離れないで」
ゆめの呼吸が止まる。
ゆめ「それって」
ひかる「ちゃんと別れる。逃げない」
涙でぐしゃぐしゃのまま、笑う。
ひかる「今度は、ツンツン禁止だからね」
ゆめ「もうしない」
ひかる「絶対?」
ゆめ「ひかる限定で甘い」
ひかるは泣きながら笑った。
苦しくて、でも熱くて。
ようやく、素直になれた二人。
でも——
ほのに伝える夜は、まだ来ていない。
ひかるは震える指でメッセージを打った。
「今日、話したい」
すぐに返事が来る。
ほの「うん。待ってるね」
その“ね”が優しすぎて、胸が痛い。
公園のベンチ。
夜風が冷たい。
ほの「どうしたの?」
いつも通り、柔らかい笑顔。
ひかるの喉が詰まる。
ひかる「……ごめんね」
それだけで、ほのは察した。
少しだけ目を伏せて、それでも笑う。
ほの「ゆめ?」
ひかるは、うなずくことしかできなかった。
ひかる「私、最低だよ。ほのに救われたのに」
ほの「うん」
否定しない。
でも責めもしない。
ほの「でもね、ひーちゃん」
そっと手を握る。
ほの「ひーちゃんが笑ってないの、気づいてた」
ひかる「……え」
ほの「私といると安心はしてくれる。でも、ドキドキはしてない」
涙が、ぽろっと落ちる。
ほの「安心って、恋のゴールみたいだけどさ」
少しだけ震えた声。
ほの「始まりじゃないんだよね」
ひかる「やめて……」
ほの「私は、ひーちゃんの“逃げ場所”だった」
ひかるは首を振る。
ひかる「違う、好きだよ、ちゃんと」
ほの「うん、好きだよね。でも」
ほのは笑う。
その笑顔が、強すぎる。
ほの「ゆめの話するときのひーちゃんの目、全然違う」
言葉を失う。
ほの「悔しいけど、あれには勝てないや」
涙がこぼれたのは、ひかるより先にほのだった。
でも、すぐに拭う。
ほの「奪われたんじゃないよ」
ひかる「……」
ほの「最初から、ひかるの心の真ん中はゆめだった」
その優しさが、残酷だった。
ひかる「ほの、怒ってよ」
ほの「怒らない」
ひかる「なんで」
ほの「好きだから」
静かな夜。
ほの「本気で好きだったから、縛りたくない」
ひかるは声をあげて泣いた。
ほのが抱きしめる。
最後の、恋人としての抱擁。
ほの「ちゃんと幸せになって」
ひかる「……ごめん」
ほの「謝らないで。私が選ばれなかっただけ」
少し間を置いて。
ほの「でもさ、もしあの子がまたツンツンしたら」
涙目で笑う。
ほの「そのときは取り返しに行くから」
ひかるは泣きながら笑った。
翌日。
ゆめの前に立つひかる。
目は赤い。
ゆめ「……泣いた?」
ひかる「うん」
ゆめ「私のせい?」
ひかる「違う。私の決断」
一歩、近づく。
ひかる「ほのにちゃんと伝えた」
ゆめの表情が固まる。
ゆめ「……ほんとに?」
ひかる「うん」
ゆめ「泣いた?」
ひかる「いっぱい」
ゆめの拳が震える。
ゆめ「私、あの子に勝てる気しない」
ひかる「勝ち負けじゃないよ」
手を伸ばす。
ひかる「でも、私が選んだのは」
ぎゅっと、ゆめの手を握る。
ひかる「ゆめ」
初めて、ゆめが涙をこぼした。
ゆめ「……絶対後悔させない」
ひかる「うん」
でも心のどこかで、忘れられない。
優しくて、大人で、あったかいほのの背中。
それでも前に進むと決めた。
——これは、誰かを泣かせてでも選んだ恋。