森田村
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ガヤガヤした廊下の音が、ドアの向こうで遠ざかっていく。
楽屋に戻ると、ほのはまだ頬が少し赤い。
ほの「ねえ聞いて、ぞのおくんがさ――」
その言葉で、空気が一瞬止まる。
ひかる「……まだ言うんだ」
低い声。
男装のままのひかるは、椅子に座って腕を組んでいる。
ほの「え? なに?」
ひかる「さっきからずっと、ぞのおくん、ぞのおくんって」
ほの「だってさ、距離近いし、声も落ち着いてて……」
そこまで言って、やっと気づく。
ほの「……あ、もしかして嫉妬してる?」
ひかるは小さくため息をつく。
ひかる「収録中さ、ほの私のこと一回も見なかった」
ほの「そんなこと……」
ひかる「ぞのおくんと話すたび、声トーン変わってたし」
ほの「……キャラ的に」
ひかる「恋人なのに」
その一言で、ほのは黙る。
少し沈黙。
ほのがそっと近づく。
ほの「……ひーちゃん」
ひかる「なに」
ほの「ごめん」
ひかる「なにが」
ほの「……照れてた」
ひかる「知ってる」
ひかるは視線を逸らしたまま続ける。
ひかる「でもさ私の前では、ああいう顔しないじゃん」
ほの「……」
ひかる「ちょっと、悔しかった」
男装のせいか、素直な声が余計に刺さる。
ほの「……ひーちゃんも、かっこよかったよ」
ひかる「今さら」
ほの「ほんと」
そう言って、ひかるの袖を引く。
ほの「私の恋人は、ひーちゃんだけだよ」
ひかる「……」
ひかるはしばらく黙ってから、ほのを見る。
ひかる「じゃあ、私の前でも照れて」
ほの「え」
ひかる「ぞのおくんの前みたいに」
ほの「無理だって」
ひかる「私はできる」
立ち上がって、距離を詰める。
ひかる「ほの」
ほの「……なに」
ひかる「収録中、ずっと我慢してた」
ほの「ここ楽屋……」
ひかる「だから声小さくしてる」
耳元で、低く。
ひかる「私のだから」
ほの「……っ」
一気に顔が赤くなる。
ほの「それ、ずるい」
ひかる「ぞのおくんには言わない」
ほの「……」
ひかる「私にだけ」
ほのは観念したみたいに、ひかるの腕を掴む。
ほの「……嫉妬してくれるの、嫌じゃない」
ひかる「……言わせんな」
ひかるは小さく笑って、ほのの頭に手を置く。
ひかる「次は私のことだけ見て」
ほの「……はい」
廊下から、スタッフの声が聞こえる。
「そろそろ移動お願いしまーす」
ひかるは一歩引いて、いつもの距離に戻る。
ひかる「……仕事終わったら、続き」
ほの「続きって」
ひかる「嫉妬の精算」
ほの「……怖い」
ひかる「嬉しそう」
その日、田村保乃は改めて思い知った。
森田ひかるは、誰よりも独占欲が強い。
楽屋に戻ると、ほのはまだ頬が少し赤い。
ほの「ねえ聞いて、ぞのおくんがさ――」
その言葉で、空気が一瞬止まる。
ひかる「……まだ言うんだ」
低い声。
男装のままのひかるは、椅子に座って腕を組んでいる。
ほの「え? なに?」
ひかる「さっきからずっと、ぞのおくん、ぞのおくんって」
ほの「だってさ、距離近いし、声も落ち着いてて……」
そこまで言って、やっと気づく。
ほの「……あ、もしかして嫉妬してる?」
ひかるは小さくため息をつく。
ひかる「収録中さ、ほの私のこと一回も見なかった」
ほの「そんなこと……」
ひかる「ぞのおくんと話すたび、声トーン変わってたし」
ほの「……キャラ的に」
ひかる「恋人なのに」
その一言で、ほのは黙る。
少し沈黙。
ほのがそっと近づく。
ほの「……ひーちゃん」
ひかる「なに」
ほの「ごめん」
ひかる「なにが」
ほの「……照れてた」
ひかる「知ってる」
ひかるは視線を逸らしたまま続ける。
ひかる「でもさ私の前では、ああいう顔しないじゃん」
ほの「……」
ひかる「ちょっと、悔しかった」
男装のせいか、素直な声が余計に刺さる。
ほの「……ひーちゃんも、かっこよかったよ」
ひかる「今さら」
ほの「ほんと」
そう言って、ひかるの袖を引く。
ほの「私の恋人は、ひーちゃんだけだよ」
ひかる「……」
ひかるはしばらく黙ってから、ほのを見る。
ひかる「じゃあ、私の前でも照れて」
ほの「え」
ひかる「ぞのおくんの前みたいに」
ほの「無理だって」
ひかる「私はできる」
立ち上がって、距離を詰める。
ひかる「ほの」
ほの「……なに」
ひかる「収録中、ずっと我慢してた」
ほの「ここ楽屋……」
ひかる「だから声小さくしてる」
耳元で、低く。
ひかる「私のだから」
ほの「……っ」
一気に顔が赤くなる。
ほの「それ、ずるい」
ひかる「ぞのおくんには言わない」
ほの「……」
ひかる「私にだけ」
ほのは観念したみたいに、ひかるの腕を掴む。
ほの「……嫉妬してくれるの、嫌じゃない」
ひかる「……言わせんな」
ひかるは小さく笑って、ほのの頭に手を置く。
ひかる「次は私のことだけ見て」
ほの「……はい」
廊下から、スタッフの声が聞こえる。
「そろそろ移動お願いしまーす」
ひかるは一歩引いて、いつもの距離に戻る。
ひかる「……仕事終わったら、続き」
ほの「続きって」
ひかる「嫉妬の精算」
ほの「……怖い」
ひかる「嬉しそう」
その日、田村保乃は改めて思い知った。
森田ひかるは、誰よりも独占欲が強い。