森田ひかる
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「ひかるー!はやくー!」
幼稚園の園庭で、ゆめが手を振っている。
砂場の横、ブランコの影。
あの頃の記憶は、色褪せない。
ひかる「まってよ……」
小さな手を伸ばして追いかけると、ゆめはいつも笑って待ってくれた。
一緒におままごとをして、転んで泣いて、帰り道で手をつないで。
――ずっと一緒だと思ってた。
でも、ある日突然その日は来た。
ゆめ「ひかる、ごめんね……」
ゆめの声は震えていた。
お母さんの後ろに隠れるようにして、でもちゃんと目を見て言った。
ゆめ「引っ越すことになったの。遠いところ……」
意味は全部わからなかった。
ただ、「もう毎日会えない」ことだけは、幼いひかるにも分かった。
ひかる「……やだ」
それだけしか言えなかった。
泣きながら、ぎゅっと服を掴んだ。
ゆめ「また、ぜったい会おうね」
ゆめは小指を差し出してきた。
小さな約束。
その指の温度を、ひかるは今でも覚えている。
それから何年も経った。
中学生、高校生。
テレビでアイドルを見るたび、ひかるは胸がきゅっとなる。
――もし、あの子がここにいたら。
忘れようとした。
でも、忘れられなかった。
そしてある日。
オーディション会場。
名前を呼ばれて、前に出る。
緊張で心臓がうるさい。
視線を感じて、ふと横を見る。
ひかる「……ゆめ?」
その名前が、自然に口から零れた。
ゆめ「ひかる……?」
一瞬、時間が止まったみたいだった。
面影はあった。
大人になって、綺麗になって、それでも――
ゆめ「……やっぱり」
ゆめは小さく笑った。
あの頃と同じ、優しい笑い方。
オーディションが終わって、控室の隅で二人並んで座る。
ゆめ「まさか、同じオーディション受けてるなんてね」
ひかる「……うん」
ひかるは素直に目を合わせられなかった。
胸の奥にしまっていた気持ちが、勝手に動き出す。
ゆめ「ひかる、覚えてる?」
ひかる「……小指の約束でしょ」
そう言うと、ゆめは驚いた顔をして、すぐに微笑んだ。
ゆめ「忘れてなかったんだ」
ひかる「……忘れられないよ」
声が少しだけ震えた。
あの頃の恋心は、形を変えても消えていなかった。
むしろ、ずっと胸の中で静かに育っていた。
ゆめ「もし……また一緒になれたらさ」
ゆめが、少し照れたように言う。
ゆめ「今度は、離れないでいようね」
ひかるは一瞬だけ迷って、でもはっきりと頷いた。
ひかる「……うん。今度は、ちゃんと隣にいる」
オーディションの結果は、まだ分からない。
未来も、不安定で、怖い。
それでも。
幼稚園の園庭で交わした約束は、
今、もう一度、二人を繋いでいた。
幼稚園の園庭で、ゆめが手を振っている。
砂場の横、ブランコの影。
あの頃の記憶は、色褪せない。
ひかる「まってよ……」
小さな手を伸ばして追いかけると、ゆめはいつも笑って待ってくれた。
一緒におままごとをして、転んで泣いて、帰り道で手をつないで。
――ずっと一緒だと思ってた。
でも、ある日突然その日は来た。
ゆめ「ひかる、ごめんね……」
ゆめの声は震えていた。
お母さんの後ろに隠れるようにして、でもちゃんと目を見て言った。
ゆめ「引っ越すことになったの。遠いところ……」
意味は全部わからなかった。
ただ、「もう毎日会えない」ことだけは、幼いひかるにも分かった。
ひかる「……やだ」
それだけしか言えなかった。
泣きながら、ぎゅっと服を掴んだ。
ゆめ「また、ぜったい会おうね」
ゆめは小指を差し出してきた。
小さな約束。
その指の温度を、ひかるは今でも覚えている。
それから何年も経った。
中学生、高校生。
テレビでアイドルを見るたび、ひかるは胸がきゅっとなる。
――もし、あの子がここにいたら。
忘れようとした。
でも、忘れられなかった。
そしてある日。
オーディション会場。
名前を呼ばれて、前に出る。
緊張で心臓がうるさい。
視線を感じて、ふと横を見る。
ひかる「……ゆめ?」
その名前が、自然に口から零れた。
ゆめ「ひかる……?」
一瞬、時間が止まったみたいだった。
面影はあった。
大人になって、綺麗になって、それでも――
ゆめ「……やっぱり」
ゆめは小さく笑った。
あの頃と同じ、優しい笑い方。
オーディションが終わって、控室の隅で二人並んで座る。
ゆめ「まさか、同じオーディション受けてるなんてね」
ひかる「……うん」
ひかるは素直に目を合わせられなかった。
胸の奥にしまっていた気持ちが、勝手に動き出す。
ゆめ「ひかる、覚えてる?」
ひかる「……小指の約束でしょ」
そう言うと、ゆめは驚いた顔をして、すぐに微笑んだ。
ゆめ「忘れてなかったんだ」
ひかる「……忘れられないよ」
声が少しだけ震えた。
あの頃の恋心は、形を変えても消えていなかった。
むしろ、ずっと胸の中で静かに育っていた。
ゆめ「もし……また一緒になれたらさ」
ゆめが、少し照れたように言う。
ゆめ「今度は、離れないでいようね」
ひかるは一瞬だけ迷って、でもはっきりと頷いた。
ひかる「……うん。今度は、ちゃんと隣にいる」
オーディションの結果は、まだ分からない。
未来も、不安定で、怖い。
それでも。
幼稚園の園庭で交わした約束は、
今、もう一度、二人を繋いでいた。