守屋麗奈
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連日猛暑が続く、高校最後の夏休み。
夏期講習の最終日、重いテキストをバッグに詰め込みながら守屋麗奈は隣の席のゆめをちらりと盗み見た。
あざとくて可愛いなんて周りからは言われるけれど、大好きなゆめの前ではいつだって素直になれなくて胸がキュンと苦しくなる。
れな(今日言わなきゃ、夏が終わっちゃう……!)
意を決した麗奈は、上目遣いにゆめを見つめて声をかけた。
れな「ねぇ、ゆめ。今日の夜、駅前の神社で夏祭りあるでしょ? ……もしよかったら、一緒に行かない?」
ゆめ「えっ、れなと? 行きたい! 夏期講習も終わったし、打ち上げしよ!」
パッと花が咲いたようなゆめの笑顔に、麗奈の心臓は跳ね上がった。
れな「ふふ、決まりね! じゃあ、夜7時に神社前で待ち合わせね」
自宅に戻った麗奈の部屋は、まるで戦場だった。
この日のために新調した淡いピンク色の金魚柄の浴衣。
髪はふんわりとアップにして、リップも浴衣に合わせた絶妙な桃色を選ぶ。
まつ毛の上がり具合、肌のツヤ感、香水のつけ方まで何度も鏡の前でチェックを重ねた。
れな(誰よりも可愛くしていくんだから。……ゆめに可愛いって思われたいし、絶対に言わせたい!)
約束の時間の5分前。
神社前の鳥居の近くで待っていると、人混みの中からゆめが歩いてくるのが見えた。
れな「ゆめ!」
麗奈が手を振ると、ゆめは足を止めて目を見開いた。
そのまま固まってしまったゆめに、麗奈は少し首をかしげながら近づいていく。
れな「……どうしたの? ぼーっとして」
ゆめ「あ、ごめん……! なんか、あまりにもれなが可愛すぎて……言葉出なくなっちゃった。浴衣もメイクも、すごく似合ってる」
狙い通りの言葉。
けれど、いざ直接言われると照れくささが爆発して、麗奈の顔は一瞬で浴衣よりも赤くなった。
れな「……もう、急にそんなこと言うなんてズルい。でも……ありがと。すごく頑張ってきたから、ゆめにそう言ってもらえて嬉しいな」
境内は屋台の明かりと提灯で幻想的に照らされ、大勢の人で賑わっていた。
りんご飴を買ったり、金魚すくいに夢中になったり。
ふたりで笑い合いながら歩く時間は、まるで夢のように過ぎていく。
やがてドーンと大きな音が響き、夜空に大きな大輪の花火が打ち上がった。
人混みが押し寄せ、ふたりの距離がぐっと縮まる。
麗奈は少し勇気を出して、ゆめの浴衣の袖をぎゅっと掴んだ。
れな「あぶないから……はぐれないようにしてね?」
ゆめ「うん……あ、れな、手……繋ぐ?」
ゆめが差し出してくれた手を、麗奈は迷わず握り返した。
温かい体温が手に伝わってきて、胸がぎゅーっと締め付けられる。
ドーン、と再び花火が上がり夜空とふたりの顔を色とりどりに照らした。
今しかない。
麗奈はゆめの手を握り直し、じっとその目を見つめた。
れな「ねぇ、ゆめ。私ね、今日すごく気合入れてきたの。ゆめに可愛いって言われたかったから」
ゆめ「え……?」
れな「ただの友達として一緒に祭りに行きたかったんじゃないの。私ね、ゆめのことが大好きなの。ずっと前から、特別な人として好きでした……っ」
花火の音に消されないように、一生懸命に声を張る麗奈。
その瞳には、少しだけ不安そうな涙が浮かんでいた。
ゆめは驚いたように目を見開いた後、ふっと柔らかく目を細めて麗奈の手を力強く握り返した。
ゆめ「れな……ずるいよ。そんなに可愛い顔で告白されたら、断れるわけないじゃん。……私も、れなのことが好き。ずっと言いたかったんだよ」
れな「……ほんと? 夢じゃない……?」
ゆめ「夢じゃないよ。明日からも、ずっと一番近くにいさせて?」
大きな花火が夜空を埋め尽くし、周りから歓声が上がる。
その光の中で、麗奈は弾けるような最高の笑顔を見せた。
れな「うん! よろしくね、私の特別な人」
恋が実った夏祭りの夜。
繋いだ手からは、花火よりも熱い温もりがずっと消えずに残っていた。
夏期講習の最終日、重いテキストをバッグに詰め込みながら守屋麗奈は隣の席のゆめをちらりと盗み見た。
あざとくて可愛いなんて周りからは言われるけれど、大好きなゆめの前ではいつだって素直になれなくて胸がキュンと苦しくなる。
れな(今日言わなきゃ、夏が終わっちゃう……!)
意を決した麗奈は、上目遣いにゆめを見つめて声をかけた。
れな「ねぇ、ゆめ。今日の夜、駅前の神社で夏祭りあるでしょ? ……もしよかったら、一緒に行かない?」
ゆめ「えっ、れなと? 行きたい! 夏期講習も終わったし、打ち上げしよ!」
パッと花が咲いたようなゆめの笑顔に、麗奈の心臓は跳ね上がった。
れな「ふふ、決まりね! じゃあ、夜7時に神社前で待ち合わせね」
自宅に戻った麗奈の部屋は、まるで戦場だった。
この日のために新調した淡いピンク色の金魚柄の浴衣。
髪はふんわりとアップにして、リップも浴衣に合わせた絶妙な桃色を選ぶ。
まつ毛の上がり具合、肌のツヤ感、香水のつけ方まで何度も鏡の前でチェックを重ねた。
れな(誰よりも可愛くしていくんだから。……ゆめに可愛いって思われたいし、絶対に言わせたい!)
約束の時間の5分前。
神社前の鳥居の近くで待っていると、人混みの中からゆめが歩いてくるのが見えた。
れな「ゆめ!」
麗奈が手を振ると、ゆめは足を止めて目を見開いた。
そのまま固まってしまったゆめに、麗奈は少し首をかしげながら近づいていく。
れな「……どうしたの? ぼーっとして」
ゆめ「あ、ごめん……! なんか、あまりにもれなが可愛すぎて……言葉出なくなっちゃった。浴衣もメイクも、すごく似合ってる」
狙い通りの言葉。
けれど、いざ直接言われると照れくささが爆発して、麗奈の顔は一瞬で浴衣よりも赤くなった。
れな「……もう、急にそんなこと言うなんてズルい。でも……ありがと。すごく頑張ってきたから、ゆめにそう言ってもらえて嬉しいな」
境内は屋台の明かりと提灯で幻想的に照らされ、大勢の人で賑わっていた。
りんご飴を買ったり、金魚すくいに夢中になったり。
ふたりで笑い合いながら歩く時間は、まるで夢のように過ぎていく。
やがてドーンと大きな音が響き、夜空に大きな大輪の花火が打ち上がった。
人混みが押し寄せ、ふたりの距離がぐっと縮まる。
麗奈は少し勇気を出して、ゆめの浴衣の袖をぎゅっと掴んだ。
れな「あぶないから……はぐれないようにしてね?」
ゆめ「うん……あ、れな、手……繋ぐ?」
ゆめが差し出してくれた手を、麗奈は迷わず握り返した。
温かい体温が手に伝わってきて、胸がぎゅーっと締め付けられる。
ドーン、と再び花火が上がり夜空とふたりの顔を色とりどりに照らした。
今しかない。
麗奈はゆめの手を握り直し、じっとその目を見つめた。
れな「ねぇ、ゆめ。私ね、今日すごく気合入れてきたの。ゆめに可愛いって言われたかったから」
ゆめ「え……?」
れな「ただの友達として一緒に祭りに行きたかったんじゃないの。私ね、ゆめのことが大好きなの。ずっと前から、特別な人として好きでした……っ」
花火の音に消されないように、一生懸命に声を張る麗奈。
その瞳には、少しだけ不安そうな涙が浮かんでいた。
ゆめは驚いたように目を見開いた後、ふっと柔らかく目を細めて麗奈の手を力強く握り返した。
ゆめ「れな……ずるいよ。そんなに可愛い顔で告白されたら、断れるわけないじゃん。……私も、れなのことが好き。ずっと言いたかったんだよ」
れな「……ほんと? 夢じゃない……?」
ゆめ「夢じゃないよ。明日からも、ずっと一番近くにいさせて?」
大きな花火が夜空を埋め尽くし、周りから歓声が上がる。
その光の中で、麗奈は弾けるような最高の笑顔を見せた。
れな「うん! よろしくね、私の特別な人」
恋が実った夏祭りの夜。
繋いだ手からは、花火よりも熱い温もりがずっと消えずに残っていた。