田村保乃
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大学の友達、サークルの先輩、誰にでも優しくて距離感が近いゆめ。
一応、私たちは付き合っているはずだ。
だけど、ゆめは誰からの誘いも断らないし、夜遅くまで連絡が取れないことも多い。
「浮気はしてないよ」ってゆめは笑うけれど、それはきっと嘘じゃないけれど。
私以外の誰かにもその笑顔を向けているんだろうと思うと胸の奥がドロドロと焦げていく。
ゆめの言う『大丈夫』は、いつだってグレーゾーンの一番ずるい場所にある。
静まり返った深夜のワンルーム。
田村保乃は、一人でゆめの帰りを待っていた
ほの「……遅いなぁ。もう二時半やん……」
寂しさと不安で頭がおかしくなりそうで、保乃は冷蔵庫から買い置きしていた好きでもない缶チューハイを取り出した。
普段なら絶対に飲まないのにアルコールの力を借りないとこの部屋の寂しさに押しつぶされてしまいそうだったから。
ほの「……っ、にが……。全然美味しくないわ……」
そのとき、カチャリと玄関の鍵が開く音がした。
ゆめが「ただいまー」と、少しお酒の匂いをさせて入ってくる。
その悪びれもない顔を見た瞬間、保乃の中で張り詰めていた糸がプツンと切れた。
ゆめ「あ、ほの、まだ起きてたんだ。ごめんね、サークルの集まりが長引いちゃって――って、あれ? お酒飲んでるの? 珍しいじゃん」
ゆめがいつものように、のんきに近づいてくる。
保乃は缶を床に置くと立ち上がり何も言わずにゆめの胸元に突き進んだ
ゆめ「わっ、ほの? どうしたの、いきなり……」
ほの「……遅い。遅すぎるよ、ゆめちゃん」
ゆめ「ごめんね? でも、女の子の友達も一緒だったし、本当に怪しいことは何もしてないよ?」
ほの「そういう問題ちゃうねん……っ!!」
保乃は叫ぶと同時に、ゆめの肩を両手で強く突き飛ばした。
不意を突かれたゆめは、そのまま後ろのベッドへと倒れ込む。
保乃は逃がさないように、その上に馬乗りになってゆめの体を組み伏せた。
ゆめ「っ……ほの!? 急にどうしちゃったの……」
ゆめの両手首をベッドに組み伏せ、涙をポロポロと流しながら見下ろす。
ほの「ゆめちゃんはいつもそうや! 浮気はしてへんって言うけど、ほのを一人にして、他の人のところ行くやん! ほのだけのゆめちゃんでいてよぉ……っ!」
ゆめ「ほの……ごめん、寂しかったんだね……」
ほの「寂しかったよ……! 寂しくて、おかしくなりそうやった!!」
保乃は感情をぶつけるように、ゆめの唇へ激しく口づけした。
お酒の苦い味が混ざり合う。
優しく包み込むようなキスじゃなく、独占したい自分のものにしたいという執着の詰まった痛いほどのキス
ゆめは驚いて最初は身を固くしていたけれど、保乃の涙と必死な体温を感じてゆっくりと抵抗をやめた。
拘束された手首の力が緩むと、ゆめは保乃の背中にそっと手を回した
ゆめ「んむ……っ……、ん……」
深く、何度も貪るように唇を重ねる。
しばらくして息が苦しくなって離れると保乃はゆめの胸元に顔をうずめて子供のように泣きじゃくった
ほの「……嫌いや。ゆめちゃんのこと、大嫌いになりたいのに……。でも、好きすぎて、どこにも行かれへん……」
ゆめ「……ごめんね、ほの。わたし、ほのの優しさに甘えすぎてた。グレーなところに逃げて、ほのを傷つけてた」
ほの「う、嘘つき……。明日になったら、また忘れるやん……」
ゆめ「嘘じゃないよ。もうどこにも行かない。今夜は、これからずっと、ほのだけのものになるから」
ゆめはそう言うと、今度は自分から保乃の涙を舐め取るように優しく口づけを返した。
まだ部屋には好きでもないお酒の匂いが残っているけれど、ゆめの体温に満たされた保乃の心はようやく寂しさの夜から救い出されるのだった
一応、私たちは付き合っているはずだ。
だけど、ゆめは誰からの誘いも断らないし、夜遅くまで連絡が取れないことも多い。
「浮気はしてないよ」ってゆめは笑うけれど、それはきっと嘘じゃないけれど。
私以外の誰かにもその笑顔を向けているんだろうと思うと胸の奥がドロドロと焦げていく。
ゆめの言う『大丈夫』は、いつだってグレーゾーンの一番ずるい場所にある。
静まり返った深夜のワンルーム。
田村保乃は、一人でゆめの帰りを待っていた
ほの「……遅いなぁ。もう二時半やん……」
寂しさと不安で頭がおかしくなりそうで、保乃は冷蔵庫から買い置きしていた好きでもない缶チューハイを取り出した。
普段なら絶対に飲まないのにアルコールの力を借りないとこの部屋の寂しさに押しつぶされてしまいそうだったから。
ほの「……っ、にが……。全然美味しくないわ……」
そのとき、カチャリと玄関の鍵が開く音がした。
ゆめが「ただいまー」と、少しお酒の匂いをさせて入ってくる。
その悪びれもない顔を見た瞬間、保乃の中で張り詰めていた糸がプツンと切れた。
ゆめ「あ、ほの、まだ起きてたんだ。ごめんね、サークルの集まりが長引いちゃって――って、あれ? お酒飲んでるの? 珍しいじゃん」
ゆめがいつものように、のんきに近づいてくる。
保乃は缶を床に置くと立ち上がり何も言わずにゆめの胸元に突き進んだ
ゆめ「わっ、ほの? どうしたの、いきなり……」
ほの「……遅い。遅すぎるよ、ゆめちゃん」
ゆめ「ごめんね? でも、女の子の友達も一緒だったし、本当に怪しいことは何もしてないよ?」
ほの「そういう問題ちゃうねん……っ!!」
保乃は叫ぶと同時に、ゆめの肩を両手で強く突き飛ばした。
不意を突かれたゆめは、そのまま後ろのベッドへと倒れ込む。
保乃は逃がさないように、その上に馬乗りになってゆめの体を組み伏せた。
ゆめ「っ……ほの!? 急にどうしちゃったの……」
ゆめの両手首をベッドに組み伏せ、涙をポロポロと流しながら見下ろす。
ほの「ゆめちゃんはいつもそうや! 浮気はしてへんって言うけど、ほのを一人にして、他の人のところ行くやん! ほのだけのゆめちゃんでいてよぉ……っ!」
ゆめ「ほの……ごめん、寂しかったんだね……」
ほの「寂しかったよ……! 寂しくて、おかしくなりそうやった!!」
保乃は感情をぶつけるように、ゆめの唇へ激しく口づけした。
お酒の苦い味が混ざり合う。
優しく包み込むようなキスじゃなく、独占したい自分のものにしたいという執着の詰まった痛いほどのキス
ゆめは驚いて最初は身を固くしていたけれど、保乃の涙と必死な体温を感じてゆっくりと抵抗をやめた。
拘束された手首の力が緩むと、ゆめは保乃の背中にそっと手を回した
ゆめ「んむ……っ……、ん……」
深く、何度も貪るように唇を重ねる。
しばらくして息が苦しくなって離れると保乃はゆめの胸元に顔をうずめて子供のように泣きじゃくった
ほの「……嫌いや。ゆめちゃんのこと、大嫌いになりたいのに……。でも、好きすぎて、どこにも行かれへん……」
ゆめ「……ごめんね、ほの。わたし、ほのの優しさに甘えすぎてた。グレーなところに逃げて、ほのを傷つけてた」
ほの「う、嘘つき……。明日になったら、また忘れるやん……」
ゆめ「嘘じゃないよ。もうどこにも行かない。今夜は、これからずっと、ほのだけのものになるから」
ゆめはそう言うと、今度は自分から保乃の涙を舐め取るように優しく口づけを返した。
まだ部屋には好きでもないお酒の匂いが残っているけれど、ゆめの体温に満たされた保乃の心はようやく寂しさの夜から救い出されるのだった