藤吉夏鈴
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放課後の誰もいない教室。
夕日が差し込む窓際の席で、私と夏鈴は二人きりで並んで座っていた。
付き合い始めてから、もうすぐ3ヶ月。
それなのに、目の前にいる私の彼女――藤吉夏鈴という人は、とにかく愛情表現をしてくれない。
かりん「……何。さっきからこっち見すぎ」
夏鈴は机に頬杖をついたまま、けだるそうに私を睨む。
その綺麗な瞳に見つめられるだけで心臓が跳ねるけれど、今日の私は一味違う。
今日こそは、夏鈴の口からあの言葉を聞くんだから。
ゆめ「ねぇ、夏鈴。私のこと、どう思ってる?」
かりん「どうって……別に。普通」
ゆめ「普通ってなにさー。付き合ってるんだから、もっとこう……あるでしょ?」
かりん「……ない。めんどくさいなぁ、ゆめは」
夏鈴はぷいっと顔を背けて、窓の外を見てしまう。
いつもこれだ。
手をつなぐのも、一緒に帰るのを誘うのも全部私から。
夏鈴から「好き」なんて言葉、一度も聞いたことがない。
ちょっとだけ悲しくなって、私は夏鈴の制服の袖をきゅっと引っ張った。
ゆめ「……たまには、かりんの口から好きって言ってほしいなぁ、なんて。……だめ?」
上目遣いで少し拗ねたように言ってみる。
すると、夏鈴の肩がピクッと跳ねた。
かりん「……言わん。なんでわざわざ言葉にせなあかんの」
ゆめ「だって、言ってくれなきゃ不安になるもん」
かりん「不安になる要素、どこにあるん。……バカじゃないの」
夏鈴はそう吐き捨てるように言ったけれど、窓硝子に映る彼女の耳の先がうっすらと赤くなっているのを私は見逃さなかった。
あ、照れてる。
確信した私は、ちょっと大胆に距離を詰めて、夏鈴の顔を覗き込んだ。
ゆめ「じゃあさ、一回だけでいいから! 好きって言ってくれたら、今日のアイス奢ってあげる!」
かりん「……子供やん、それ」
ゆめ「じゃあ、おねだり。……かりん、好きって言って?」
じっと目を見つめてストレートにぶつかってみる。
夏鈴は一瞬、目を丸くして私を見たあと、すぐに気まずそうに視線を彷徨わせた。
ふい、と大きなため息をついて、夏鈴が私の方を振り返る。
かりん「……ほんま、しつこい」
ゆめ「あ、逃げたなー?」
かりん「逃げてへん!……一回だけやからな」
夏鈴は椅子の位置をずるずると私に近づけると、私の両肩をガシッと掴んだ。
そして、顔を限界まで近づけてくる。
夏鈴の綺麗な顔が目の前に迫って、今度は私の方がパニックになりそうだった。
かりん「……わざわざ言わんでも、一緒にいるんやから分かるやろ。……す、き、やから、一緒にいるん。……これで満足?」
ゆめ「……っ!/////」
かりん「……あー、もう! だから言いたくなかったんや! 顔、真っ赤になってるし!」
早口でそう捲し立てると、夏鈴は今度こそ完全に限界を迎えたらしく私の胸元にバサッと頭を預けて顔を隠してしまった。
でも、私の服を掴む夏鈴の手は、びっくりするくらい強くて微かに震えている。
ゆめ「な、かりん……?」
かりん「……うるさい、もう喋らんといて。……これ以上言わせたら、怒るから」
胸元から聞こえる夏鈴の声は、心なしかいつもよりずっと甘くて。
言葉にはしてくれないけれど、夏鈴の背中にそっと手を回すと、トクトクと速い心臓の音が手のひらに伝わってきた。
夕日が差し込む窓際の席で、私と夏鈴は二人きりで並んで座っていた。
付き合い始めてから、もうすぐ3ヶ月。
それなのに、目の前にいる私の彼女――藤吉夏鈴という人は、とにかく愛情表現をしてくれない。
かりん「……何。さっきからこっち見すぎ」
夏鈴は机に頬杖をついたまま、けだるそうに私を睨む。
その綺麗な瞳に見つめられるだけで心臓が跳ねるけれど、今日の私は一味違う。
今日こそは、夏鈴の口からあの言葉を聞くんだから。
ゆめ「ねぇ、夏鈴。私のこと、どう思ってる?」
かりん「どうって……別に。普通」
ゆめ「普通ってなにさー。付き合ってるんだから、もっとこう……あるでしょ?」
かりん「……ない。めんどくさいなぁ、ゆめは」
夏鈴はぷいっと顔を背けて、窓の外を見てしまう。
いつもこれだ。
手をつなぐのも、一緒に帰るのを誘うのも全部私から。
夏鈴から「好き」なんて言葉、一度も聞いたことがない。
ちょっとだけ悲しくなって、私は夏鈴の制服の袖をきゅっと引っ張った。
ゆめ「……たまには、かりんの口から好きって言ってほしいなぁ、なんて。……だめ?」
上目遣いで少し拗ねたように言ってみる。
すると、夏鈴の肩がピクッと跳ねた。
かりん「……言わん。なんでわざわざ言葉にせなあかんの」
ゆめ「だって、言ってくれなきゃ不安になるもん」
かりん「不安になる要素、どこにあるん。……バカじゃないの」
夏鈴はそう吐き捨てるように言ったけれど、窓硝子に映る彼女の耳の先がうっすらと赤くなっているのを私は見逃さなかった。
あ、照れてる。
確信した私は、ちょっと大胆に距離を詰めて、夏鈴の顔を覗き込んだ。
ゆめ「じゃあさ、一回だけでいいから! 好きって言ってくれたら、今日のアイス奢ってあげる!」
かりん「……子供やん、それ」
ゆめ「じゃあ、おねだり。……かりん、好きって言って?」
じっと目を見つめてストレートにぶつかってみる。
夏鈴は一瞬、目を丸くして私を見たあと、すぐに気まずそうに視線を彷徨わせた。
ふい、と大きなため息をついて、夏鈴が私の方を振り返る。
かりん「……ほんま、しつこい」
ゆめ「あ、逃げたなー?」
かりん「逃げてへん!……一回だけやからな」
夏鈴は椅子の位置をずるずると私に近づけると、私の両肩をガシッと掴んだ。
そして、顔を限界まで近づけてくる。
夏鈴の綺麗な顔が目の前に迫って、今度は私の方がパニックになりそうだった。
かりん「……わざわざ言わんでも、一緒にいるんやから分かるやろ。……す、き、やから、一緒にいるん。……これで満足?」
ゆめ「……っ!/////」
かりん「……あー、もう! だから言いたくなかったんや! 顔、真っ赤になってるし!」
早口でそう捲し立てると、夏鈴は今度こそ完全に限界を迎えたらしく私の胸元にバサッと頭を預けて顔を隠してしまった。
でも、私の服を掴む夏鈴の手は、びっくりするくらい強くて微かに震えている。
ゆめ「な、かりん……?」
かりん「……うるさい、もう喋らんといて。……これ以上言わせたら、怒るから」
胸元から聞こえる夏鈴の声は、心なしかいつもよりずっと甘くて。
言葉にはしてくれないけれど、夏鈴の背中にそっと手を回すと、トクトクと速い心臓の音が手のひらに伝わってきた。