田村保乃×大園玲
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楽屋の隅で、私は何気なくスマホの画面をスクロールしていた。
おすすめに流れてくる動画を眺めていると、ふとあるTikTokの動画で手が止まる。
画面に映っていたのは、綺麗に並べられたタロットカード。
『今、あなたが大好きなあの人との相性。……あの人は今、あなた以外にも気になっている人がいるかも。少しだけ、距離を置いてみて――』
ほの「なんなん、これ……」
誰にでも当てはまりそうな、よくあるスピリチュアルな動画。
占いなんて真に受けちゃダメなことくらい、自分が一番よく分かっている。
だって、私の大好きな恋人は同じグループのメンバーである大園玲ちゃんだ。
玲ちゃんはいつも優しくて、私のことを特別扱いしてくれる。
……でも。
玲ちゃんは誰にでも親切で、誰からも愛される人だ。
他のメンバーと楽しそうに話している姿を見るたび、私の胸の奥がチクリと痛む。
私だけが1番じゃないのかもなんて、一度考え出したら頭の中からあの動画の言葉が離れなくなってしまった。
そんな私のモヤモヤを知ってか知らずか、お仕事が終わった後玲ちゃんが私の家に泊まりにやってきた。
れい「ほのちゃん今日ずっと元気ない気がするんだけど、どうしたの?」
ソファに座る私に、玲ちゃんが心配そうに顔を覗き込んできた。
その綺麗な瞳に見つめられると、胸がぎゅっとなる。
ほの「ううん、なんでもないよ。ちょっと考え事してただけ」
れい「本当に……? 隠し事はなしだよ?」
ほの「……じゃあ、聞くけど。れいちゃんにとってほのは何番目?」
つい、口からトゲのある言葉が出てしまった。
玲ちゃんは驚いたようにパチクリと目を瞬かせ、それから少し困ったように眉を下げた。
れい「何番目か……? どうして急にそんなこと聞くの?」
ほの「……今日な、TikTokでタロット占いの動画流れてきてん。ほのとれいちゃんの相性あんまり良くないかもって。れいちゃん、私のこと1番に思ってくれてへんのかなって、不安になってしもて……」
自分で言いながら、なんて子供っぽくて重い理由だろうと情けなくなる。
占いなんて信じて、大好きな人を疑うなんて。
恥ずかしくて顔を伏せようとした私を玲ちゃんはそっと両手で包み込んだ。
れい「ほのちゃん、私の目を見てください」
ほの「……れい、ちゃん」
れい「占いなんてただのカードの並び。そんなものに、私たちの毎日を決められたくない」
玲ちゃんの手が、私の頬を優しく撫でる。
その体温が、不安で冷え切っていた心をじんわりと溶かしていく。
れい「私は、ほのちゃんだけを見てるよ。他の誰も、ほのちゃんの代わりにはなれない。だから……ずっと、私の中で1番。ほのちゃんも、私のことずっと1番にしてくれないと、拗ねちゃうからね?」
少しいたずらっぽく笑う玲ちゃんの言葉に、胸のつかえがすうっと消えていくのが分かった。
画面の向こうの誰かが決めた未来なんてどうでもいい。
私の目の前にいる玲ちゃんの言葉だけが、私にとっての唯一の真実だ。
ほの「……うん。ほのも、れいちゃんがずっと1番。大好きやで」
れい「ふふ、知ってる。じゃあ、あの占いの動画は、もう見ちゃダメだからね?」
ほの「うん!」
私はスマホを放り出して、玲ちゃんの細い身体をぎゅっと抱きしめた。
腕の中に伝わる愛おしい温もりを感じながら、私は心の中で、これからもずっと彼女の「1番」であり続けることを誓った。
おすすめに流れてくる動画を眺めていると、ふとあるTikTokの動画で手が止まる。
画面に映っていたのは、綺麗に並べられたタロットカード。
『今、あなたが大好きなあの人との相性。……あの人は今、あなた以外にも気になっている人がいるかも。少しだけ、距離を置いてみて――』
ほの「なんなん、これ……」
誰にでも当てはまりそうな、よくあるスピリチュアルな動画。
占いなんて真に受けちゃダメなことくらい、自分が一番よく分かっている。
だって、私の大好きな恋人は同じグループのメンバーである大園玲ちゃんだ。
玲ちゃんはいつも優しくて、私のことを特別扱いしてくれる。
……でも。
玲ちゃんは誰にでも親切で、誰からも愛される人だ。
他のメンバーと楽しそうに話している姿を見るたび、私の胸の奥がチクリと痛む。
私だけが1番じゃないのかもなんて、一度考え出したら頭の中からあの動画の言葉が離れなくなってしまった。
そんな私のモヤモヤを知ってか知らずか、お仕事が終わった後玲ちゃんが私の家に泊まりにやってきた。
れい「ほのちゃん今日ずっと元気ない気がするんだけど、どうしたの?」
ソファに座る私に、玲ちゃんが心配そうに顔を覗き込んできた。
その綺麗な瞳に見つめられると、胸がぎゅっとなる。
ほの「ううん、なんでもないよ。ちょっと考え事してただけ」
れい「本当に……? 隠し事はなしだよ?」
ほの「……じゃあ、聞くけど。れいちゃんにとってほのは何番目?」
つい、口からトゲのある言葉が出てしまった。
玲ちゃんは驚いたようにパチクリと目を瞬かせ、それから少し困ったように眉を下げた。
れい「何番目か……? どうして急にそんなこと聞くの?」
ほの「……今日な、TikTokでタロット占いの動画流れてきてん。ほのとれいちゃんの相性あんまり良くないかもって。れいちゃん、私のこと1番に思ってくれてへんのかなって、不安になってしもて……」
自分で言いながら、なんて子供っぽくて重い理由だろうと情けなくなる。
占いなんて信じて、大好きな人を疑うなんて。
恥ずかしくて顔を伏せようとした私を玲ちゃんはそっと両手で包み込んだ。
れい「ほのちゃん、私の目を見てください」
ほの「……れい、ちゃん」
れい「占いなんてただのカードの並び。そんなものに、私たちの毎日を決められたくない」
玲ちゃんの手が、私の頬を優しく撫でる。
その体温が、不安で冷え切っていた心をじんわりと溶かしていく。
れい「私は、ほのちゃんだけを見てるよ。他の誰も、ほのちゃんの代わりにはなれない。だから……ずっと、私の中で1番。ほのちゃんも、私のことずっと1番にしてくれないと、拗ねちゃうからね?」
少しいたずらっぽく笑う玲ちゃんの言葉に、胸のつかえがすうっと消えていくのが分かった。
画面の向こうの誰かが決めた未来なんてどうでもいい。
私の目の前にいる玲ちゃんの言葉だけが、私にとっての唯一の真実だ。
ほの「……うん。ほのも、れいちゃんがずっと1番。大好きやで」
れい「ふふ、知ってる。じゃあ、あの占いの動画は、もう見ちゃダメだからね?」
ほの「うん!」
私はスマホを放り出して、玲ちゃんの細い身体をぎゅっと抱きしめた。
腕の中に伝わる愛おしい温もりを感じながら、私は心の中で、これからもずっと彼女の「1番」であり続けることを誓った。