大園玲
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体育館に響く、バッシュが床を擦る高い音。
夕方の西日が、大きく開け放たれた窓から差し込んで、コートをオレンジ色に染めている。
夏の大会が終われば、3年生は引退する。
分かっていたはずなのに、その終わりの足音が近づくにつれて、胸が苦しくてたまらなくなる。
ゆめ「れい先輩、ナイッシューです!」
れい「ふふ、ありがと。 ゆめのパスがちょうど良かったからだよ」
汗を拭いながら、玲先輩が柔らかく微笑む。
その笑顔を見るだけで、胸の奥がキュンと跳ねる。
ずっと、こうして一番近くで見守っていられるだけで幸せだと思っていた。
先輩の後ろを走って、先輩の背中を追いかけて。
それだけでよかったはずなのに。
けれど、カレンダーの数字が減っていくたびに、私の心はざわめきを増していく。
先輩がいなくなっちゃう。
もう、この体育館で一緒に汗を流すことも、並んで帰ることもなくなってしまう。
ある日の居残り練習。
気づけば体育館には私と玲先輩の二人きりになっていた。
れい「ふぅ……。 ゆめ、そろそろ片付けて帰ろっか」
ゆめ「……れい先輩」
れい「ん? どうしたの?」
ボールを片付けようとした先輩の手が止まる。
今言わなきゃ、きっと一生後悔する。
喉の奥が熱くなって、抑え込んでいた感情が、ボロボロと溢れ出しそうだった。
ゆめ「私、嫌です。先輩が引退しちゃうの、本当に嫌です……!」
れい「 ゆめ……」
ゆめ「ずっと、近くで見守っていられたらそれでいいって思ってました。でも、嘘です。先輩がいなくなるなんて耐えられない。……私、先輩のことが好きなんです。部活の先輩としてじゃなくて、ひとりの女の子として、大好きなんです……!」
気づけば、視界が涙で滲んでいた。
言ってしまった。
困らせるって分かっていたのに、自分のワガママをぶつけてしまった。
沈黙が怖くて、私は思わずギュッと目を瞑る。
すると、トコトコと近づいてくる足音がして、私の頭にそっと優しい手が置かれた。
れい「……やっと言ってくれた」
ゆめ「え……?」
驚いて顔を上げると、玲先輩の頬がほんのり赤く染まっていた。
先輩は困ったように、でも愛おしそうに目を細めて私を見つめている。
れい「私ね、 ゆめがずっと後ろから私を見てくれてるの、知ってたよ。だから、引退するまでにその視線がこっちを向いてくれないかなって、ずっと待ってたの」
ゆめ「先輩……それって……」
れい「部活は引退しちゃうけど、 ゆめの先輩は辞めないよ。……ううん、これからは先輩じゃなくて、もっと特別な関係になれる?」
西日に照らされた玲先輩の笑顔は、今までコートで見たどんなシュートよりも綺麗で、私の心を一瞬で奪い去っていった。
夕方の西日が、大きく開け放たれた窓から差し込んで、コートをオレンジ色に染めている。
夏の大会が終われば、3年生は引退する。
分かっていたはずなのに、その終わりの足音が近づくにつれて、胸が苦しくてたまらなくなる。
ゆめ「れい先輩、ナイッシューです!」
れい「ふふ、ありがと。 ゆめのパスがちょうど良かったからだよ」
汗を拭いながら、玲先輩が柔らかく微笑む。
その笑顔を見るだけで、胸の奥がキュンと跳ねる。
ずっと、こうして一番近くで見守っていられるだけで幸せだと思っていた。
先輩の後ろを走って、先輩の背中を追いかけて。
それだけでよかったはずなのに。
けれど、カレンダーの数字が減っていくたびに、私の心はざわめきを増していく。
先輩がいなくなっちゃう。
もう、この体育館で一緒に汗を流すことも、並んで帰ることもなくなってしまう。
ある日の居残り練習。
気づけば体育館には私と玲先輩の二人きりになっていた。
れい「ふぅ……。 ゆめ、そろそろ片付けて帰ろっか」
ゆめ「……れい先輩」
れい「ん? どうしたの?」
ボールを片付けようとした先輩の手が止まる。
今言わなきゃ、きっと一生後悔する。
喉の奥が熱くなって、抑え込んでいた感情が、ボロボロと溢れ出しそうだった。
ゆめ「私、嫌です。先輩が引退しちゃうの、本当に嫌です……!」
れい「 ゆめ……」
ゆめ「ずっと、近くで見守っていられたらそれでいいって思ってました。でも、嘘です。先輩がいなくなるなんて耐えられない。……私、先輩のことが好きなんです。部活の先輩としてじゃなくて、ひとりの女の子として、大好きなんです……!」
気づけば、視界が涙で滲んでいた。
言ってしまった。
困らせるって分かっていたのに、自分のワガママをぶつけてしまった。
沈黙が怖くて、私は思わずギュッと目を瞑る。
すると、トコトコと近づいてくる足音がして、私の頭にそっと優しい手が置かれた。
れい「……やっと言ってくれた」
ゆめ「え……?」
驚いて顔を上げると、玲先輩の頬がほんのり赤く染まっていた。
先輩は困ったように、でも愛おしそうに目を細めて私を見つめている。
れい「私ね、 ゆめがずっと後ろから私を見てくれてるの、知ってたよ。だから、引退するまでにその視線がこっちを向いてくれないかなって、ずっと待ってたの」
ゆめ「先輩……それって……」
れい「部活は引退しちゃうけど、 ゆめの先輩は辞めないよ。……ううん、これからは先輩じゃなくて、もっと特別な関係になれる?」
西日に照らされた玲先輩の笑顔は、今までコートで見たどんなシュートよりも綺麗で、私の心を一瞬で奪い去っていった。