柳君と優等生女子
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「柳君部活あるでしょ。日誌は私書いておくから先行って良いよ。」
「いや、俺も日直だから残ろう。」
黙々と日誌を書き終えると、前から気になっていたんだが、と柳君に質問された。
「俺は、何かお前に嫌われるような事をしたんだろうか。」
「え…」
「お前の行動を分析するに、俺を避けているはずだ。」
「…男子と喋るの苦手だか」
「俺にそんな嘘が通用すると思っているのか?」
彼の鋭い目つきに、私は諦めて本当のことを話した。
「嫌いなわけじゃないよ。ただ少し…苦手なだけ。」
廊下の喧騒に比べ、私達しかいない3-Fは静かだった。
「私は勉強で上位とるのにいつも必死なの。でも、柳君って勉強以外の、部活も、生徒会もしてるでしょ?テニス部のマネージャーの子と付き合ってるっていうのも聞いたし。」
お父さんが厳しくて、勉強のために部活も禁止な私とは勉強時間が全然違うのに、いつも柳君の方が成績上位だった。
「何でも出来る柳君が羨ましくて、嫉妬しちゃった。」
「お前は、充分頑張っていると思うぞ。」
「え…?」
「成績に伸び悩む時期は誰にでもあるが、そういう時に成績を落とさず維持出来る才能は大切にした方が良い。」
「…。」
柳君のこと避けてたのに…そんな優しいことを言われたら…
ここ最近何をしても成績が伸びず、勉強のプレッシャーで押し潰されそうだった心が、柳君の言葉で救われた気がした。
でも、泣きそうなとこ見られたくない…
「ごめっ…気にしないで、もう部活行って?テニス部遅刻に厳しいんでしょ…?」
「泣きそうなお前を置いて行けるわけないだろう。」
柳君にハンカチを差し出され、我慢出来ずに少しだけ涙がこぼれた。
受け取って拭うと、そっと頭を撫でられた。
「部活の事は気にする必要はない。遅刻しても、俺が罰則を受ければ良いだけだ。」
私はさっきから、胸の鼓動を抑えるのに必死だった。
だめ、好きになっちゃ……
柳君の彼女が羨ましいな。
「ありがとう。柳君って優しいね。」
「お前さえ良ければ、今度一緒に勉強しないか?効率も上がるし、お前のノートを是非参考にさせて欲しい。」
「良いの…?」
「あぁ、もちろんだ。あと1つ訂正しておきたいんだが、俺とマネージャーは付き合っていない。」
「そうなの?」
「あぁ、覚えておいてくれ。」
優しく微笑む柳君を見て、もう抑えきれない胸の鼓動が柳君に聞こえないか、気になって仕方なかった。
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