とりっく・とりっく

「トリック・オア・トリート!」
「……!」
「お菓子くれなきゃイタズラしちゃうぜ~!」
「…………すれば良いだろ」

 ──鶴丸は知っている。山姥切がこの日のためにたんまりと菓子を用意していたのを。短刀たちに配ってもまだ余っているはずだ。だから「ほれ」と鶴丸にも同じ菓子を寄越して済ませるのだろう。そう思っていたのに。

 ──して、良いのか? どこまで???

 未だ一振り分は空いた距離、この間合いを詰めるか否か。
 視界の悪いジャック・オ・ランタンの被り物を脱ぎ捨てるまであと何秒──?
1/1ページ
    スキ