苗
「山姥切、山姥切!」
鶴丸国永が顔を輝かせながらこちらに近付いてくる。正直嫌な予感しかしない。今度は一体何を企んでいるのやら。
「これを見てくれ」
目の前に差し出されたのは丸い缶の入れ物。
「? なんだこれは」
「つるんばの苗だ」
「つる……なんだって?」
「俺たちで育てろって主からもらった」
「育てろって……この缶をか!?」
「苗ってぐらいだから植物じゃないか? とりあえず開けてみようぜ」
手のひらに乗るくらい小さい缶の中には四つ折りにされた説明書、白いネットに包まれ円形に固められた土らしきもの、小袋に入ったゴマ粒ほどの種らしきものが入っていた。
「これをまけばいいのか」
「待て、鶴丸。とりあえず説明書を」
今にも袋を開けて種を取り出しそうな鶴丸を慌てて止める。よくわからないが主から賜ったものだ。下手は打てない。
「えーと、なになに。いたりあんぱせり? ……花ではないみたいだぜ」
「パセリなら食えるんじゃないか?」
「なるほど食い物か」
山姥切は俄然やる気を出し始めた。隣の鶴丸はパセリはふりかけみたいな形状じゃなかったかと考えていた。腹にはたまりそうにないし、育っても山姥切の期待外れに終わりそうだ。それはそれとしてこんなに小さい缶の器で育てるというのだから驚きだ。
「ぬるま湯を入れて三分で膨らむらしいぞ! カップ麺みたいだな」
「原理はわからんがこの通りにやってみよう」
二振りは「ぬるま湯は何度くらいだ?」「風呂の湯くらいじゃないか?」などと言い合いながら缶に湯を入れた。
「七分目……っとこんなもんか」
「ああ、良い具合だ」
「お、なんだこれは! 不思議土だ!」
湯に浸された土はムクムクと立ち上がり、缶のふちを追い越してグングン伸びた。
「こりゃあ驚きだ」
隣で山姥切も目を丸くしている。
「土のネットを上だけはがして種を蒔け、だとよ」
「ああ、わかった」
説明書の通りかたまらないように蒔いた種にうすく土をかぶせた。あとは風通しの良い場所に置いておき、水やりをするらしい。
「どこに置く?」
「部屋の窓際で良いんじゃないか? あそこなら日も入るし」
「そうするか。俺たちの苗、うまく育つといいな」
鶴丸国永が顔を輝かせながらこちらに近付いてくる。正直嫌な予感しかしない。今度は一体何を企んでいるのやら。
「これを見てくれ」
目の前に差し出されたのは丸い缶の入れ物。
「? なんだこれは」
「つるんばの苗だ」
「つる……なんだって?」
「俺たちで育てろって主からもらった」
「育てろって……この缶をか!?」
「苗ってぐらいだから植物じゃないか? とりあえず開けてみようぜ」
手のひらに乗るくらい小さい缶の中には四つ折りにされた説明書、白いネットに包まれ円形に固められた土らしきもの、小袋に入ったゴマ粒ほどの種らしきものが入っていた。
「これをまけばいいのか」
「待て、鶴丸。とりあえず説明書を」
今にも袋を開けて種を取り出しそうな鶴丸を慌てて止める。よくわからないが主から賜ったものだ。下手は打てない。
「えーと、なになに。いたりあんぱせり? ……花ではないみたいだぜ」
「パセリなら食えるんじゃないか?」
「なるほど食い物か」
山姥切は俄然やる気を出し始めた。隣の鶴丸はパセリはふりかけみたいな形状じゃなかったかと考えていた。腹にはたまりそうにないし、育っても山姥切の期待外れに終わりそうだ。それはそれとしてこんなに小さい缶の器で育てるというのだから驚きだ。
「ぬるま湯を入れて三分で膨らむらしいぞ! カップ麺みたいだな」
「原理はわからんがこの通りにやってみよう」
二振りは「ぬるま湯は何度くらいだ?」「風呂の湯くらいじゃないか?」などと言い合いながら缶に湯を入れた。
「七分目……っとこんなもんか」
「ああ、良い具合だ」
「お、なんだこれは! 不思議土だ!」
湯に浸された土はムクムクと立ち上がり、缶のふちを追い越してグングン伸びた。
「こりゃあ驚きだ」
隣で山姥切も目を丸くしている。
「土のネットを上だけはがして種を蒔け、だとよ」
「ああ、わかった」
説明書の通りかたまらないように蒔いた種にうすく土をかぶせた。あとは風通しの良い場所に置いておき、水やりをするらしい。
「どこに置く?」
「部屋の窓際で良いんじゃないか? あそこなら日も入るし」
「そうするか。俺たちの苗、うまく育つといいな」
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