Twitter(X)ネタまとめ
ハッサクさん夢主 in キタカミ②
2023/09/24 19:59 翌朝。寝不足の目をショボショボさせながら集合場所に行くと、もう皆集まっていた。慌てて列の端っこに並ぶと、ブライア先生と公民館の管理人さんの話が始まる。
オリエンテーリング。キタカミの里に伝わる話が記された看板を巡って、写真を撮る簡単なお仕事だ。
「俺はこのお馬鹿と組みます」
「お馬鹿だとぉ!」
二人一組になって……、という話になった途端、私の手首を掴んであるじま君が手を挙げた。私としては、せっかくならブルーベリー学園の可愛い子と組みたかったんですけど!?
「奇行種を見張る役目が必要だろ?」
「キコーシュだとぉ!?」
「パルデアからのお客様の方が多いからね……。どうしても同じ学園のペアが出来ると思っていたんだ」
「俺達は年長者なんで。他校とペアを組むのは年下に任せますよ」
「あーん私だって可愛い子と……」
「じゃ、早速行くぞー」
「そんなぁー!」
半ば引き摺られる様に公民館前から移動させられた。アオイちゃんすら苦笑いだったぞ!
「せっかくなんだし、年長者だって若くて可愛い子と組みたいんですけど!!」
「はーい紫音さんはここに来た目的を忘れないようにしましょうねー」
「……」
「おいマジかよ」
「べっ……、別にやべっ忘れてたなんて思ってないし!」
「忘れてたんだな」
「あはー」
「あはーじゃないだろ……」
笑って誤魔化してみたけど、あるじま君の眉間がきゅっとシワを刻んだ。そう、別に忘れた訳じゃない。ちょっと考える事が多くて余裕が無かっただけ!
「ちゃんとハッサク先生にも到着の電話入れたか?」
「あ、それなら時差があるっぽいからメッセージ入れといたよ!」
「……ま、それならいいか」
「そんな事よりだよ! オリエンテーリングの為の看板の場所! 聞かずにこっち来ちゃったじゃん! どうするの?」
「それなら、せっかくだしRPG的に行こうと思ってる」
「ほぉ。つまり?」
「人に聞いてだいたいの場所に当たりを付けて、周辺の探索。二手に分かれて探せば、うまく行けば明日には終わるだろ」
「ほへぇ、RPG的〜!」
「ついでに言えば、紫音と組めば別行動も楽だと思った」
「あれ? 見張りは?」
「方便」
「ダシにされたって事!?」
「そう怒んなって。紫音……、というよりカロンも、男の俺といるより良いだろ」
「そうかも。……そうかも?」
「じゃ、そう言う事で」
ヒラヒラと手を振って、あるじま君は村の人に看板の場所を聞き出す為歩き出した。田舎町に馴染んでいくその姿を見ながら、私はぼんやりと空を見る。
今は午前中。今から探しに行けば、近い場所にある看板なら夕方までには見付けられるはず。日が暮れる前には帰らなきゃいけない。
「……どこに?」
何で帰らなきゃいけないって思ったんだろう。はて、と首を傾げていた私は、あるじま君が私を探す声にハッと意識を引き戻した。
「あのハネッコ……! もう風に飛ばされたのかよ……」
「おーい、紫音さんはここだよー」
「……は? うわっいたのか」
「失礼な!」
目の前にいるのに。私そんなに小さくないぞ!
「そう言えば、モノズ連れて来てるか確認忘れたと思って戻ってきたんだよ」
「あー、モノズはね。キタカミは寒冷地だから風邪を引いちゃうらしくて……」
「マジか。じゃあポチエナ捕まえねぇとな。ナンパ出来なかったら、日が暮れる前に公民館に戻れよ。ここら辺灯りが少ないからな」
「……あ、そういう事か」
「自分の体質だろ。ぼーっとするなよ」
「あはー、ごめんごめん!」
そっか、帰らなきゃって思ったのは自分の体質の事があるからだ。ハッサクさんからも、くれぐれも気を付けてくださいですよ、って何度も言われてたんだった。
「気を付けまーす!」
これで、今日のやる事は決まった。看板の場所を聞き出す。看板を探す道中でポチエナを捕まえる。捕まえられればそれで良し! もし私の手持ちになってくれる子がいなかったら帰ろう。
「あっ、あるじま君待ってー! せめて同じ看板探してたなんて事にならない様に聞き込みは一緒にしようよ!」
「はいはい」
オリエンテーリング。キタカミの里に伝わる話が記された看板を巡って、写真を撮る簡単なお仕事だ。
「俺はこのお馬鹿と組みます」
「お馬鹿だとぉ!」
二人一組になって……、という話になった途端、私の手首を掴んであるじま君が手を挙げた。私としては、せっかくならブルーベリー学園の可愛い子と組みたかったんですけど!?
「奇行種を見張る役目が必要だろ?」
「キコーシュだとぉ!?」
「パルデアからのお客様の方が多いからね……。どうしても同じ学園のペアが出来ると思っていたんだ」
「俺達は年長者なんで。他校とペアを組むのは年下に任せますよ」
「あーん私だって可愛い子と……」
「じゃ、早速行くぞー」
「そんなぁー!」
半ば引き摺られる様に公民館前から移動させられた。アオイちゃんすら苦笑いだったぞ!
「せっかくなんだし、年長者だって若くて可愛い子と組みたいんですけど!!」
「はーい紫音さんはここに来た目的を忘れないようにしましょうねー」
「……」
「おいマジかよ」
「べっ……、別にやべっ忘れてたなんて思ってないし!」
「忘れてたんだな」
「あはー」
「あはーじゃないだろ……」
笑って誤魔化してみたけど、あるじま君の眉間がきゅっとシワを刻んだ。そう、別に忘れた訳じゃない。ちょっと考える事が多くて余裕が無かっただけ!
「ちゃんとハッサク先生にも到着の電話入れたか?」
「あ、それなら時差があるっぽいからメッセージ入れといたよ!」
「……ま、それならいいか」
「そんな事よりだよ! オリエンテーリングの為の看板の場所! 聞かずにこっち来ちゃったじゃん! どうするの?」
「それなら、せっかくだしRPG的に行こうと思ってる」
「ほぉ。つまり?」
「人に聞いてだいたいの場所に当たりを付けて、周辺の探索。二手に分かれて探せば、うまく行けば明日には終わるだろ」
「ほへぇ、RPG的〜!」
「ついでに言えば、紫音と組めば別行動も楽だと思った」
「あれ? 見張りは?」
「方便」
「ダシにされたって事!?」
「そう怒んなって。紫音……、というよりカロンも、男の俺といるより良いだろ」
「そうかも。……そうかも?」
「じゃ、そう言う事で」
ヒラヒラと手を振って、あるじま君は村の人に看板の場所を聞き出す為歩き出した。田舎町に馴染んでいくその姿を見ながら、私はぼんやりと空を見る。
今は午前中。今から探しに行けば、近い場所にある看板なら夕方までには見付けられるはず。日が暮れる前には帰らなきゃいけない。
「……どこに?」
何で帰らなきゃいけないって思ったんだろう。はて、と首を傾げていた私は、あるじま君が私を探す声にハッと意識を引き戻した。
「あのハネッコ……! もう風に飛ばされたのかよ……」
「おーい、紫音さんはここだよー」
「……は? うわっいたのか」
「失礼な!」
目の前にいるのに。私そんなに小さくないぞ!
「そう言えば、モノズ連れて来てるか確認忘れたと思って戻ってきたんだよ」
「あー、モノズはね。キタカミは寒冷地だから風邪を引いちゃうらしくて……」
「マジか。じゃあポチエナ捕まえねぇとな。ナンパ出来なかったら、日が暮れる前に公民館に戻れよ。ここら辺灯りが少ないからな」
「……あ、そういう事か」
「自分の体質だろ。ぼーっとするなよ」
「あはー、ごめんごめん!」
そっか、帰らなきゃって思ったのは自分の体質の事があるからだ。ハッサクさんからも、くれぐれも気を付けてくださいですよ、って何度も言われてたんだった。
「気を付けまーす!」
これで、今日のやる事は決まった。看板の場所を聞き出す。看板を探す道中でポチエナを捕まえる。捕まえられればそれで良し! もし私の手持ちになってくれる子がいなかったら帰ろう。
「あっ、あるじま君待ってー! せめて同じ看板探してたなんて事にならない様に聞き込みは一緒にしようよ!」
「はいはい」
追記
思ったより筆が乗ってめちゃくちゃ長くなってしまったので、単発話として後日短編にまとめます……