Twitter(X)ネタまとめ
昔の手持ち(ハッサクさんと夢主)
2023/09/04 20:12「……君は、随分熱心にバトルを観戦するポケモンがいますですね?」
「……ほ?」
ハッサクさんにそんな事を言われたのは、学校最強大会でジニア先生がサワロ先生を撃破した時だった。
言われて振り返ってみるけど、自分ではそんなに変わりは無い……、と思う。二人の手持ちが、私に馴染みのあるシンオウ地方までのポケモンが多いからかな……、と首を傾げていると、ハッサクさんが丁寧に指折りで数え始めた。
「あの子と……、あのポケモンと……。ふむ。サワロ先生のポケモン達が特に分かりやすいですね。……同じシンオウ地方が主な生息地であるポケモンを何匹かお連れですが、君が特に熱心に観ているのはユキメノコです。……気付きませんでしたか?」
「……えっ!」
「気付いていなかったんですね……」
そんなに熱心に観てたかなぁ……。自分じゃ分からない。けど、そう言われれば理由はすぐに思い付いた。
「……ユキメノコは手持ちに入れてました。ウインディも」
ユッコとウィンディア。真面目なユキメノコとやんちゃなウインディ。多分……、と言うか間違いなく先生達の手持ちを通して私と旅をしてた子達を見てたんだと思う。……うん、そりゃ熱心に観るしその子達がフィールドに出てると応援にも熱が入る。納得。
「……その子達に会いたい、と思いますですか?」
「……もちろん会いたいですよ。……でも、十五年以上経ってるんです。カロンが特例だっただけで、私が捕まえてきた子達は皆それぞれ今を過ごしてるだろうし……」
「新たに捕まえる、という気持ちは無いのですか?」
「……捕まえたとして、うっかり昔の子のニックネームで呼んだりしたらって思っちゃって……、ちょっと踏み出せないのが本音です」
「……なるほど」
特にユッコは呼びやすいニックネームにしてしまったせいで、うっかりが加速してしまいそう。そんなの、ポケモンに対してすっごく失礼だと思う。想像してみてほしい、自分の名前とは違う名前を呼ばれて傷付いたポケモンの顔。うーんいたたまれない……!
「……でもハッサクさん。私が自分でも気付かなかった事によく気が付きましたね……」
「……それはまぁ……。小生は君を見ていますですから」
「……えっ!」
「はい」
「ワェ……」
さらりととんでもない言葉を差し込まないで欲しいな! バフっと顔を真っ赤にした私を残して、ハッサクさんはどっこいせと腰を上げる。
「少し妬いていましたが、事情を聞いて腑に落ちました。ポケモンだけだなく、小生も見ていてくださいね」
そう笑って、ハッサクさんはバトルフィールドへと進み出て行った。あれ、ずるいと思う!!
声にならない抗議はもちろんハッサクさんには届かない。仕方ないので、私はラクシアを膝に抱いて私の代わりに手を振ってもらう事にした。
「……ほ?」
ハッサクさんにそんな事を言われたのは、学校最強大会でジニア先生がサワロ先生を撃破した時だった。
言われて振り返ってみるけど、自分ではそんなに変わりは無い……、と思う。二人の手持ちが、私に馴染みのあるシンオウ地方までのポケモンが多いからかな……、と首を傾げていると、ハッサクさんが丁寧に指折りで数え始めた。
「あの子と……、あのポケモンと……。ふむ。サワロ先生のポケモン達が特に分かりやすいですね。……同じシンオウ地方が主な生息地であるポケモンを何匹かお連れですが、君が特に熱心に観ているのはユキメノコです。……気付きませんでしたか?」
「……えっ!」
「気付いていなかったんですね……」
そんなに熱心に観てたかなぁ……。自分じゃ分からない。けど、そう言われれば理由はすぐに思い付いた。
「……ユキメノコは手持ちに入れてました。ウインディも」
ユッコとウィンディア。真面目なユキメノコとやんちゃなウインディ。多分……、と言うか間違いなく先生達の手持ちを通して私と旅をしてた子達を見てたんだと思う。……うん、そりゃ熱心に観るしその子達がフィールドに出てると応援にも熱が入る。納得。
「……その子達に会いたい、と思いますですか?」
「……もちろん会いたいですよ。……でも、十五年以上経ってるんです。カロンが特例だっただけで、私が捕まえてきた子達は皆それぞれ今を過ごしてるだろうし……」
「新たに捕まえる、という気持ちは無いのですか?」
「……捕まえたとして、うっかり昔の子のニックネームで呼んだりしたらって思っちゃって……、ちょっと踏み出せないのが本音です」
「……なるほど」
特にユッコは呼びやすいニックネームにしてしまったせいで、うっかりが加速してしまいそう。そんなの、ポケモンに対してすっごく失礼だと思う。想像してみてほしい、自分の名前とは違う名前を呼ばれて傷付いたポケモンの顔。うーんいたたまれない……!
「……でもハッサクさん。私が自分でも気付かなかった事によく気が付きましたね……」
「……それはまぁ……。小生は君を見ていますですから」
「……えっ!」
「はい」
「ワェ……」
さらりととんでもない言葉を差し込まないで欲しいな! バフっと顔を真っ赤にした私を残して、ハッサクさんはどっこいせと腰を上げる。
「少し妬いていましたが、事情を聞いて腑に落ちました。ポケモンだけだなく、小生も見ていてくださいね」
そう笑って、ハッサクさんはバトルフィールドへと進み出て行った。あれ、ずるいと思う!!
声にならない抗議はもちろんハッサクさんには届かない。仕方ないので、私はラクシアを膝に抱いて私の代わりに手を振ってもらう事にした。