我らの主の落とし物
「大将は出陣しないの!?」
「元より、時間を超えるのは刀剣男士の役目。主である審神者が共に時間を渡る事が異常なのです」
「えー! 嫌だよ!! せっかく修行してきたのに、その成果を大将に見てもらえないなんて!!」
その日の出陣、遠征、内番の振り分けの指示を出したこんのすけに、その場にいた新顔を除いた全員が渋い顔をした。特に、修行から帰還したばかりの信濃藤四郎が不満を爆発させる。
そんな彼に、こんのすけは事務的な言葉を繰り返すだけ。時を渡るのは刀剣男士のみ、審神者は本丸に残り指示を出すのが本来の姿であると。
管狐では話にならないとばかりに、審神者に直談判しようと立ち上がった信濃に続いて、采配が気に入らない面々が数人立ち上がる。
出陣部隊から外された同田貫正国。
信濃と共に、主との出陣を望む加州清光。
昨日から顔を出さない主を案ずるへし切長谷部。
それぞれの理由をもって立ち上がった彼らは、しかしこんのすけの威圧的な言葉に動きを封じられてしまった。
「これは決定事項です、異論は認めません。改めて申し上げます。わたし、こんのすけの言葉は審神者の言葉。刀剣男士ごときが、わたしに背けるはずが無い」
最後はもはや嘲笑だった。否、表情はまったく変わっていない。しかし、その言葉の端々に嘲笑う様な色が混じっているのだ。
動きを封じられた彼らの姿を見せ付けられた刀剣男士達の間にざわめきが広がるのを見て、満足そうに鼻を鳴らしたこんのすけは、その大きな尻尾を振って腰を上げる。
「……それでは皆さま、各々の仕事を始めてくださいませ」
そう言い残すと、こんのすけは刀剣男士に目もくれずに大広間を出て行く。その後ろ姿を見送る事もせず、音も無く一振りの男士が大広間を後にした事など、己が優位にあると信じて疑わないこんのすけが気付く事は無かった。
*
*
「山伏、やっぱりここにいたね」
審神者の部屋にいた山伏に声を掛けたのは、にっかり青江だった。
自分を落ち着かせる意味も込めて主の背中を撫でていた山伏が、突然の声に目を見開いて後ろを振り返ると、そこには余裕の無い顔をした青江がいる。
彼はこんのすけによる指示を聞くために大広間にいたはず。その彼が何故ここにいるのか。怪訝な顔をした山伏に、青江は気配を殺したまま歩み寄った。
「睦み合っている場合じゃないよ。山伏国広、主の権限がこんのすけに移っている。今の主は、文字通り本丸維持装置。ただのお人形さんだ」
「人形、であるか……」
「そう、お人形さん。……そんな事より主の様子は? 何か分かったかい?」
焦っているのか、矢継ぎ早に言葉を繰り出す青江に、山伏はそれ以上何も言わずに審神者の首元を緩めた。霊刀である彼には、ただこれを見せれば分かると思ったのだ。
「……これは良くないね」
案の定、開かれた胸元にある輝石を目にした青江は、その瞳を細めて手を近付ける。完全に埋まっている様にも見えるその石に、まるで根を張っているみたいだねと、山伏と同じ感想を漏らした彼は、観察しながら彼女の胸元に触れて直に感じる感覚を確かめている。
「……喰われているみたいだ。主の霊力が目に見えて減っている」
「主殿の霊力は豊潤であったはず。……顕現に不向きであっただけで」
「そう、その主の霊力を包んで飲み込もうとしているんだ」
「意思ごと、であるか?」
「うん、そう。欲しがりな呪具だねぇ……。主を全部飲み込もうとしている貪欲な呪具だ」
山伏と話しながらも、どうしてこんな物が、と顔をしかめた青江は、解決策を思案しているのかわずかに黙り込んだ。一番の解決策は、もちろん呪具を主から剥がす事。呪具の周囲の肉ごと剥がす事になりかねない荒業は、出来ることなら最後まで取っておきたいというのが、山伏と青江の共通認識だった。
そうなると、今出来る事はそう多くない。
「……侵食を抑える事しか出来ぬな」
「そうだね。出来れば言霊を使う力だけでも主に戻しておかないと……、大変な事になってしまうかもね」
「考えたくもないが……」
こんのすけが審神者の力を行使した。本来の力の持ち主である審神者はこの状態だ。
こんのすけの、政府の意向に沿わない者がどうなるか、考えたくもなかった。
「……ひとまず、神気でまじないを刻んでおこう。ちゃんとしたものは、きっと僕達だけじゃ足りないからね」
「……まじない?」
「主を喰い尽くそうとしているこの呪具の力を、僕達の神気で囲い込むんだ。出てこないように」
「これで主殿は……?」
「呪いの侵食が遅くなる、と言うだけ。治らないよ」
残念だけどね、と肩を竦めながら、青江は山伏に審神者の胸元に手をかざすように促した。
今ここにいる二振りの力で呪具を抑え込む。悪化する事を防ぎ、その間に対策を皆で考えるのだ。
「その為にも、隠すのは良くないよねぇ……? 何があったのか、全部僕に教えてくれるよね?」
「無論である」
青江の言葉に頷いた山伏国広の紋が、輝石を重なる様に輝いた。さらにその上から被せてにっかり青江の紋も刻まれる。
「でも、今はその時じゃない。どうやら僕は時間切れみたいだね。……また後で」
そう言って銘の通り笑って見せた青江は、音も無く部屋から出て行った。入れ替わる様に戻ってきた管狐に部屋を追われた山伏は、ひとまず青江に件の欠片を見てもらわねばと彼を追い掛けた。
*
*
出陣、遠征、内番を振り分けられた刀剣男士達の一日が始まった。
刀剣男士の数の方が多い為この日の役目を与えられなかった日本号は、なんとはなしに本丸を散歩していた。
顕現したばかりの彼は、まだ何処に何があるのかを把握していない。暇潰しがてら探索するも良し、適当な誰かを捕まえて酒の相手に据えるも良し。どうしてやろうかと考えていた日本号の目が、早速獲物を見付けた。
「……おっ。何かしてやがるな」
日差しが射し込む部屋の中で、厚と博多の藤四郎兄弟が額を付き合わせて何やら話し込んでいる。随分と深刻な顔をしているのを見て、日本号は茶化す意味合いも含めて彼らに声を掛けた。
「なーんだよ、ンな暗い顔して。通夜か?」
「…………っ!!」
「……ん? ……な……っ!?」
声を掛けた次の瞬間、脱兎のごとく駆け出した短刀達の姿はもう辺りには見当たらない。
何か秘密の話でもしていたのだろう。そうでも思わなければ、何故あんな態度を取られるのか日本号には分からなかった。
何なんだよ……、と毒づいた日本号が振り返ると、そこには冷徹な表情を浮かべたへし切長谷部がいた。
「……あまり俺達に近付くな」
「はぁ? いきなりご挨拶だな。理由を言えよ」
「分かっているんだろう。お前と、俺達とを形作る霊力が違う事を。……気味が悪いんだ、お前達は」
「お前……!」
「分かったらあまり近付くな」
「待てって! 長谷部!!」
日本号が呼び止める声に応える事もなく、長谷部は言いたい事を言い終わると、彼を振り返る事も無く廊下の向こうへ消えていく。
角を曲がる直前、彼に駆け寄った厚と博多の表情を見て、日本号は思わず唇を噛み締めた。
「何だよ、あの目は……!」
まるで戦場で敵に向けるかの様な眼差し。その視線は真っ直ぐに日本号を貫いていた。
気味が悪い。お前は敵だ。
そう言外に告げる短刀達に、とんでもない本丸に喚ばれちまったと舌打ちをして、日本号は酒でも煽って忘れようと頭を振った。
*
*
「おーい山伏ー!!」
「ちょっと来てくれ! 俺らがやったんじゃうっかり手入れ部屋行きになっちまう!!」
同時刻。主の部屋の前で座禅を組み瞑想をしていた山伏は、己を呼ぶ短刀達の声に目を開けた。
駆け寄ってくるのは太鼓鐘貞宗と薬研藤四郎の二振り。何やら慌てた様子の彼らを落ち着くように諭しながら、断片的な言葉から彼らがこれほどまでに慌てふためいている理由を探る。
どうやら、鶴丸国永が距離を縮めるきっかけとして仕掛けた悪戯に対して、被害を被った太鼓鐘貞宗と包丁藤四郎ではなく、それを見ていた大倶利伽羅が容赦なく叩きのめして成敗したらしい。
「……ぬぅ……。では、手入れの手配をせねばな」
「そうなんだけど、今起きてる問題はそうじゃないんだよ山伏! 俺達が誰も鶴丸を運ぼうとしないのを見られたんだよ、みっちゃんに!!」
「悪戯だったんだからって宥める燭台切に、大倶利伽羅の奴なんて言ったと思う?」
「……何と言った?」
「……『余所者共に割く資材は無い』って……。お陰で抜刀騒ぎなんだよ! もう大乱戦だ!!」
「……なんと……!」
早く早く、と急かす彼らに促された山伏が現場に到着した時には既に、昨夜顕現したばかりの太刀連中が揃って膝を付いている。勝敗は、明白だった。
「大倶利伽羅!」
「……俺は謝らないからな」
肩で息をしている大倶利伽羅に声を掛けると、彼は山伏の姿に目を見開いて、そしてばつが悪そうに背を向ける。
彼の側には、怯えた様に震えている包丁と、彼を宥める鯰尾藤四郎の姿があった。
「よーしよしよし、もう大丈夫。山伏さんも来たし、何とかしてくれるって」
「包丁、怪我はござらんか?」
「俺は、大丈夫……」
か細いながらも、しっかりと答えた包丁。もう大丈夫、と鯰尾にぎこちなく笑いかける包丁は、山伏や大倶利伽羅にも同じ様に笑おうとしたのだろう。山伏達を振り返った彼は、しかし彼らの背後にここにいるはずの無い姿を見付けて声を失った。
「あっ」
「……? おっ、大将!」
「主! 何だよもう動けるのか?」
「……………………」
「……主……」
審神者の視線は、駆け寄った短刀達を突き抜けて遥か遠く、何も無い虚空を見つめたまま動かない。瞬きすらしない主の様子に、薬研が彼女の目の前で大きな音を鳴らすが、驚くどころか反射運動さえ見せない主に、彼らは困り果てた様に山伏を見上げた。
「……主殿、部屋に戻ろう」
「………………」
「大倶利伽羅以下、短刀や脇差に怪我は無い。負傷した太刀連中も、こんのすけが手入れの手配をしてくれよう」
「……………………」
山伏の言葉を聞いているのか、相変わらず虚空を見つめていた彼女がゆっくりと瞬きをした。
かと思うと、それまで微動だにしなかった審神者が突然動いたのだ。辺りに広がるざわめきの中、彼女の頭がかくんと傾く。やはり人形じみたその動きに、普段の彼女を知る者達は揃って沈痛な顔になり、今の彼女しか知らぬ太刀連中は、気味の悪さに思わず顔を顰めた。
そんな険悪な空気の中、彼女は表情を変える事もなく緩慢な動きで踵を返す。
山伏が促した通り、部屋に戻ろうとしている……。そう察した太鼓鐘が慌てて審神者の前に立ち塞がった。
「主! 俺、待ってるから! 強くなって待ってるから!! 信濃だって、修行の成果を見せたがってる。カッコ良くなった俺達を見てもらわなくちゃならないんだからな」
「太鼓鐘……」
「必ず治る! ……ってか治す! だから主はゆっくり休んでて」
そう笑った太鼓鐘の手に、どこからともなく紫色の欠片が現れた。手のひら大の大きさがあるそれを握り締めた太鼓鐘は、しばし惚けた様に立ち尽くすと、ややあってしみじみと宙を仰ぎ見る。
「そうだな、この本丸のルールは喧嘩両成敗だった。両方殴り飛ばして、同じ手入れ部屋に突っ込んで頭冷やせって……。それが主だもんな」
「貞ちゃん、何を言ってるの?」
「はい、山伏さん。主の欠片」
燭台切の言葉に応える事もなく、山伏に欠片を渡した太鼓鐘は、顔を顰めた大倶利伽羅の前に立った。軽い一撃。腹に太鼓鐘の拳を受けた大倶利伽羅は呻き声と共に床に膝を付く。
「おい貞、待て! 何処に行くかは俺が……! おい!!」
極めているとは言え、短刀に引きずられていく打刀を見送りながら、苦笑いを浮かべていた山伏は真剣な表情で残った面々を見下ろした。
燭台切光忠。鶴丸国永。他太刀数振り。ぎりりと歯を食い縛る彼らに声を掛けるより先に、先程と同じ言葉を主に繰り返す。
「主殿、部屋に戻られよ」
「………………」
こっくん。
相変わらず返事は無い。しかし、昨日とは違い、まるで頷くかの様な動きをした審神者は、そのまま覚束ない足取りながら己の部屋へ向けて動き出した。
「あ、主が頷いた……!」
「否、まだ元の状態にはほど遠い……。騒ぎに引き寄せられた事には驚いたが、主殿はただ拙僧の言葉に頷いて、拙僧の言葉に従ったのみ」
「……そっかぁ……」
「けど、大将は自分からここに来たんだ。希望はあるってこったな」
治る見込みはある。そう希望的な言葉を呟いた薬研に、鶴丸は何処か信じられない様な物を見る目で彼を見る。
「……あの審神者、気味が悪いとは思わないのか? 人間の癖に、まさしく操り人形の様じゃあ……」
操り人形の様じゃあないか。
そう言いかけた鶴丸は、皆まで言えずに吹き飛ばされた。鶴丸がいた場所に残っているのは、拳を突き出し、憤怒の形相をした薬研藤四郎。
「……二度と言うな。大将は、俺達の大将はれっきとした人間で、俺達の使い方を分かっているお人なんだ」
「薬研」
「……っとすまねぇ。一番怒りたいのは山伏、あんただよな」
軽く肩を竦めて、薬研は気を失っている鶴丸の襟を掴んで歩き出す。
「俺っちも一発入れてもらう。とりあえず、これは先に持っていくぜ」
異様な本丸。形容しがたい異様な空気を肌で感じた新入り達は、生唾を飲み込んで唯一顕現していた太刀を仰ぎ見た。
「そう怯える事も無かろうよ」
「山伏くん……」
「拙僧の怒りは、既に薬研が代弁してくれた故」
そう細められた深紅は、先ほどの薬研と同じ、否それ以上の憤怒の色がありありと浮かんでいた。
*
*
本丸のあちこちで小競り合いが勃発している。そのざわめきを聞きながら、にっかり青江は主の前に腰を下ろした。
監視するかの様に審神者にべったりとくっついていたこんのすけは今、主の執務室で何やら端末を弄っている。これ幸いと主が座す部屋に滑り込んだ青江は、わずかに目を伏せた。
相も変らぬその瞳の前で手を打ってみても、やはり反応は無い。それを確認した青江は、小さく謝罪を口にしながら主の襟を緩めた。
みちみちと音が聞こえてきそうだ、と一人顔をしかめながら、彼は持参したモノを主の首元に着けてやる。首をぐるりと一周するそれは、呪いの元凶である輝石を押さえつけるように囲い込む首輪。青江と山伏の神気を練り込んだ玉鋼で誂えたものだ。
これでひとまず、呪いの浸食は抑えられるはず。後は服を正してやって、こんのすけが戻る前に退散すれば任務は終わりだ。
そのはずだったのに。
「……、何をしているのかな?」
「……やぁ。石切丸……、だね? 覗かれていたなんて、君も良い趣味しているね」
迂闊だった。作業に集中するあまり、他がおろそかになっていた様だ。
いつの間にか現れたのは石切丸。つい昨日人の形をとった刀剣が一振り。大太刀に見合うその体躯で入口を塞いだ彼は、呆れた様な憐れむ様なため息を吐いた。
「その邪な気配は何だと聞いているのだけれど。君は霊刀だろう? 私程ではないにせよ、そういう気配に敏感な君が、彼女に何をしているのかと聞いているんだ」
「答える必要は無い……、かな」
「そうなのかい? そうは思えないのだけれど」
不信を露わにじろりと睨む彼に、彼らに主に起こっている事を言っていいものかどうか。
もし、彼に協力を仰ぐことが出来れば。御神刀に協力を仰ぐ事が出来れば、主の解呪がさらに近付く。
しかし同時に、彼は呪いの力によって顕現した刀。こうして話している事も筒抜けになっていないとは限らない。
知らずに歯噛みした青江は、ひとまず警戒すべき相手である石切丸から主を守る為に彼の前に立ちはだかる。
ここはどうにか煙に巻こう。彼が信用できない以上、それが最善。そう判断しての行動を見咎めて、石切丸が目を細めた。
「無粋な真似は感心しないよ」
「何を隠している?」
「僕の目の事かな? 男の子には一つや二つ秘密があった方が……」
静かに睨み合っていた二振りの耳に、突如として破壊音が聞こえてきた。皿が割れた様な可愛らしい音ではない。何かが壁でも突き破ったかの様な激しい音。
『撤回するんだ! 伽羅ちゃん!!』
『撤回? おかしな事を言うんだな。事実をどう撤回すればいい?』
『君って刀は……! どうしてそんな言い方しか出来ないの!? 鶴さんだって冗談の範囲だったじゃないか!』
『冗談かどうかは俺達受け手によって変わってくる。そして俺は冗談だと取れなかった。それだけの話だ、よそ者』
『伽羅! そんなに挑発するなって!!』
どうやら小競り合いでは済まない騒ぎが起こってしまったらしい。
主が普段通りだったなら、何処で騒ぎが起きても音も無く現れて、当事者達にきつい仕置を与えていたのだが……。
その審神者は、今はただの本丸維持装置。お人形さんだ。
昨日まですぐ側にあったはずの日常をぼんやりと思い出していた青江は、呆然をしている石切丸のすぐ横をすり抜けようとしている主の姿に心底驚いた。
「主……、主!!」
青江の呼びかけに反応は無い。それでも、彼女の足は確実に騒ぎが起こった方へと向かっている。
油が足りないからくり人形の様に。
ぜんまいが切れる寸前の人形の様に。
しかしもう、そこに座っているだけだった人形ではないのだ。動き始めたその姿に、青江は思わず目頭が熱くなってきた。
「彼女、動けるのかい?」
「動くとも。彼女は生きているんだから」
「……生きて……? まるで人形のような……」
「それ以上はいけない。……僕達は、その言葉の先を認めない」
そして、戸惑いのままに漏れた彼の言葉に青江の意思は固まった。
「僕達は君達を認めない。それがはっきりしたよ」
なおも大きくなってくる喧騒にかき消されて、青江の言葉は石切丸には届かない。怪訝そうな顔をして首を傾げた彼は、次の瞬間飛んできた太刀横綱をどうにか受け止めてそのままひっくり返った。
もみくちゃになっている太刀の手に真剣が握られているのを見た以上、それが振り上げられる場所に主を一人で向かわせる訳にはいかない。
慌てて向かったその先で、青江は、元からいた刀剣男士は。新入り太刀との溝が深まる展開が待っていた。
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