黒の時代
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あれから数時間後、オサムは「んー、よく寝た。」とからだをのながら寝台から立ち上がって出かける準備をはじめた。
少しでも長くオサムといっしょにいたいわたしも「来るな」と否定的にも「留守番、できるよね?」と犬に言い聞かせるようにも言われていないので今日はついて行っていいと判断していっしょに行くため、準備をすすめた。
森さんにもらったごすろり?の服はオサムにすてられたから、さいきんオサムに買ってもらった服をきて、エリスちゃんに髪の毛はついんてーるって指定されてるからがんばってむすぶ。
「オサム、これ、ネクタイ。」
「んー、」
じぶんの準備がおわったら、オサムの身支度をてつだう。
まだ少しねぼけてるオサムに声をかけて、苦手だけどがんばってオサムのシャツのボタンを止めて、一番さいしょに教えてもらった時のように、たどたどしくネクタイをまいた。
「おいで。」
「……うん。」
オサムといっしょにいてもいい。
そんな意図をふくむことばがうれしかった。
わたしよりもずっとはやく、大きく歩くオサムにおいて行かれないように後ろを小走りでついて行く。
オサムは気分屋なのか、手をつないで歩いてくれるときとそうでないときがある。
手をつないでくれるかどうかはほんとうに不規則で、いつつないでくれるのかなんてのはわたしにはわからない。
でも、「そんな風には牽制しなくたってこわぁいお兄さんがついてるんだから手なんて出さないよ。」って森さんが言ってたし、
チューヤも「手前みてぇな幼女趣味なんてあるわきゃねぇだろ!?」って言ってたからきっとわたしが知らないだけで、大人の人は色んなことを知ってるんだと思う。
わたしはまだこどもで、オサムの意図も森さんやチューヤのことばのいみもわかんないけど、今このしゅんかん、オサムにおいて行かれないように、すてられないように、いっしょうけんめいおいかけた。
わたしはオサムのお人形さん。
いらない、ってすてられないようためにはいい子でいつづけるんだ。
「……ここ?」
「そう、入るよ。」
ついた先はbar lupinと書いてあるお店だった。
よめるけど、ここがどういう場所なのかはわからない。
それでもオサムはドアをあけて地下につづくかいだんを下りていくからついて行った。
かいだんを下りるのはいつも少しこわくて、ころびそうで、だからオサムの服のそでをちょこんとにぎる。
そっとじぶんよりもずっと高いところにあるオサムの顔をみると、上機嫌そうだったからおこってはないんだろう。
「……やぁ。織田作、安吾。久しぶりだねぇ。」
かいだんをおりた先、そこにいたのはタバコをすっている赤い髪のお兄さんと、丸メガネをかけたお兄さんだった。知り合いなのかな?オサム、とってもたのしそう。
「あぁ、太宰君。お仕事お疲れ様で、……」
二人のお兄さんはわたしたちの方をみる。
丸メガネのお兄さんはわたしを見ると固まって、タバコを吸っていたお兄さんはわたしに気付くと火をけしていた。
「な、ななななにやってるんですか!!?」
「え?マフィア幹部だけど。」
「仕事を聞いてるんじゃありません!なんでこんな所に子供を連れてきているのかを聞いてるんです!!」
オサムのかたを掴んでガクガクと揺らすお兄さん。すごくはげしく揺らしてるから、オサムの首が取れそう。
お兄さんとオサムがさわぎはじめちゃって、どうすればいいかおろおろしていたらタバコをすってたお兄さんがおいでって手招きをしてくれた。
オサムをちらりと見るけどまだおわりそうにないからお兄さんのほうに駆け寄る。
「……なんて言うんだ?」
なまえのことを聞かれてるのかな、と思うけど、オサムとの約束があってお兄さんと話していいかわからない。
だから持っていた紙とえんぴつで名前を書いた。
「……『なまえ、6さい』」
「俺は織田作之助だ。なまえか、いい名前だな。太宰の子供か?」
おださんのはつげんで、丸メガネのお兄さんがぶっ!と噴き出した。
「織田作、私まだ17歳なんだけど。もしなまえが本当に私の子ならいくつで子供もってんのさ。」
「……6歳ということは12の時ですか。」
「え、なんで二人とも隠し子説推してるの?」
ジト目でオサムをみる丸メガネのお兄さんとおださんは仲良さそうにテンポよく話している。
オサムはわたしといる時のような、おこった顔とか、ゾクゾクするような顔とかではなく、見たことのないような、こどもみたいな顔をしていた。
はじめて見るその顔が、うれしいようなかなしいような、よくわからない気持ちになって、オサムからもらった外套をぎゅっとにぎりしめる。
オサム、しらないひとみたい。
それがどうしてもいやで、でもわたしはオサムにすてられないためにワガママなんて言えないから、それ以上見たくなくて目をそらした。
「……!」
そのときだった。
あたまにぽんっ、と大きくてあたたかいものがのせられた。
なんだろう、とそれに誘われるように上を見るとおださんがわたしのあたまをなでていた。
「……太宰を取るつもりはないから大丈夫だ。」
「え、なになに。安吾と織田作となまえでわたしの取り合い始めちゃう?」ってにやにやしながらオサムが入ってきて、丸メガネのお兄さんは「しません。というか、何の話ですか?」と言っている。
おださんがどうしてそんなことを言ったのかは分からなかったけど、その言葉にすごく安心した。
少しでも長くオサムといっしょにいたいわたしも「来るな」と否定的にも「留守番、できるよね?」と犬に言い聞かせるようにも言われていないので今日はついて行っていいと判断していっしょに行くため、準備をすすめた。
森さんにもらったごすろり?の服はオサムにすてられたから、さいきんオサムに買ってもらった服をきて、エリスちゃんに髪の毛はついんてーるって指定されてるからがんばってむすぶ。
「オサム、これ、ネクタイ。」
「んー、」
じぶんの準備がおわったら、オサムの身支度をてつだう。
まだ少しねぼけてるオサムに声をかけて、苦手だけどがんばってオサムのシャツのボタンを止めて、一番さいしょに教えてもらった時のように、たどたどしくネクタイをまいた。
「おいで。」
「……うん。」
オサムといっしょにいてもいい。
そんな意図をふくむことばがうれしかった。
わたしよりもずっとはやく、大きく歩くオサムにおいて行かれないように後ろを小走りでついて行く。
オサムは気分屋なのか、手をつないで歩いてくれるときとそうでないときがある。
手をつないでくれるかどうかはほんとうに不規則で、いつつないでくれるのかなんてのはわたしにはわからない。
でも、「そんな風には牽制しなくたってこわぁいお兄さんがついてるんだから手なんて出さないよ。」って森さんが言ってたし、
チューヤも「手前みてぇな幼女趣味なんてあるわきゃねぇだろ!?」って言ってたからきっとわたしが知らないだけで、大人の人は色んなことを知ってるんだと思う。
わたしはまだこどもで、オサムの意図も森さんやチューヤのことばのいみもわかんないけど、今このしゅんかん、オサムにおいて行かれないように、すてられないように、いっしょうけんめいおいかけた。
わたしはオサムのお人形さん。
いらない、ってすてられないようためにはいい子でいつづけるんだ。
「……ここ?」
「そう、入るよ。」
ついた先はbar lupinと書いてあるお店だった。
よめるけど、ここがどういう場所なのかはわからない。
それでもオサムはドアをあけて地下につづくかいだんを下りていくからついて行った。
かいだんを下りるのはいつも少しこわくて、ころびそうで、だからオサムの服のそでをちょこんとにぎる。
そっとじぶんよりもずっと高いところにあるオサムの顔をみると、上機嫌そうだったからおこってはないんだろう。
「……やぁ。織田作、安吾。久しぶりだねぇ。」
かいだんをおりた先、そこにいたのはタバコをすっている赤い髪のお兄さんと、丸メガネをかけたお兄さんだった。知り合いなのかな?オサム、とってもたのしそう。
「あぁ、太宰君。お仕事お疲れ様で、……」
二人のお兄さんはわたしたちの方をみる。
丸メガネのお兄さんはわたしを見ると固まって、タバコを吸っていたお兄さんはわたしに気付くと火をけしていた。
「な、ななななにやってるんですか!!?」
「え?マフィア幹部だけど。」
「仕事を聞いてるんじゃありません!なんでこんな所に子供を連れてきているのかを聞いてるんです!!」
オサムのかたを掴んでガクガクと揺らすお兄さん。すごくはげしく揺らしてるから、オサムの首が取れそう。
お兄さんとオサムがさわぎはじめちゃって、どうすればいいかおろおろしていたらタバコをすってたお兄さんがおいでって手招きをしてくれた。
オサムをちらりと見るけどまだおわりそうにないからお兄さんのほうに駆け寄る。
「……なんて言うんだ?」
なまえのことを聞かれてるのかな、と思うけど、オサムとの約束があってお兄さんと話していいかわからない。
だから持っていた紙とえんぴつで名前を書いた。
「……『なまえ、6さい』」
「俺は織田作之助だ。なまえか、いい名前だな。太宰の子供か?」
おださんのはつげんで、丸メガネのお兄さんがぶっ!と噴き出した。
「織田作、私まだ17歳なんだけど。もしなまえが本当に私の子ならいくつで子供もってんのさ。」
「……6歳ということは12の時ですか。」
「え、なんで二人とも隠し子説推してるの?」
ジト目でオサムをみる丸メガネのお兄さんとおださんは仲良さそうにテンポよく話している。
オサムはわたしといる時のような、おこった顔とか、ゾクゾクするような顔とかではなく、見たことのないような、こどもみたいな顔をしていた。
はじめて見るその顔が、うれしいようなかなしいような、よくわからない気持ちになって、オサムからもらった外套をぎゅっとにぎりしめる。
オサム、しらないひとみたい。
それがどうしてもいやで、でもわたしはオサムにすてられないためにワガママなんて言えないから、それ以上見たくなくて目をそらした。
「……!」
そのときだった。
あたまにぽんっ、と大きくてあたたかいものがのせられた。
なんだろう、とそれに誘われるように上を見るとおださんがわたしのあたまをなでていた。
「……太宰を取るつもりはないから大丈夫だ。」
「え、なになに。安吾と織田作となまえでわたしの取り合い始めちゃう?」ってにやにやしながらオサムが入ってきて、丸メガネのお兄さんは「しません。というか、何の話ですか?」と言っている。
おださんがどうしてそんなことを言ったのかは分からなかったけど、その言葉にすごく安心した。