探偵社編
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さて、日常生活のありとあらゆる場面で出てくるあの馬鹿(太宰)が流石に大学までは着いてこないおかげで学校は恙無く終了し、帰宅時間を迎える。
大学での友人が帰り寄り道して遊びに行かないかと誘ってくれたが、最近あの馬鹿が探偵社に遊びに来て来て煩いので友人の誘いを丁重に断った。
国木田さんや敦君は太宰を社に引き摺り戻すため毎日のようにあっているが、ナオミちゃんや賢治君、それに乱歩さんには最近会っていない。私は恐らく乱歩さんに半数以上食べられるだろう手土産を持って探偵社へと向かった。
・
「まぁ、なまえさんではありませんか!お久しぶりですわ!」
事務所のドアを開き、最初に声を掛けてくれたのはナオミちゃんだった。
「久しぶり、ナオミちゃん。太宰いる?」
「今は国木田さんに引き摺られて外回り中ですわ。太宰さんに何か用でも!?」
太宰が今日家に泊まる予定だから顔見せるついでに迎えに来ただけなのだが、何故か期待に満ち溢れた顔をされ、一歩後退する。
「いや、今日太宰私の家に泊まる予定だったから迎えに来たんだよ。ついでに来いって毎日のように言われてうるさかったから顔見せに来た。けどいないなら帰るか。」
せっかく誘いも断ってきたというのに、無駄足だったようだ。
「ご心配いりませんわ。太宰さんたちが帰ってくるまでの間、ナオミとお話しましょう!」
・
手を引っ張られ、着いた先は応接間だった。
いつ依頼人が来るかも分からないのに、遊びに来ただけの私がここにいていいのかなぁ、と思いはしたが、
ナオミちゃんと面白そうだからとやって来た与謝野さん、それに鏡花ちゃんがノリノリなので黙っておいた。なんでもガールズトークなるものをしたいんだそうで。
「それで、アンタ太宰とはどこまでいったんだい。」
「どこまでって?最近出かけた場所のことですか?それならこの間スーパーに一緒に行きましたよ。」
「んもう!違いますわ!最近太宰さんといて、何か、ドキドキしたり、キュンキュンするようなことはありませんでしたか?」
「……漫画で見た。胸が苦しくなったり、泣きそうになったり。」
「んー、この間太宰が“料理なら私に任せたまえ!”って言いながら味噌汁に塩やらジャムやらポン酢やらを大量に入れてたことかな。命の危険を感じてめっちゃドキドキしたし、荒れ果てた台所に泣きたくなったよ。」
「そういう事を聞いてるんじゃありません!」
違うのか。あれはだいぶドキドキしたのだが……。一応飲んでみたら意識が遠のいて今世で一番死ぬかと思った瞬間だったのだが……
とりあえずその日から私は太宰を台所に立たせないように最前の注意を払った。
「太宰もあんなにアピールしてるのに、これっぽっちも気付いてもらえないなんて、哀れだねぇ。」
「いつもあんなにべったりとくっついていますし、もう告白もされたんでしょ?」
「?されてないけど。」
ナオミちゃんの問いにそのまま答えれば全員にはァ!?という顔で凝視された。
「……え、本当にされてないんですか?」
「ないよ。」
「……意外。」
「太宰なら惚れた次の日には落とすなりなんなりしてそうなもんだけどねぇ。」
えぇー、なんでみんなそんな意外そうなの?
私と太宰はほんとに何も無いんだけど。
「大体、私太宰に会って二回目で“君の事なんて好きじゃない”って言われてますから。」
「その話、詳しく聞きたいですわ!」
ギラギラと輝くナオミちゃんとナオミちゃんの意見に賛成なのか、うんうんと頷く他の女性陣。
「詳しくって言われてもなぁ……。私が高一の時喫茶店でバイトしてたら太宰が来て、そん時はめちゃくちゃ機嫌悪かったんだよ。だから適当に相手して初対面はそれで終わり。それから次店に来たのは初対面から一ヶ月後くらい?店によく来てくれる常連さんと一緒に来てその帰りに、会計してたら“別に、君の事なんて何とも思ってないし、好きとかそういうのじゃないから!”って言われた。」
あれは意外とビビった。
彼奴顔整ってるし包帯多いし真っ黒くろすけだからすぐ覚えた。
だから一ヶ月後来てくれた日の会計の時、“二度のご来店ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております。”と笑えば何故か錯乱状態でそのように言われた。本当に何だったんだ。
「……ツンデレ?」
鏡花ちゃんから疑問の言葉が紡がれる。
「え、なんで?あの時は懐かない猫みたいだったよ。その日から気付けば傍にいたんだけど、私がなにしても威嚇するかのように瞬時に距離を取られてた」
「……いったい何したんですの?」
「あの頃の太宰はまだ可愛かったから頭撫でようとしたら顔を逸らしながら3mくらい距離取られた。」
女性陣からツンデレ。ツンデレですわね。思春期ってやつじゃないかい?などと聞こえてくる。
ツンデレかどうかはさておき、あの頃の太宰は可愛げがあったのに、いつから余裕たっぷりで嫌味ったらしい笑みを浮かべる変態ストーカー野郎になってしまったのだろう。
「へぇー、なまえってば、私のことそんな風に思ってたんだ〜。」
「まぁ毎日のように不法侵入して寝台に潜り込まれりゃそう思うよ。顔が良くなけりゃ許されない事だった、な?」
あれ、おかしいな。物凄い聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきたぞ?
「やぁ、君の大好きな太宰治だよ。」
「私が大好きなのは乱歩さんです。」
「……君、なんでそんなに乱歩さんに懐いてるの。」
乱歩さんが好きと断言すれば深く諦めの混じったため息を吐かれる。
だって乱歩さん、可愛いですし。お菓子あげると喜んでくれるからつい甘やかしてしまうんだよね。
「私もなまえに甘やかされたい〜」と駄々を捏ねて頭に顔を乗せ、後ろから抱き着いてくる太宰は肘打ちで撃退し、私は乱歩さんの元へ逃げた。
大学での友人が帰り寄り道して遊びに行かないかと誘ってくれたが、最近あの馬鹿が探偵社に遊びに来て来て煩いので友人の誘いを丁重に断った。
国木田さんや敦君は太宰を社に引き摺り戻すため毎日のようにあっているが、ナオミちゃんや賢治君、それに乱歩さんには最近会っていない。私は恐らく乱歩さんに半数以上食べられるだろう手土産を持って探偵社へと向かった。
・
「まぁ、なまえさんではありませんか!お久しぶりですわ!」
事務所のドアを開き、最初に声を掛けてくれたのはナオミちゃんだった。
「久しぶり、ナオミちゃん。太宰いる?」
「今は国木田さんに引き摺られて外回り中ですわ。太宰さんに何か用でも!?」
太宰が今日家に泊まる予定だから顔見せるついでに迎えに来ただけなのだが、何故か期待に満ち溢れた顔をされ、一歩後退する。
「いや、今日太宰私の家に泊まる予定だったから迎えに来たんだよ。ついでに来いって毎日のように言われてうるさかったから顔見せに来た。けどいないなら帰るか。」
せっかく誘いも断ってきたというのに、無駄足だったようだ。
「ご心配いりませんわ。太宰さんたちが帰ってくるまでの間、ナオミとお話しましょう!」
・
手を引っ張られ、着いた先は応接間だった。
いつ依頼人が来るかも分からないのに、遊びに来ただけの私がここにいていいのかなぁ、と思いはしたが、
ナオミちゃんと面白そうだからとやって来た与謝野さん、それに鏡花ちゃんがノリノリなので黙っておいた。なんでもガールズトークなるものをしたいんだそうで。
「それで、アンタ太宰とはどこまでいったんだい。」
「どこまでって?最近出かけた場所のことですか?それならこの間スーパーに一緒に行きましたよ。」
「んもう!違いますわ!最近太宰さんといて、何か、ドキドキしたり、キュンキュンするようなことはありませんでしたか?」
「……漫画で見た。胸が苦しくなったり、泣きそうになったり。」
「んー、この間太宰が“料理なら私に任せたまえ!”って言いながら味噌汁に塩やらジャムやらポン酢やらを大量に入れてたことかな。命の危険を感じてめっちゃドキドキしたし、荒れ果てた台所に泣きたくなったよ。」
「そういう事を聞いてるんじゃありません!」
違うのか。あれはだいぶドキドキしたのだが……。一応飲んでみたら意識が遠のいて今世で一番死ぬかと思った瞬間だったのだが……
とりあえずその日から私は太宰を台所に立たせないように最前の注意を払った。
「太宰もあんなにアピールしてるのに、これっぽっちも気付いてもらえないなんて、哀れだねぇ。」
「いつもあんなにべったりとくっついていますし、もう告白もされたんでしょ?」
「?されてないけど。」
ナオミちゃんの問いにそのまま答えれば全員にはァ!?という顔で凝視された。
「……え、本当にされてないんですか?」
「ないよ。」
「……意外。」
「太宰なら惚れた次の日には落とすなりなんなりしてそうなもんだけどねぇ。」
えぇー、なんでみんなそんな意外そうなの?
私と太宰はほんとに何も無いんだけど。
「大体、私太宰に会って二回目で“君の事なんて好きじゃない”って言われてますから。」
「その話、詳しく聞きたいですわ!」
ギラギラと輝くナオミちゃんとナオミちゃんの意見に賛成なのか、うんうんと頷く他の女性陣。
「詳しくって言われてもなぁ……。私が高一の時喫茶店でバイトしてたら太宰が来て、そん時はめちゃくちゃ機嫌悪かったんだよ。だから適当に相手して初対面はそれで終わり。それから次店に来たのは初対面から一ヶ月後くらい?店によく来てくれる常連さんと一緒に来てその帰りに、会計してたら“別に、君の事なんて何とも思ってないし、好きとかそういうのじゃないから!”って言われた。」
あれは意外とビビった。
彼奴顔整ってるし包帯多いし真っ黒くろすけだからすぐ覚えた。
だから一ヶ月後来てくれた日の会計の時、“二度のご来店ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております。”と笑えば何故か錯乱状態でそのように言われた。本当に何だったんだ。
「……ツンデレ?」
鏡花ちゃんから疑問の言葉が紡がれる。
「え、なんで?あの時は懐かない猫みたいだったよ。その日から気付けば傍にいたんだけど、私がなにしても威嚇するかのように瞬時に距離を取られてた」
「……いったい何したんですの?」
「あの頃の太宰はまだ可愛かったから頭撫でようとしたら顔を逸らしながら3mくらい距離取られた。」
女性陣からツンデレ。ツンデレですわね。思春期ってやつじゃないかい?などと聞こえてくる。
ツンデレかどうかはさておき、あの頃の太宰は可愛げがあったのに、いつから余裕たっぷりで嫌味ったらしい笑みを浮かべる変態ストーカー野郎になってしまったのだろう。
「へぇー、なまえってば、私のことそんな風に思ってたんだ〜。」
「まぁ毎日のように不法侵入して寝台に潜り込まれりゃそう思うよ。顔が良くなけりゃ許されない事だった、な?」
あれ、おかしいな。物凄い聞き覚えのある声が後ろから聞こえてきたぞ?
「やぁ、君の大好きな太宰治だよ。」
「私が大好きなのは乱歩さんです。」
「……君、なんでそんなに乱歩さんに懐いてるの。」
乱歩さんが好きと断言すれば深く諦めの混じったため息を吐かれる。
だって乱歩さん、可愛いですし。お菓子あげると喜んでくれるからつい甘やかしてしまうんだよね。
「私もなまえに甘やかされたい〜」と駄々を捏ねて頭に顔を乗せ、後ろから抱き着いてくる太宰は肘打ちで撃退し、私は乱歩さんの元へ逃げた。