ポートマフィア編
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完っ全に失敗した。
何故あの時自分は断らなかったのか、
今現在自分が置かれている状況に太宰は頭を抱える。
外は雨、外からの音は無く、ここから聞こえてくるのは浴槽から響くシャワーの音と微かな物音。
家の中には太宰となまえ以外は当然だが誰もおらず、誰にも邪魔されない空間。
そんな中、太宰は一人部屋でなまえがシャワーを浴び終えるのを待っていた。
自然と身体は浮つき、妙な気分になるが一応言っておこう。太宰がなまえをここに連れてきた時点では太宰に下心はなかった。
急な雨に降られ、風邪を引かせぬために選んだ場所が偶々近くにあったこの場所というだけで、特に思惑があった訳ではなかった。
しかし、いざ連れてきてみれば外は雨でここからは出られない、当然この家には自分達しか居ないのだから邪魔するものもいない。だからといって手を出し、嫌われては本末転倒。太宰は僅かに残っていた良心で我慢するつもりだった。
しかし、そんな中自分の片思いの相手は嘘だろと思わず呟きたくなるほど無防備だった。
全身びしょ濡れなせいでハッキリと見えるボディラインと下着、濡れた髪は色目かしく情事中のそれを思わせる。
ごくり、と息を呑む。
誰にも邪魔されない、そんな状況が太宰の理性を崩壊させかけたのだろう。
太宰がなまえに手を伸ばしかけたその時になまえがいつもの調子で声を掛けたから正気に戻ったものの、それでもなまえの姿は手を出せない以上目に毒であった。
だからさっさと着替えるよう忠告したというのにシャワーを借りていいか?
この子に警戒心というものは無いのかと太宰が初めて心底誰かを心配した瞬間だった。
ガチャり、と太宰が考えに耽って入れば扉が開いた音がする。
いつの間にかシャワーの音は止まっていた。
「あ、太宰。シャワーと着替えありがとう。助かったよ。」
しかし、太宰は顔をあげたことを後悔した。
自分の服を着ているなまえだが、何分背丈に大きな差があるため袖を余らせている。
そう、今のなまえ所謂萌え袖なるものをしていた。
しかも、それに加えお風呂上がりであり彼シャツである。
太宰は反射的に顔が取れる勢いで顔を逸らし、ニヤけそうになる口を押さえ、本能と戦った。
ここで手を出してはだめだ、
まずこの子自身が私のことをどう思っているのかはっきり言ってまるで読めない。
いつも上げたと思えば下げてそしてまた上げるような子だ。本心が掴めない。
そんな子に今、うっかりポロリと本音でも漏らしてみろ、友達としてしか見れない。と淡々と言われる未来が見える。
その証拠に風呂上がり、男女二人きりというこのシチュエーションになまえはこれっぽっちも緊張もしてなければ警戒もしていない。つまり自分は男として見られていない。
自分を説得するため考え付いた自分への言い聞かせに太宰は若干へこむ。
「……太宰の服、なんか着てると安心するね。」
やっぱり自分よりもでかいからかなぁ。なんか護ってもらえてる気がするんだよねぇ。なんて緩く笑いながらもその表情は安心しきっていて、太宰の動きはピタリと止まる。
なまえは、本来どうでもいい相手には無表情だ。表情筋を少しも動かさず、紡がれる言葉に淡々と返すような子……のはずだが、今の表情はそれとは遠く離れていて、その事実だけが頭に残り太宰の理性を砕いていく。
「あ、太宰。喉乾いたから水道借りていい?」
台所へと体を向けるなまえの腕を掴んだのは殆ど無意識だった。
普段は必ず、というよりも勝手に優秀な脳が行動よりも先に物事を考え、最適解に基づいてこうどうするというのに、なまえの前ではその脳が溶かされてしまったように全く動かない。
けれどそんな感覚に不思議と不快感はなく、むしろ心地良いとさえ思ってしまうあたり末期だ、と太宰は人知れず自分を嘲笑した。
けれどそんなことをしても今、動いているこの心臓の高鳴りを止められる筈もなくて、太宰は自然と開く口に言葉を乗せた。
「なまえ、私は、私は君のことが……!」
何故あの時自分は断らなかったのか、
今現在自分が置かれている状況に太宰は頭を抱える。
外は雨、外からの音は無く、ここから聞こえてくるのは浴槽から響くシャワーの音と微かな物音。
家の中には太宰となまえ以外は当然だが誰もおらず、誰にも邪魔されない空間。
そんな中、太宰は一人部屋でなまえがシャワーを浴び終えるのを待っていた。
自然と身体は浮つき、妙な気分になるが一応言っておこう。太宰がなまえをここに連れてきた時点では太宰に下心はなかった。
急な雨に降られ、風邪を引かせぬために選んだ場所が偶々近くにあったこの場所というだけで、特に思惑があった訳ではなかった。
しかし、いざ連れてきてみれば外は雨でここからは出られない、当然この家には自分達しか居ないのだから邪魔するものもいない。だからといって手を出し、嫌われては本末転倒。太宰は僅かに残っていた良心で我慢するつもりだった。
しかし、そんな中自分の片思いの相手は嘘だろと思わず呟きたくなるほど無防備だった。
全身びしょ濡れなせいでハッキリと見えるボディラインと下着、濡れた髪は色目かしく情事中のそれを思わせる。
ごくり、と息を呑む。
誰にも邪魔されない、そんな状況が太宰の理性を崩壊させかけたのだろう。
太宰がなまえに手を伸ばしかけたその時になまえがいつもの調子で声を掛けたから正気に戻ったものの、それでもなまえの姿は手を出せない以上目に毒であった。
だからさっさと着替えるよう忠告したというのにシャワーを借りていいか?
この子に警戒心というものは無いのかと太宰が初めて心底誰かを心配した瞬間だった。
ガチャり、と太宰が考えに耽って入れば扉が開いた音がする。
いつの間にかシャワーの音は止まっていた。
「あ、太宰。シャワーと着替えありがとう。助かったよ。」
しかし、太宰は顔をあげたことを後悔した。
自分の服を着ているなまえだが、何分背丈に大きな差があるため袖を余らせている。
そう、今のなまえ所謂萌え袖なるものをしていた。
しかも、それに加えお風呂上がりであり彼シャツである。
太宰は反射的に顔が取れる勢いで顔を逸らし、ニヤけそうになる口を押さえ、本能と戦った。
ここで手を出してはだめだ、
まずこの子自身が私のことをどう思っているのかはっきり言ってまるで読めない。
いつも上げたと思えば下げてそしてまた上げるような子だ。本心が掴めない。
そんな子に今、うっかりポロリと本音でも漏らしてみろ、友達としてしか見れない。と淡々と言われる未来が見える。
その証拠に風呂上がり、男女二人きりというこのシチュエーションになまえはこれっぽっちも緊張もしてなければ警戒もしていない。つまり自分は男として見られていない。
自分を説得するため考え付いた自分への言い聞かせに太宰は若干へこむ。
「……太宰の服、なんか着てると安心するね。」
やっぱり自分よりもでかいからかなぁ。なんか護ってもらえてる気がするんだよねぇ。なんて緩く笑いながらもその表情は安心しきっていて、太宰の動きはピタリと止まる。
なまえは、本来どうでもいい相手には無表情だ。表情筋を少しも動かさず、紡がれる言葉に淡々と返すような子……のはずだが、今の表情はそれとは遠く離れていて、その事実だけが頭に残り太宰の理性を砕いていく。
「あ、太宰。喉乾いたから水道借りていい?」
台所へと体を向けるなまえの腕を掴んだのは殆ど無意識だった。
普段は必ず、というよりも勝手に優秀な脳が行動よりも先に物事を考え、最適解に基づいてこうどうするというのに、なまえの前ではその脳が溶かされてしまったように全く動かない。
けれどそんな感覚に不思議と不快感はなく、むしろ心地良いとさえ思ってしまうあたり末期だ、と太宰は人知れず自分を嘲笑した。
けれどそんなことをしても今、動いているこの心臓の高鳴りを止められる筈もなくて、太宰は自然と開く口に言葉を乗せた。
「なまえ、私は、私は君のことが……!」