ポートマフィア編
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あれから太宰はしばらく固まっていたが、「……太宰?」と呼びかければ頭を抱え「……そうだよ、君なんかただの暇つぶしだし……!」と言って再起動し始めた。
語尾にこのポンコツっ……!とつきそうなのは気のせいとしておこう。
そうして私は太宰再起動により無事マフィアから(めちゃくちゃ高そうな黒い車で)家へと帰った。
家に帰ったのがいつもより少し遅くなってしまって両親に心配されたけど、太宰の胡散臭い人を騙すための笑顔で手八丁口八丁で説明すれば親も納得していた。
いったい何を話したのだろうか。途中から聞いていなかったが母達は太宰を物凄く気に入っていた。……恐ろしい、これがマフィアの力か。
なんてどうでもいいことを考えながら私はいつもより少し遅めの夕飯を食べた。
夕飯を食べ、お風呂に入り、部屋で髪を乾かしながらゆっくりする。
なんだか今日は週の初めだというのに人生で一番濃い一日となった気がする。
ふと、太宰と妙な雰囲気になった時のことを思い出す。
初めて、男の人に身体を触られたような気がする。
太宰に触れられた場所をなぞるように自分の手で触れる。
あの時は太宰に触られるだけで身体は大袈裟なくらいビクリと跳ねそうになって、触れられた箇所はその跡を辿るように熱をもっていた。
太宰の言葉の一つ一つに心と同時に身体まで溶かされそうになって、耳にかかる太宰の熱い吐息に変な気持ちになった。
あれは、いったいなんだったのだろう。
いつか私も世の中の女性と同じように太宰に陥没してしまうのだろうか。
……その未来はまだ想像できないけど、私に触れたあの手が他のものに触れるのは、なんとなく嫌だなぁ。
なんて、子供じみたことを思うのは我儘だろうか。
この気持ちはまだなんだかわからない。
……けど、ドクドクと鼓動する心臓は、昨日と違って熱をもって動いている気がする。
この感覚は、悪いものではないと、思う。
***
なんて、思っていたこともあった。
学校からの帰り道でのこと。
私の目の前には母達にしたのと同じように胡散臭い人を騙すための笑顔を浮かべながら知らない女性をエスコートする太宰がいた。
転ばないように女性の手を握り、手を引く太宰の手をじっと見てしまう。
きっと、先日言っていた仕事関係の女性だろう。そう分かっているのに、見ない方がいいだろうに、何故か目は離せない。
先日のドクドクと鼓動する心臓は心地よく思えた。
けど、今は小さなわだかまりができたかのように変な気持ちがする。
一緒に帰っていた友達になまえ?帰らないの?と声を掛けられて、やっとそこから目をそらす。
うん、今行く。となんでもないような声を出して太宰と反対方向に身体を向けるが、最後に一度チラリと見てしまった。
見ない方が良かっただろうか、太宰が胡散臭い笑顔ではなく目を見開いてこちらを見ている。
仕事の邪魔をしてしまっただろうか。
いつもなら仕事の邪魔しないように去りつつバレないように手を振るなり軽く会釈するなりしただろうが、女性の手を握る太宰を見てからはなんとなくそんな気分になれなくて、そのまま背を向けて歩き出す。
少し、態度が悪かっただろうか。
でも仕事の邪魔をするよりはマシだろう。いやでも、こちらの気分的問題で罪悪感があるから今度菓子折りでも持っていくか。
い、でもマフィア幹部に贈るのが普通のお菓子で大丈夫かな……?バイト代全部飛ぶ覚悟しとくか、なんて考えていればガッと腕を掴まれた。
「え、何事?」
驚いて掴まれた腕を見るとそこには走ってきたのか、息を切らした太宰がそこにいた。
語尾にこのポンコツっ……!とつきそうなのは気のせいとしておこう。
そうして私は太宰再起動により無事マフィアから(めちゃくちゃ高そうな黒い車で)家へと帰った。
家に帰ったのがいつもより少し遅くなってしまって両親に心配されたけど、太宰の胡散臭い人を騙すための笑顔で手八丁口八丁で説明すれば親も納得していた。
いったい何を話したのだろうか。途中から聞いていなかったが母達は太宰を物凄く気に入っていた。……恐ろしい、これがマフィアの力か。
なんてどうでもいいことを考えながら私はいつもより少し遅めの夕飯を食べた。
夕飯を食べ、お風呂に入り、部屋で髪を乾かしながらゆっくりする。
なんだか今日は週の初めだというのに人生で一番濃い一日となった気がする。
ふと、太宰と妙な雰囲気になった時のことを思い出す。
初めて、男の人に身体を触られたような気がする。
太宰に触れられた場所をなぞるように自分の手で触れる。
あの時は太宰に触られるだけで身体は大袈裟なくらいビクリと跳ねそうになって、触れられた箇所はその跡を辿るように熱をもっていた。
太宰の言葉の一つ一つに心と同時に身体まで溶かされそうになって、耳にかかる太宰の熱い吐息に変な気持ちになった。
あれは、いったいなんだったのだろう。
いつか私も世の中の女性と同じように太宰に陥没してしまうのだろうか。
……その未来はまだ想像できないけど、私に触れたあの手が他のものに触れるのは、なんとなく嫌だなぁ。
なんて、子供じみたことを思うのは我儘だろうか。
この気持ちはまだなんだかわからない。
……けど、ドクドクと鼓動する心臓は、昨日と違って熱をもって動いている気がする。
この感覚は、悪いものではないと、思う。
***
なんて、思っていたこともあった。
学校からの帰り道でのこと。
私の目の前には母達にしたのと同じように胡散臭い人を騙すための笑顔を浮かべながら知らない女性をエスコートする太宰がいた。
転ばないように女性の手を握り、手を引く太宰の手をじっと見てしまう。
きっと、先日言っていた仕事関係の女性だろう。そう分かっているのに、見ない方がいいだろうに、何故か目は離せない。
先日のドクドクと鼓動する心臓は心地よく思えた。
けど、今は小さなわだかまりができたかのように変な気持ちがする。
一緒に帰っていた友達になまえ?帰らないの?と声を掛けられて、やっとそこから目をそらす。
うん、今行く。となんでもないような声を出して太宰と反対方向に身体を向けるが、最後に一度チラリと見てしまった。
見ない方が良かっただろうか、太宰が胡散臭い笑顔ではなく目を見開いてこちらを見ている。
仕事の邪魔をしてしまっただろうか。
いつもなら仕事の邪魔しないように去りつつバレないように手を振るなり軽く会釈するなりしただろうが、女性の手を握る太宰を見てからはなんとなくそんな気分になれなくて、そのまま背を向けて歩き出す。
少し、態度が悪かっただろうか。
でも仕事の邪魔をするよりはマシだろう。いやでも、こちらの気分的問題で罪悪感があるから今度菓子折りでも持っていくか。
い、でもマフィア幹部に贈るのが普通のお菓子で大丈夫かな……?バイト代全部飛ぶ覚悟しとくか、なんて考えていればガッと腕を掴まれた。
「え、何事?」
驚いて掴まれた腕を見るとそこには走ってきたのか、息を切らした太宰がそこにいた。