ポートマフィア編
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次に目が覚めると清潔感のある白い天井が見えた。
薬品の匂い、外の世界と遮断するように閉じられたカーテン。
その光景に最後に見えたあれは夢で、今私がいるのは保健室なのかな……なんて考えたが、その考えを遮断するようにカーテンが開けられた。
「おや、起きたかい?」
「……あ、はい。おはようございます。」
そこにいたのはなんだか笑っているのに怖いと感じられる白衣の男で、少しだけ警戒した。
「もう察してるかもしれないがここはポートマフィアの医務室だよ。気絶する前のことは覚えているかい?」
あぁ、それはもうバッチリと。という意を込めて頷く。というかサラッとポートマフィアと言ったなぁ。驚きはしないけど。あれが夢じゃないならなんとなく察してたもの。首に包帯巻いてあるし。
「君は太宰君に大事にされているのだねぇ。あんなにも慌てた太宰君は初めて見たよ。」
「はぁ……」
気のない返事をすれば白衣の男はホケホケ笑いながら私に背を向け机に向かう。
私も上半身だけ起こして白衣の男を見れば、白衣の男は変わらぬ笑顔で言った。
「ところで君は、ポートマフィアとしての太宰君を知っているかい?」
本当にいきなりな質問に少しだけ固まった。
私はただの一般人なんだから見たことあるはずがない。まぁ少しだけなら気絶する前に見たけど。
けれどマフィアとしての太宰を全て知っているけではないので素直に首を振ると「素直でよろしい」と先生みたいな言葉が返ってきた。
「太宰君は顔色一つ変えずに人を殺せる人間だ。どんな困難な状況でも、どんな凄惨な現場でも表情一つ変えずに観察し、的確な指示を出す。」
なんとなく、太宰が人を簡単に殺せるのは想像がついた。
だって、気絶する前、最後に私が見たのは冷たいというには無機質で、底なんて感じさせない光なんて一片も入っていない黒だったからだ。
太宰はポートマフィアでとっても優秀らしい。けれど、その実感が沸かないのはきっと私の知ってる太宰とマフィアとしての太宰が掛け離れているからだろう。
「そんな顔色一つ変えない子供らしくない太宰君が“慌てて”君を運んできた。……この意味が、分かるかい?」
なんとなく、嫌な予感がした。
此方に背を向けている白衣の男の表情は分からないが、手元で何かが鈍く光った気がした。
「もし、君がポートマフィアの敵組織に加入したら?もし、君がポートマフィアの敵組織に情報を漏らしたら?恐らくそうなれば太宰君は合理的な判断はできないだろうねぇ。いつだって若者の愛というのは合理的な思考をも覆す。」
白衣の男は変わらぬ笑顔で一歩、また一歩と近付いてくる。
……その手には、メスが握られていた。
「“常に先手が勝つ”……ポートマフィアの危険因子と成りうる君はここで殺した方がいいのかもしれないねぇ。」
この人は、本気だ。
白衣の男の手に握られていたメスは私の喉に突き付けられる。きっと、少しでも動けば血が出るだろう。
「太宰君は優秀な若者であり私の部下だ。今ここで彼を失う訳にはいかない。」
ぐっとメスに力が入れられる。
何か、喋らなくては……死んでしまう。
「私を、殺すんですか?」
せめてもの反抗に白衣の男を睨みつければ意外そうに白衣の男は目を丸めた。
「おや、君はただの学生と聞いていたからこのまま殺させてくれると思ったのだがねぇ。」
今現在喉に刃物を突き付けられて泣きそうだけどね。
「分かりました。貴方は私がポートマフィアの敵組織に加入して情報を漏らすのでは、と心配なんですよね?それなら私、ポートマフィアに加入して忠誠を誓います。」
「それなら殺されませんよね?」とこれしか生き残る方法が無かったので提案すれば、白衣の男は笑いだした。
「なるほど。太宰君が気に入る訳だ。」
え、私気に入られてたの?いつの間に……なんて考えたがいつ気に入られたのかは分からなかった。
スっと喉からメスがおろされてホッと息をつく。漸く生きた心地がする。本当に死ぬかと思った。
白衣の男は私は利用価値があるためまだ殺さないことや怪我の容態を話してくれた。もちろん、ポートマフィアにも入らなくていいらしい。
「それとね、君に一つ忠告しておこう。」
最初に見た時と変わらぬ笑顔で白衣の男はわらいながら言った。
「彼は君のストーカーだよ。」
と。
薬品の匂い、外の世界と遮断するように閉じられたカーテン。
その光景に最後に見えたあれは夢で、今私がいるのは保健室なのかな……なんて考えたが、その考えを遮断するようにカーテンが開けられた。
「おや、起きたかい?」
「……あ、はい。おはようございます。」
そこにいたのはなんだか笑っているのに怖いと感じられる白衣の男で、少しだけ警戒した。
「もう察してるかもしれないがここはポートマフィアの医務室だよ。気絶する前のことは覚えているかい?」
あぁ、それはもうバッチリと。という意を込めて頷く。というかサラッとポートマフィアと言ったなぁ。驚きはしないけど。あれが夢じゃないならなんとなく察してたもの。首に包帯巻いてあるし。
「君は太宰君に大事にされているのだねぇ。あんなにも慌てた太宰君は初めて見たよ。」
「はぁ……」
気のない返事をすれば白衣の男はホケホケ笑いながら私に背を向け机に向かう。
私も上半身だけ起こして白衣の男を見れば、白衣の男は変わらぬ笑顔で言った。
「ところで君は、ポートマフィアとしての太宰君を知っているかい?」
本当にいきなりな質問に少しだけ固まった。
私はただの一般人なんだから見たことあるはずがない。まぁ少しだけなら気絶する前に見たけど。
けれどマフィアとしての太宰を全て知っているけではないので素直に首を振ると「素直でよろしい」と先生みたいな言葉が返ってきた。
「太宰君は顔色一つ変えずに人を殺せる人間だ。どんな困難な状況でも、どんな凄惨な現場でも表情一つ変えずに観察し、的確な指示を出す。」
なんとなく、太宰が人を簡単に殺せるのは想像がついた。
だって、気絶する前、最後に私が見たのは冷たいというには無機質で、底なんて感じさせない光なんて一片も入っていない黒だったからだ。
太宰はポートマフィアでとっても優秀らしい。けれど、その実感が沸かないのはきっと私の知ってる太宰とマフィアとしての太宰が掛け離れているからだろう。
「そんな顔色一つ変えない子供らしくない太宰君が“慌てて”君を運んできた。……この意味が、分かるかい?」
なんとなく、嫌な予感がした。
此方に背を向けている白衣の男の表情は分からないが、手元で何かが鈍く光った気がした。
「もし、君がポートマフィアの敵組織に加入したら?もし、君がポートマフィアの敵組織に情報を漏らしたら?恐らくそうなれば太宰君は合理的な判断はできないだろうねぇ。いつだって若者の愛というのは合理的な思考をも覆す。」
白衣の男は変わらぬ笑顔で一歩、また一歩と近付いてくる。
……その手には、メスが握られていた。
「“常に先手が勝つ”……ポートマフィアの危険因子と成りうる君はここで殺した方がいいのかもしれないねぇ。」
この人は、本気だ。
白衣の男の手に握られていたメスは私の喉に突き付けられる。きっと、少しでも動けば血が出るだろう。
「太宰君は優秀な若者であり私の部下だ。今ここで彼を失う訳にはいかない。」
ぐっとメスに力が入れられる。
何か、喋らなくては……死んでしまう。
「私を、殺すんですか?」
せめてもの反抗に白衣の男を睨みつければ意外そうに白衣の男は目を丸めた。
「おや、君はただの学生と聞いていたからこのまま殺させてくれると思ったのだがねぇ。」
今現在喉に刃物を突き付けられて泣きそうだけどね。
「分かりました。貴方は私がポートマフィアの敵組織に加入して情報を漏らすのでは、と心配なんですよね?それなら私、ポートマフィアに加入して忠誠を誓います。」
「それなら殺されませんよね?」とこれしか生き残る方法が無かったので提案すれば、白衣の男は笑いだした。
「なるほど。太宰君が気に入る訳だ。」
え、私気に入られてたの?いつの間に……なんて考えたがいつ気に入られたのかは分からなかった。
スっと喉からメスがおろされてホッと息をつく。漸く生きた心地がする。本当に死ぬかと思った。
白衣の男は私は利用価値があるためまだ殺さないことや怪我の容態を話してくれた。もちろん、ポートマフィアにも入らなくていいらしい。
「それとね、君に一つ忠告しておこう。」
最初に見た時と変わらぬ笑顔で白衣の男はわらいながら言った。
「彼は君のストーカーだよ。」
と。