ポートマフィア編
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「お、お、織田作ぅぅぅ、私、渡せたよね!?夢じゃないよね!?」
「あぁ、頬を抓って痛かったら夢じゃないな。」
興奮した様子で話しかけてくる太宰に夢か現実か見分ける方法をいえば、その通り頬を抓り確認し、「……いたい、夢じゃない、!」という。
俺の名は織田作之助。
ポートマフィアのしがない最下級構成員だ。
そんな俺が何故ポートマフィアの幹部候補と言われる太宰とこんな真昼間に表を歩いているかというと、先日のバーでの話だった。
・
その日、俺はいつものように何かに誘われるように何となくいつものバーへと足を向けた。バーに着けば、入り口で安吾と会い、中に入れば中には既に太宰が座って酒を飲んでいた。
ここまではいつも通りだった。
だがいつもと違うのは、太宰の酒を飲む顔がいつもの数十倍は険しいという事だった。
「……どうした、太宰。そんな険しい顔して。」
「……あぁ、君達か。」
「何か悩み事ですか?」
「カレーに福神漬けをつけるかどうか悩んでいるのか?」
「それだけでこんなに険しい顔するわけないでしょう。どれだけ浅い悩みですか。」
俺的には結構本気で言ったのだが、安吾には呆れたように突っ込まれてしまった。
「……実はだね、大変な事態が起きたのだよ。」
神妙な顔をしていう太宰。今までここまで真剣に悩んでいる姿を見たことがなかった俺達は少し身構えてしまう。
「……女性にどう接すればいいか、分からない。」
「……は?」
その言葉を吐き出したのは安吾だった。
「貴方、世の女性という女性を虜にしてますよね?」
「実は先日……」
「話を聞いてください。」
安吾の疑問は解決されることなく、太宰は語り始める。
最近首領から大量に仕事を押し付けられ、心が荒んでいたこと、そろそろ暗殺してやろうかと思っていたこと、三徹してやっと仕上げた作戦をポンコツな部下によって色々と崩されたこと、やっと全て終わって帰りの車を待っている間に喫茶店で休んでいたら心を奪われたこと。
「なるほど、つまり弱っていたところに優しくされて落ちたというわけですね。」
「べ、べべべ、別に好きとかそういうのじゃなくて、た、ただ私はあのチョコレートに癒されたというお礼を言うだけであって、他に意味なんてなにも、!?」
太宰は否定はしているが、顔は福神漬けのように赤くなり、今まで見たことないほど焦っていた。
その顔にあるのはいつもの熟れた微笑みでも、自殺を語るときのような楽しげな少年の顔でもなく、ただの恋した素直になれない青年のように見えた。
「太宰は本当にその人が好きなんだな。」
ウッ、と唸りながら力が抜けたのか、上半身を机に全て預ける。
「……確かに私を見て何もその先の展開を期待しないのも、黄色い悲鳴を挙げないのも、顔を赤く染めないのも珍しいとは思ったけど、それだけだし……」
「そうか。だが後悔のないようにしとけよ。ああ見えてなまえは結構モテる。」
「そうなのだよ、気になって彼女のことを調べたら周りに好意のある男が何人、か……」
何故かそこまでいうと太宰は言葉を止め、俺を凝視する。
「え、なんで織田作なまえのこと知ってるの?」
「?よく行く店の一つだからだ。あそこのカレーは美味い。」
それになまえは聞き上手だし、よく客の相談を聞いていて、人気があるからな。話を聞いてればすぐ分かった。
そういえば太宰は頭を抱え嘆いた。
「……やっぱり人気があるのか、もう面倒だし周りの男全員消してこちら側に誘拐すれば、」
「ダメに決まってるでしょ?!」
太宰の表社会なら少し危険とも言える思想を慌てて安吾が止める。
「えー、だってそっちの方がはやいし。」
「絶対に駄目です。織田作さんも何か言ってやってください!」
安吾に話を振られ、少し考えたが出てきた言葉は一つだけだった。
「なまえは菓子類が意外と好きだぞ。」
この一言で太宰の付き添いとして高級菓子を渡しに行くことになった。
「あぁ、頬を抓って痛かったら夢じゃないな。」
興奮した様子で話しかけてくる太宰に夢か現実か見分ける方法をいえば、その通り頬を抓り確認し、「……いたい、夢じゃない、!」という。
俺の名は織田作之助。
ポートマフィアのしがない最下級構成員だ。
そんな俺が何故ポートマフィアの幹部候補と言われる太宰とこんな真昼間に表を歩いているかというと、先日のバーでの話だった。
・
その日、俺はいつものように何かに誘われるように何となくいつものバーへと足を向けた。バーに着けば、入り口で安吾と会い、中に入れば中には既に太宰が座って酒を飲んでいた。
ここまではいつも通りだった。
だがいつもと違うのは、太宰の酒を飲む顔がいつもの数十倍は険しいという事だった。
「……どうした、太宰。そんな険しい顔して。」
「……あぁ、君達か。」
「何か悩み事ですか?」
「カレーに福神漬けをつけるかどうか悩んでいるのか?」
「それだけでこんなに険しい顔するわけないでしょう。どれだけ浅い悩みですか。」
俺的には結構本気で言ったのだが、安吾には呆れたように突っ込まれてしまった。
「……実はだね、大変な事態が起きたのだよ。」
神妙な顔をしていう太宰。今までここまで真剣に悩んでいる姿を見たことがなかった俺達は少し身構えてしまう。
「……女性にどう接すればいいか、分からない。」
「……は?」
その言葉を吐き出したのは安吾だった。
「貴方、世の女性という女性を虜にしてますよね?」
「実は先日……」
「話を聞いてください。」
安吾の疑問は解決されることなく、太宰は語り始める。
最近首領から大量に仕事を押し付けられ、心が荒んでいたこと、そろそろ暗殺してやろうかと思っていたこと、三徹してやっと仕上げた作戦をポンコツな部下によって色々と崩されたこと、やっと全て終わって帰りの車を待っている間に喫茶店で休んでいたら心を奪われたこと。
「なるほど、つまり弱っていたところに優しくされて落ちたというわけですね。」
「べ、べべべ、別に好きとかそういうのじゃなくて、た、ただ私はあのチョコレートに癒されたというお礼を言うだけであって、他に意味なんてなにも、!?」
太宰は否定はしているが、顔は福神漬けのように赤くなり、今まで見たことないほど焦っていた。
その顔にあるのはいつもの熟れた微笑みでも、自殺を語るときのような楽しげな少年の顔でもなく、ただの恋した素直になれない青年のように見えた。
「太宰は本当にその人が好きなんだな。」
ウッ、と唸りながら力が抜けたのか、上半身を机に全て預ける。
「……確かに私を見て何もその先の展開を期待しないのも、黄色い悲鳴を挙げないのも、顔を赤く染めないのも珍しいとは思ったけど、それだけだし……」
「そうか。だが後悔のないようにしとけよ。ああ見えてなまえは結構モテる。」
「そうなのだよ、気になって彼女のことを調べたら周りに好意のある男が何人、か……」
何故かそこまでいうと太宰は言葉を止め、俺を凝視する。
「え、なんで織田作なまえのこと知ってるの?」
「?よく行く店の一つだからだ。あそこのカレーは美味い。」
それになまえは聞き上手だし、よく客の相談を聞いていて、人気があるからな。話を聞いてればすぐ分かった。
そういえば太宰は頭を抱え嘆いた。
「……やっぱり人気があるのか、もう面倒だし周りの男全員消してこちら側に誘拐すれば、」
「ダメに決まってるでしょ?!」
太宰の表社会なら少し危険とも言える思想を慌てて安吾が止める。
「えー、だってそっちの方がはやいし。」
「絶対に駄目です。織田作さんも何か言ってやってください!」
安吾に話を振られ、少し考えたが出てきた言葉は一つだけだった。
「なまえは菓子類が意外と好きだぞ。」
この一言で太宰の付き添いとして高級菓子を渡しに行くことになった。