朝焼けの白月
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『ねぇねぇひざし
消太のクラスに行って自己紹介したら
生徒達にね「不動のNO.1だー!」って驚かれたの
2人が私の話したんでしょ?
私、No.1だったの?』
相澤
「知らなかったのか?まぁ……
お前は周りにあんま興味がなかったからな」
山田
「入学してすぐのヒーロー基礎学
未だに忘れられねぇよ!
あん時からずっとお前は俺らの学年No.1だったぜ?」
無事初日の業務を終了し
職員寮の共有スペースのリビングにて
同級生3人はソファに座り
10数年ぶりのたわいない会話を楽しんでいた
『消太が生徒たちにそんな話したの?』
相澤
「言い出しっぺはマイクだがな
生徒たちの必殺技の相談に乗ってたら
そんな話になったらしい」
山田
「正確には必殺技を持ってねぇ
絶滅危惧ヒーローの話だな!」
『必殺技なんてなくても
消太だって、強かったもんね』
相澤
「…バカ言うな
お前の個性にとって〝抹消〟との
相性が悪かった
それだけだ」
『ふふ、私に勝った時の消太の顔ったら
……ぷくく』
相澤
「勝ったとは言わんだろあれは」
山田
「完全無敗だった紡希に初黒星が付いて
しばらく話題だったな」
相澤
「ただの不戦敗だろ」
『何言ってるの負けは負けだし
不戦勝だって立派な勝利だよ
無血勝利、私の個性にはできないすごいことだよ
そういえば、パワーローダーの所で
消太の生徒に会ったよ。
出久くんとお茶子ちゃん、天哉くん』
相澤
「お前、生徒を下の名前で…」
山田
「つか、家の子供感覚で接してないだろうな」
『頬ずりしたくなるくらい可愛いかったよ』
相澤
「あ?」
山田
「してねぇだろうな」
のほほんと話す紡希を
じろりと睨む2人の血管が少し浮んでいる
そんな2人の表情を見
しまったと紡希は視線を横にそらす
『……そんなに怒ることじゃないでしょ〜』
「どっちの頬だこのヤロー」
話をはぐらかそうとした紡希の
頬をマイクがつねりあげる
『いひゃい〜りょーほー』
山田
「両方!?」
『だってお茶子ちゃん可愛いから』
相澤
「…麗日だけか?」
『うん』
相澤
「女子生徒相手でもやめてやれ
相変わらず距離感バグってるな」
『そういえば私の話はしたのに
私の“個性”については何も話してないんだね』
山田
「………話そらすの下手くそか」
相澤
「今回は乗ってやるけど次はないぞ」
『ははは〜』
相澤
「ま、なんだ
お前が必死に隠してた秘密を
べらべら喋ったりはしねぇよ」
『……私が、生きてるかも分からなかったのに?』
相澤
「当たり前だろ
紡希の身の安全に関わる秘密なんだからな」
山田
「九皐は見つかりそうか?
早めに見つけてやんねぇとな
〝お互い〟の個性隠すためにもよ」
『雄英高校のどこかに隠れてるのは
わかるんだけどね
どこに隠れてるのやら』
山田
「つかなんで九皐は家出なんかしてんだ」
『うーん、私がうじうじしてたからかな
あの子も消太とひざしに会いたがってたしね』
相澤
「なんだ、じゃあ、俺らはもう九皐にあってんのか?」
山田
「俺ァ見てねーぜ?」
『どうだろうね?
まぁあの世渡り上手の甘え上手なら
ご飯には困ってないと思うけど』
山田
「そういや、愛嬌の塊みたいなやつだったもんな
それに比べて、出会った頃のお前は……
全く笑わねぇ
まさに鉄面皮だったな」
相澤
「っふ……
紡希本人と
思い出話する日が来るとはな……」
『それ、私も思った』
くつろぎながら
学生時代の思い出話に花を咲かしていると
マイクが誰かの帰宅に気がつく
「Heyセメントス!今終わりか?」
「はい、ただいま戻りました
初めまして卯月紡希先生
セメントスと申します」
寮へ帰ってきたのはセメントスだった
紡希の新規雇用は
根津校長から昨日のうちに
全教員に告げられていた
しかし2度もヴィランからの襲撃を受けた
このタイミングで、臨時とはいえ
新しく教師を迎えることに皆驚きを隠せなかった
そしてさらにその新人教師が
イレイザーとマイクの同期であり
雄英への着任が決まった同日の夜に
教員寮への入寮を済ませるという
異常なまでのフットワークの軽さも
周りの教師陣を驚かせた
朝の朝礼時に顔合わせと
挨拶する手筈になっていた
が
セメントス
「今朝はミッドナイトが
あの調子だったのでご挨拶が出来ず」
セメントスのいうあの調子、
というのは
職員室に紡希が現れるなり
ミッドナイトが他の教師陣を蹴散らすかのごとく
紡希へ駆け寄り
「ばか!!どれだけ心配したと思ってんの!」
『えへへ、ただいまっ
香山先輩』
そこからのミッドナイトは凄かった
ひざしに負けず劣らずの大号泣で
落ち着かせるのに苦労した
そのためほとんど他の教師陣との
挨拶は先送りにしてしまっていた
『今朝は色々お騒がせしてしまい……
改めまして卯月紡希です』
紡希とセメントスが挨拶していると
13号、エクトプラズム、ハウンドドッグ
他の教師陣も帰宅しリビングへ集まりだした
各々に自己紹介を済ませていると
「紡希〜!あんたいける口?
色々持ってきたわよ!」
右手に大きなビニール袋と
左手に酒瓶を持った
ミッドナイトが現れた
「紡希の生還祝い兼雄英教師就任祝いよ!」
そう言ってビニール袋の中から
色んな種類のお酒とおつまみを取り出し
どんどん机に広げていく
リビングに集まっているメンバーで
紡希の歓迎会が始まった
「みんな!酒盛りよ〜!」