朝焼けの白月
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「紡希先生は相澤先生と
同期とお伺いしましたが」
『そうだよ同じ学年で、同じクラスだった……
なんだか不思議な感じ
10年も前のことを
消太の教え子たちに話す日が来るなんて』
「僕たちもあの相澤先生の学生時代って
なんだか想像できないです」
『そうかな?ひざ…
マイクも同じクラスだったし
香山先輩、ミッドナイトもひとつ上の先輩でね
あの人も全然変わらないね
コスチュームの布面積が
増えたくらいじゃない?』
麗日
「えっあれで?!」
緑谷
「18禁ヒーローの名は伊達じゃない…」
ものすごい勢いで知り得た情報を
ノールックでノートに書き込んでいく緑谷
飯田
「では、紡希先生はなぜ
教職につこうとお考えになったのですか?」
『え?うーん私も根津先生に急に誘われてね
まぁ決め手はお給料が良かったからかな?」
麗日
「お金……ですか?」
『うん、おカネ
よくある話だけど、
私は孤児でね
養父に拾われてようやく人間らしく
生きれるようになったの
その養父が未だに子供をホイホイ
拾ってきちゃうもんだから
拾われっ子第1号の私は独身なのに
子育てが大変よ』
クスクスと笑いながら
幸せそうに話す紡希先生の笑顔に
養父や子供たちへの愛が伝わってくる
飯田
「よくある話ではないと思いますが……
幼いご家族のため、育ててもらった恩人のために…!
とても素晴らしいと思います」
麗日
「それなら尚更、テレビや雑誌に出れば
紡希先生ならすぐ人気になりそうなんに〜」
緑谷
「ぅ〜ん……
(さっき感じた違和感……テレビ?
やっぱり紡希先生のこと
どこかで見たことあるような……)」
なにか思い出せそうで思い出せない
つっかかりがなんなのか
目の前に座る紡希の顔を観察するように
じっと見つめる緑谷の視線に気が付き
紡希はずいっと緑谷の方へ顔を近づける
『どうしたの?私の顔になにかついてる?』
緑谷
「あ、いや、えっと!」
麗日
「デクくん……」
緑谷
「あ、いや違うんだ麗日さん!
やっぱり僕、紡希先生のことどこかで見た事ある気がしてて……!でも、紡希先生みたいに綺麗な人、しかもプロヒーローを、1度でも見たら覚えてるはずなのに何で見たのかすら思い出せなくて……他人の空似かもって思ったけど髪色や目の色とかはミルコも一緒だけどむしろそれ以外は正反対だしやっぱり覚え違いとは思えなくて他にもーーー」
『あはは、ヒーローオタクなんだね出久君』
緑谷
「いずっっ!?」
下の名で呼ばれたことに驚き
赤面しながら硬直する緑谷
そんな反応をする緑谷に
また麗日もむぅっと緑谷を横目で見る
飯田
「しかしヒーローとは人々に認知され
活動に対して評価を頂き
貢献度に応じた収入が得られるはず
金銭を稼ぎたいのであればメディアへの
アピールも適度に必要だったのでは?」
『確かに、合理的に稼ぐなら
ある程度のメディアへの露出は覚悟した方がいいんだよね
だけど私はそれが出来なかったんだ
出久君も天哉君も、よく勉強してるね』
そう言って紡希は椅子から立ち上がり
飯田と緑谷の頭をよしよしと褒めなでる
緑谷
「あばばばば」
飯田
「せ、先生、俺達ももう立派な高校生でして」
『分かってるよ
でも私からしたらみんな
まだまだ小さな可愛い子供たちだ
家にいる子達とそう変わらない、ね
それに大きくなればなるほど
こうやって大人に褒められることも少なくなる
むず痒くても嬉しいものじゃない?
こういうのって』
そう言って紡希先生は2人の頭から手を離し
『それとは別に、お茶子ちゃんは可愛い!
ぎゅっとしてあげたい!』
「もうしてます……紡希先生……」
抱きしめられながらも
どこか悪い気はせず
麗日は抱きしめられるがまま
頬ずりされるがまま
ただじっと、
紡希のやりたいようにやらせていた