朝焼けの白月
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〝プレゼントマイクに相談したいことがあり
初めて投稿しました
とある事情で長年
疎遠になってしまったのだけれど
もう一度
会いたい人がいるんです
けれど自分勝手で今更すぎると
1歩を踏み出せずにいます
否定されるのが怖くて…
このまま、諦めるべきでしょうか〟
《カーっ!なかなかシリアスな
相談じゃねーかぁ
否定されるのがこわい?
俺から言わせりゃそいつぁ贅沢な悩みだな!
どこ行きゃ会えるかも分からねぇ
このまま二度と会えねぇかもしれねぇのに
どうすることも出来ない
惨めなヤロー共と比べりゃな!
ホントは分かってんだろ?
俺の言葉ひとつでその1歩を踏み出せるなら
俺から言えることはひとつだ!
〝ビビんな!〟
いくら自分で考えたって
相手の気持ちなんてわかんねーもんだろ
否定されるなんて決めつけんなよ!
会いたいって気持ち押さえ込んで
忘れようとするたび
孤独になるもんだ
後悔したまま会わないなんてナンセンス!
会わない理由をわざわざ
探ししてる暇があったら
今すぐ電話のいっぽんでもかけてみろ!
もし否定されたって
俺が付いてるぜ!
また話し聞かせてくれ
俺でよけりゃあ
いつでも慰めに行ってやるからよ!》
いつものテンションで
いつものように話したつもりだ
心臓のあたりが
握りつぶされたような苦しさがあった
自分にはひっくり返ったって
できないことが
勇気ひとつで
どうにかできるのが
会いに行けるなんて
羨ましいとさえ思う
俺の言葉通り
勇気振り絞って
そんでもダメだったなら
勇気を出したことを
褒めちぎってやりたい
その後もいくつかの
お便りを読み上げ
無事放送終了
雄英の教員寮へ帰宅した
クタクタのからだで
何とか就寝準備を終え
ベッドへ入り込む
が
なんとなく
そのまま目が覚めて
ベランダへ出てみる
白い鳥が
朝焼けの空を飛んでいる
目で追うとその先に浮かぶ白月
そのままベランダで
赤く燃え上がる空を眺めながら
先程の自分のラジオを
再度聴いてみる
〝俺の言葉ひとつで
その1歩を踏み出せるなら
俺から言えることはひとつだ
ビビんな!〟
「…今のここ、良かったかな
………………
勇気、出せたんかねぇ」
明日は…というか今日は土曜日
午後からはヒーロー科の
必殺技訓練に参加する予定だ
一通りラジオを聴き直し
再びベッドへ潜り込む
どこかへ迎えに行くことも出来ない
ただ待ち続けるしか
選択肢がない
ヒーローになっても
ラジオDJになっても
この声が届いているのか
確かめる術は無い
それがただ
虚しい