片翼の月 弍
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
13号先生のありがたいお話を聞きながら夜羽は
今日の授業への立ち回りを考える
以前、地震ヴィランと遭遇した時は
父が監視…いや見守るためにつけていた
カラスが大量にいたため
素早い情報収集、倒壊寸前のビルからの
人命救助が出来た
しかしカラス達は祖父の能力で
私達家族にも従ってくれているに過ぎない
つまり、私自信の個性ではないのだ
そしてこのUSJ建物内に当然ながらカラスはいない
今回は私の個性で出来る範囲での
救助訓練になる
『(私の個性でできること...)』
今日の授業のことで考え事をしていたら
13号先生のお小言で
勝己と焦凍が
昔起こした個性事故を思い出したのか
私を見、そして自分の手のひらを見ていた
左右で全く同じ行動をとる
幼なじみに思わず笑ってしまったが
辛気臭い顔をしている2人の後頭部を
翼で軽くはたいておく
今更2人が過去を気にする必要は無い
傷つけられた私の翼は
既に綺麗に治っているのだから
13号先生
「以上ご清聴ありがとうございました」
「ステキー!」
「ブラボー!!」
13号先生の言葉に感動し
生徒たちは大きな拍手を送る
そして相澤先生が早速訓練を
始めようとしたその時だった
ぞわりと悪寒が背中を撫でる
そしてすぐさま
中央の噴水前に現れた黒いモヤ
そこからぞろぞろと人が出てくる
異変に気付き相澤先生はすぐに
ゴーグルを装着し
「一塊になって動くな!あれは敵だ!」
「ヴィランン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」
「バカだがアホじゃねぇ
何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」
「13号生徒を連れて避難開始!
学校に連絡試せ!」
「先生は!?一人で戦うんですか!?
あの数じゃいくら個性を消 んむぐ!?」
『いっくん…いくら焦ってるからって
敵に手の内さらしちゃあだめでしょ』
焦りから声を大にして話す出久の口を
後ろから夜羽が塞ぐ
先生の身を案じる気持ちから焦って口から
つい出てしまったのだろう
出久の口を塞いだまま夜羽は
冷ややかにヴィランの集団を見つめた
勝己
「(また、あの目だ…)」
勝己の見つめる先に
先日と同じ目をした夜羽が映る
怒りとか憎しみとか
そんなわかりやすい
単純なものでは無い
以前ヴィランと遭遇した時と同じ眼は
まっすぐこの惨状を見つめていた
「一芸だけじゃヒーローは務まらん」
捕縛布を掴み敵勢に突っ込んでいく
相澤先生
多対1は夜羽も得意とするところ
それに夜羽の個性ならば相澤先生の
視界に入らず戦うことも出来る
見たところあの大量のヴィランの中でも
中央にいる3人以外は有象無象…
先生に加勢するべきか
それとも指示通り避難し
飛行できる私がすぐさま応援を呼びに行くか
刹那の間悩んだ
その結果
「散らして嬲り殺す」
ほんの一瞬
その一瞬の迷いで
黒いモヤに包まれ視界は黒に染る
言葉通りにヴィランにいいように
散り散りにされてしまった