片翼の月 弍
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「せんせー 俺が1位になる」
多くの想いが、思惑が入り乱れる体育祭は
勝己のこんな宣誓により幕を開けた
これでは宣誓と言うより先制だ
当然会場はブーイングの嵐
体育祭本番が始まる前に
クラスメイトの宣戦布告を
2度も目の当たりにし
心操、物間、鉄哲と
他クラスからも
大胆不敵な宣戦布告を頂いている
雄英生徒はみんな宣戦布告でも好きなのだろうか
そんなことを考えていると
そのうちの一人
A組へ乗り込み
宣戦布告をかました生徒が
夜羽の横に立っていた
物間
「彼、どうしても夜羽ちゃんを
B組にしたくなくて必死みたいだね」
『……ふふ』
物間
「……?
どうしたんだい」
『ううん、きっとかっちゃんは
私のことがなくても
同じことを言ったと思うよ』
物間
「……そっか
なんだか妬けちゃうな
君に、そんな顔をさせるなんて」
『そんな顔?』
夜羽の闘争心に火がついたのか
無意識に楽しそうな笑みを浮かべていたようだ
物間
「だけど僕だって、
簡単に君を諦めたりはしないよ」
そう言って物間は夜羽へ
器用にウィンクする
未だブーイング鳴り止まぬ中
気に止めた様子もなく
壇上からズカズカ降りてきた勝己は
夜羽の目の前で立ち止まる
「夜羽おめぇもだ
容赦はしねぇ
撃ち落としてやる」
『さぁ……?簡単には落ちないよ』
「ふんっ」
夜羽と、その隣に立つ物間へ
睨みをきかせながら勝己はまた
ズカズカと横を通り過ぎ歩いていく
物間
「おーこわいこわい
あんな野蛮なやつがいるA組なんかより
B組に来るほうがーー「さーてそれじゃあ!!」……」
ミッドナイト
「早速第1種目行きましょう!」
物間の言葉を遮ってミッドナイトによる
第1競技の説明が始まった
ミッドナイトが紹介した第1種目は
〝障害物競走〟
「スタジアムの外周約4キロ!
我が校は自由さが売り文句!
うふふふ…
コースさえ守れば何をしたって構わないわ!」
ミッドナイトのルール説明に
夜羽はニヤリと口角を上げる
『何をしたっていいってことは
その逆も然り…ね
いやぁ、この競技みんなに申し訳ないね』
周りにいるみんなに聞こえないように
夜羽はボソリとつぶやいた
ルール説明後
生徒たちはよりスタート地点に
近い所へ陣取りに行っているが
夜羽はあえて人目に付きにくい
後ろの方へ移動した
ざわめく群衆のはるか後方
ミッドナイトの
スタートの合図に合わせ
夜羽はその翼を羽ばたかせた