片翼の月 弍
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
守ってあげたい
そう、思うものに初めて出会った
眩しそうに空を見上げる瞳も
私の姿を見つけるたびに見せる大きな笑みも
地上から大きくふられるその手も
はるか上空にいる私の耳にまで届く
「夜羽姉ちゃん!
いってらっしゃい!」
小さな身体から発せられる、その声も
守りたいと思ったその笑顔は
私の力不足のせいで
私の自己犠牲のせいで
曇らせてしまった
守りきれなかったあの子と
違えた約束
その時私は知った
私は八咫烏警察の皆に守られ
綺麗な鳥かごで
汚れのない世界だけを見ていたのだと
┈┈┈┈┈┈┈໒꒱⋆*
身体や翼の綺麗にふさがった
傷口を確認して
久々に空を飛んだ
ジリジリと照りつける太陽が
頬をたたく風が
随分と懐かしく感じる
〈カァーカァー〉
夜羽の姿を見つけて
並走する数多のカラス達
その中でも一際大きく
三つ足のカラスが
夜羽の隣へ羽ばたき来て
口を開いた
《夜羽よ
お主が成したい事のために
今回の体育祭、利用せん手はない
日本中にとどろかせるのじゃ
八咫烏の慟哭を
お主が
雄英へ舞い降りたと
記録など気にせずよい
人々の記憶に残せ
八咫烏の
有り様を》
完全獣化した祖父は
それだけを言い残し
そのままカラスたちを率いて
山の方へと帰って行った
体育祭まで残りたった数日
怪我の治療に専念していた分
皆より数歩遅れてしまった
『ん〜!今日から猛特訓だ〜』
今日から試す新技や特訓をイメージしなから
夜羽は
翼をいっそう大きく羽ばたかせて
更に上空へと飛び上がった