片翼の月 弍
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USJ襲撃事件後
夜羽にとって記念すべき
2度目のヒーロー基礎学は
リカバリーガールからの
ドクターストップはもちろんのこと
勝己からも相澤先生からも
そしてあのオールマイトからも
大人しく見学するよう言われ
せめてサポート役だけでもと
食い下がったが
ショートの
「夜羽、頼むから」
と切なそうな顔に負けて
大人しくモニタールームにて
見学することになり
みんなの実践を眺めていた
今このモニタールームにはオールマイトと
私のふたりだけだ
『オールマイト、マッスルフォーム解いたらどうです?
今は2人しかいませんから…』
「そうさせてもらうよ」
オールマイトは一応辺りを見回してから
マッスルフォームを解き
夜羽が用意した椅子に腰掛ける
コスチュームがブカブカで
オールマイトの鎖骨があらわになっている
USJ事件前よりもやつれたかもしれない
そんなことを考えていたら
「昨日夜羽少女のお父上が
八咫烏警察の巡回ルートに雄英周辺を
加えたいと申し出があったよ」
『父のことだから周辺だけでなく
校内まで巡回するなんて
言っていませんでしたか』
「はは、さすがにそれは
丁重にお断りさせていただいたよ」
『ほんとに言ったんだ…』
我が父ながら呆れてしまう
「だけど、本当にありがたい申し出だったよ
夜羽少女が在学しているからというのも
あるだろうけどこうしてセキュリティを強化できるし
これから体育祭も控えてるしね」
『ええ、それまでに私もこの怪我を完治させないと』
お互いモニターから目は離さず
交わす会話
「『あ』」
出久が勝己の爆破に吹っ飛ばされた
「爆豪少年…今日はいつもに増して
緑谷少年にきつくあたってるな…」
『かっちゃん空中移動
こなれてきたなぁ
それにしても
ショートは相変わらず
焔を…』
間違いなく勝己と焦凍が
体育祭で上位に上がっていくだろう
オールマイトは何がなんでも
出久に勝ち上がって欲しいはず
このまま焦凍が炎を使わなかったとしても
『いっくんは体育祭までに
あの力をコントロールできるようにならないと
上位を狙うのは難しいですよ』
「あぁ、先の脳無との戦いで
たまたまではあるが力の制限がてきたといっていた
あの事件を機に少年の個性をーーー」
「『あ』」
勝己が耳郎にロックオン
それを出久が身を呈してかばい
また出久が勝己に吹っ飛ばされた
「oh......緑谷少年…」
出久が吹き飛ばされ
助けられた耳郎に動揺が走り
その大きな隙にあえなく勝己に沈められた
結局出久と耳郎はリタイアスペースへ
『やっぱり私は自己犠牲の精神は嫌いだ』
穴の空いた右手を握りしめる
今回の怪我は油断が原因だが
ショートやかっちゃん、いっくん
教室に現れた私を見て涙した
お茶子ちゃんや美奈ちゃん…
あの表情(カオ)を作ったのは私の弱さだ
体育祭が控えている
かっちゃんとの約束
万全な状態で彼を迎え撃つ
今日の放課後保健室で
リカバリーしてもらえれば
ほぼ完治に近い状態まで治るだろう
『なにか新しい必殺技でも考えないとなあ』
「…本当はもうあと1週間くらい
安静にしていて欲しいんだけどね」
オールマイトがつぶやき
夜羽はそれを鼻で笑う
『ふふ……まさか』