片翼の月 弍
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授業が終わり昼休み
クラスメイトたちは待ってました
とばかりに夜羽に詰め寄る
芦戸
「夜羽!さっきのどういうこと!?」
八百万
「それよりもお怪我は?!動いて平気なのですか!?」
上鳴
「さっきのが夜羽ちゃんの親父さん!?
全然似てないのな!」
『あはは、みんな驚きすぎ〜』
耳郎
「いや、むしろ夜羽は動揺しなさすぎじゃ」
葉隠
「もう!今日は朝からびっくりしっぱなしだよ!
夜羽がもう登校してきたのもそうだし!
相澤先生も!それに夜羽の
お父さんが窓割って飛んでくるし!」
蛙吹
「本当にまたヴィランが来たのかと思ったわ…」
『びっくりさせちゃってごめんね?』
蛙吹の頭を包帯をしていないほうの手で撫でると
蛙吹は驚きつつも少し照れたように俯いた
麗日
「筋骨隆々!て感じのお父さんだね」
緑谷
「大阪から駆けつけたって
お父さんは夜羽ちゃんとはまた
違った個性なの?オールマイト並の筋肉と
空を飛ぶのに全重量を支えるあの翼はーー」
爆豪
「うぜぇクソデク」
今朝のお通夜のような静けさとはうってかわって
ワイワイといつもの賑いをみせる
クラスメイトたち
『お父さんの個性は〝天狗〟だよ
じいちゃんや私みたいに
鳥を自分で操れはしないけど
父さんは風を操れるの
だから大阪からここまでも
追い風を起こしてすっ飛んできたんだろうね』
夜羽の祖父は数多のカラス達を
夜羽は鷲と梟を1羽づつ
そして、父は風を操ることが出来る
切島
「風を操って空飛んで……!
くぅ、かっけー!」
峰田
「空を飛べるってだけでスペック高ぇのに……
くぅ、ずりい俺もモテてえぇ!」
障子
「空飛べるからってモテる訳では無いと思うぞ」
葉隠
「天狗なのに鼻は長くなかったねぇ」
『うん、そうだね
でもよくお酒飲んで顔真っ赤にしてるから
〝天狗〟がピッタリだって』
瀬呂
「個性関係ねぇー」
わいのわいのと夜羽を取り囲むクラスメイトたち
葉隠
「それより婿って何!?
轟くんは許嫁とかじゃないの?!」
切島
「飯田も許嫁になったのか?」
『許嫁ってそんな何人もいるものだっけ?』
みんなの質問攻めに
ケラケラ笑いながらなんてことのないように
答える夜羽
瀬呂
「そーいや爆豪の名前は上がらなかったな」
爆豪
「あ゙ぁ?上がってたまるか」
上鳴
「それにしても雄英に通うためには
彼氏を作れって……随分無理難題を
いや、夜羽ちゃんなら直ぐに
相手見つけれそうだけどさ」
蛙吹
「でも、夜羽ちゃんにはその気はないのよね」
『興味ないかなぁ
それにお父さんがああなっちゃったのは
たぶん私のお母さんが原因なんだよね』
「お母さん?夜羽ちゃんの?」
『うん、すっごく気まぐれな人でね
あっちにフラフラこっちにフラフラと……
奔放すぎてほとんど家に帰ってこないの
それが寂しくて、私にはそうなって欲しくなくて
この地に私を留める何かや誰かが欲しいのかも』
芦戸
「それでお婿さん?なんだか極端」
葉隠
「ていうか!だったら尚更恋しなきゃ!」
芦戸と葉隠がキャッキャと
2人で盛り上がりはじめた
瀬呂
「無理やり婿をって言われても
そりゃ逃げたくもなるよな」
『お母さんが奔放なのは個性の影響だと思うし
私は大丈夫だと思うんだけどね〜』
出久
「夜羽ちゃんのお母さんの個性!?」
またも個性の話題に目を輝かせ
ノートを手に出久が詳しい説明を促す
そんな様子に勝己は盛大に舌打ちを打ったが
夜羽は想像通りの出久の反応に
くすりと笑みをこぼす
『〝アサギマダラ〟って知ってる?渡り蝶なんだ
その個性の影響なのか帰ってきたと思ったら
いつの間にかまたすぐ居なくなってねぇ』
やれやれと
呆れたように軽いため息をひとつ
『まぁ、お父さんはあんなこと言ってたけど
私は雄英から出るつもりは無いし
そのために彼氏をどうこうってするつもりもないから
みんな今日のことはそんなに気にしないでね』
父の心配をよそに我を貫く自分も
傍から見れば自由人なのかもしれない
夜羽は教室の窓から空を見上げた
今日も今日とて
気ままに、自由に、奔放にこの空を
飛び回っているのだろう母を思って