片翼の月 弍
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夜羽を椅子に座らせ
勝己は床に座って
足に包帯を巻いてくれていた
勝己を椅子から見下ろしていると
ふと、USJでこちらを心配そうに見上げる
ショートの顔を思い出した
『ショートにも、心配かけちゃったなーーいて
いてて、かっちゃん包帯強く巻きすぎ』
むっすりと
なにか言いたそうな顔で
こちらを睨むように見上げている
言いたいことはいつもズバズバ言う彼が
拗ねたような顔をして何も言わないのは珍しい
気づいていたけれど、
理由を聞くのはあえてやめにした
そして1日中
いらないと言っているのに
色々世話をやこうとする勝己の
おかげで包帯の取り換えや
食事や掃除洗濯、買い出し等
何やら何までやってくれるおかげで
夜羽は今日1日
何も動き回らずにすみ
夜、
そのままベットへ寝かしつけられる
『 助けてくれてありがとうね』
「は?助けれてねぇだろ」
『ふふふ、私は助けられたの』
USJで壁に磔にされた時
必死に飛んできた勝己の姿に救われた
初めてあった時と変わらない
太陽のように
眩しくて暖かい……
「俺はもうあの時よりずっと強くなった…なのに」
なのにまた…お前はこんなに傷ついて
勝己は
口をついて出そうになった言葉を飲み込む
夜羽はそんな勝己にニコリと笑った
『ねぇかっちゃん今日は一緒に寝ない?』
夜羽がベッドをあけポンポンと叩く
ベッドは2人で寝るにも十分の広さがあったが
「は?寝るかよ」
夜羽のおでこにデコピンをかまし
部屋を出ようとする勝己の袖を掴む
『……』
「…はぁ、寝るまでここにいてやるから
さっさと寝ろ」
ベッドの脇に座り
袖を掴まれた腕は夜羽の好きなようにさせる
スリスリと猫みたいに勝己の手に
ほおずりする夜羽
『ふふ、ちっちゃい頃は
お泊まりしてくれてたのに』
「っせぇ、1回だけだろ」
『かっちゃんの匂い…落ち着く』
程なくして穏やかに寝息をたてる夜羽
掴まれた腕を引き抜くのがなんだか惜しく感じて
暫く手はそのままに
夜羽の寝顔を眺めていた
穏やかな寝顔を見ながら思い出すのは
ヴィランを前にした時のあの目
「なんつー目ェしてんだよ」
いつもアホみてぇに笑ってりゃいいのに
あんな眼をさせたくない
こいつが傷つく姿を見るのももううんざりだ
「守ってやるよ……しかたねぇから」
気持ちよさそうに眠る夜羽の頬を
軽くつねる
「俺以外の前でそんな無防備晒すなよ」