片翼の月 弍
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根津校長と月乃瀬総督は今後の話を
詰めていくため
このまま話を続けるということで
オールマイトと夜羽は校長室を出た
「月乃瀬少女ー」
『オールマイトー』
お互いを呼ぶ声が被る
そして目が会い二人とも
ヘラりと笑った
「もう少しお話いいかな?」
『私も同じことを提案しようと思ってました
それと、
じいちゃんも月乃瀬でややこしいんで
夜羽って呼んでください』
「あぁ、分かったよ夜羽少女」
オールマイトに案内されて
仮眠室へ来た夜羽は
お茶を入れてくれている
オールマイトを眺める
初めてまじまじとトゥルーフォームの
オールマイトを見たのだ
先程せせこましく
急須と湯呑みを持っていた
あの人と同一人物とは思い難い痩せこけた姿
けれど、これが本当のオールマイト
八木俊典の姿なのだ
そこに1人の少年の名を告げる
『緑谷出久…』
ビクッーっと面白いほどに肩を揺らし
動揺したオールマイト
『あっはは!動揺しすぎですよオールマイト!
そんなんでこれから隠し通せるんですか?』
「みみみ緑谷少年がなんだって?!
あ、彼とはヘドロ事件の時に知り合っていてね
そうそう、爆豪少年ともその時に知り合っていて『 オールマイト』……」
『今日の試験を見て、確信していました
彼なんですよね?継承したのは』
動揺するオールマイトの言葉をさえぎり
夜羽はソファから立ち上がり
窓を開け放つ
春の柔らかな、けれどまだ少し冷たい空気が
仮眠室に舞い込む
「えっと、彼はその…」
『すみませんオールマイト』
未だ言い訳を模索するオールマイトに
先に一言謝罪をつげた
窓から入ってきた鷲が夜羽の腕に止まる
『時々この子を通して見てたんです
貴方といっくんが、訓練しているのを』
「ぬぁんと!?」
『まだ短時間ですが私はこの子と
視界共有ができるんです
…私は知りたかった
無個性の彼がどうやって力を培い
雄英高校に入学するのか…
彼の憧れるヒーローになるのか』
2人の関係を知ったのは本当に偶然だった
無個性でもヒーローになりたいと
そう言って泣いていたいっくん
なにか力になれればと思い
飛ばした鷲が見たのは
オールマイトと出会い
日々訓練しているいっくんの姿
夜羽は時々鷲の視界を通じて
それを見ていたのだ
「…この事他の者には…?」
『もちろん祖父にも話してません』
「そうかい…」
お茶を入れ終えソファに座るオールマイト
『ただいっくんの幼なじみのかっちゃん…
彼は頭もいいし感も鋭い…
いっくんも馬鹿正直なところがあるし
心配ですね』
鷲を再び空へ戻し
夜羽もオールマイトの向かいのソファに座る
「…バレるかな?」
『どうでしょう?私もできる限りいっくんのフォローをしますが…
ここに来て急に個性が発現した時点で
既に訝しんでいるでしょうし』
風が吹き込み
外に散っていた桜が舞い込む
夜羽の前にある
オールマイトの入れてくれたお茶に
桜の花びらが浮かぶ
「君には本当に私のことで苦労をかけてしまうね」
『気にしないでください
これでも私、楽しんでやってますから』
八咫烏高校への入学は決まっていた
そしてその後の進路も、当然
決まっていたも同然だった
それでも
彼らの行く末を傍らで見つめるのも悪くは無い
そう思って私は今ここにいる
詰めていくため
このまま話を続けるということで
オールマイトと夜羽は校長室を出た
「月乃瀬少女ー」
『オールマイトー』
お互いを呼ぶ声が被る
そして目が会い二人とも
ヘラりと笑った
「もう少しお話いいかな?」
『私も同じことを提案しようと思ってました
それと、
じいちゃんも月乃瀬でややこしいんで
夜羽って呼んでください』
「あぁ、分かったよ夜羽少女」
オールマイトに案内されて
仮眠室へ来た夜羽は
お茶を入れてくれている
オールマイトを眺める
初めてまじまじとトゥルーフォームの
オールマイトを見たのだ
先程せせこましく
急須と湯呑みを持っていた
あの人と同一人物とは思い難い痩せこけた姿
けれど、これが本当のオールマイト
八木俊典の姿なのだ
そこに1人の少年の名を告げる
『緑谷出久…』
ビクッーっと面白いほどに肩を揺らし
動揺したオールマイト
『あっはは!動揺しすぎですよオールマイト!
そんなんでこれから隠し通せるんですか?』
「みみみ緑谷少年がなんだって?!
あ、彼とはヘドロ事件の時に知り合っていてね
そうそう、爆豪少年ともその時に知り合っていて『 オールマイト』……」
『今日の試験を見て、確信していました
彼なんですよね?継承したのは』
動揺するオールマイトの言葉をさえぎり
夜羽はソファから立ち上がり
窓を開け放つ
春の柔らかな、けれどまだ少し冷たい空気が
仮眠室に舞い込む
「えっと、彼はその…」
『すみませんオールマイト』
未だ言い訳を模索するオールマイトに
先に一言謝罪をつげた
窓から入ってきた鷲が夜羽の腕に止まる
『時々この子を通して見てたんです
貴方といっくんが、訓練しているのを』
「ぬぁんと!?」
『まだ短時間ですが私はこの子と
視界共有ができるんです
…私は知りたかった
無個性の彼がどうやって力を培い
雄英高校に入学するのか…
彼の憧れるヒーローになるのか』
2人の関係を知ったのは本当に偶然だった
無個性でもヒーローになりたいと
そう言って泣いていたいっくん
なにか力になれればと思い
飛ばした鷲が見たのは
オールマイトと出会い
日々訓練しているいっくんの姿
夜羽は時々鷲の視界を通じて
それを見ていたのだ
「…この事他の者には…?」
『もちろん祖父にも話してません』
「そうかい…」
お茶を入れ終えソファに座るオールマイト
『ただいっくんの幼なじみのかっちゃん…
彼は頭もいいし感も鋭い…
いっくんも馬鹿正直なところがあるし
心配ですね』
鷲を再び空へ戻し
夜羽もオールマイトの向かいのソファに座る
「…バレるかな?」
『どうでしょう?私もできる限りいっくんのフォローをしますが…
ここに来て急に個性が発現した時点で
既に訝しんでいるでしょうし』
風が吹き込み
外に散っていた桜が舞い込む
夜羽の前にある
オールマイトの入れてくれたお茶に
桜の花びらが浮かぶ
「君には本当に私のことで苦労をかけてしまうね」
『気にしないでください
これでも私、楽しんでやってますから』
八咫烏高校への入学は決まっていた
そしてその後の進路も、当然
決まっていたも同然だった
それでも
彼らの行く末を傍らで見つめるのも悪くは無い
そう思って私は今ここにいる