片翼の月 弍
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〜雄英高校入試試験終了
夜羽の大根演技後〜
*☽:゚・⋆。✰
オールマイトside
校長室に通された月之瀬少女と
八咫烏警察総督である少女の祖父が
校長室のソファに腰掛けた
その向かいに私と、私の隣に根津校長が座る
4人分のお茶を入れようと
急須に手を伸ばすも
マッスルフォームである今
急須も湯呑みも全てが小さく
お茶を注ぎずらい
小さくクスクスと笑う声が聞こえ
顔を上げると少女と目が合った
体の大きな私が
小さな急須に四苦八苦しているのが
おかしかったのだろう
しかし、私からみても
マッスルフォームと同等の体格
そしてその巨躯を支える大きな翼を持つご老人
月之瀬隼人殿その人の横にちょこんと座る
まだ幼く可愛いらしい少女
その体格差の違いにこちらも頬が緩む
祖父
「久しぶりじゃの根津校長、オールマイトよ」
根津
「あぁ、久しぶりだね総督殿
それに夜羽ちゃんも」
オールマイト
「少し見ない間に大きくなったね」
『お久しぶりです。
いつも祖父や八咫烏警察がお世話になってます
オールマイトは、少し痩せましたね』
オールマイト
「え、あはは、そ、そうかな」
根津
「ところで、まさか君が雄英入学を
希望するとはね
君ならあんなことをしなくたって
推薦も得られただろうし、普通入試だって
余裕で合格だったろうに」
ドキリと肩を揺らしてしまったが
根津校長が誤魔化すように
話題を変えてくれた
『ふふふ、ありがとうございます
けれど私は雄英高校ヒーロー科への
転入を希望します。
これは祖父の同意も得ております
理由はひとえに〝話題性〟』
根津
「話題性?それはさっきの入試で
好成績を残す。ではだめだったのかな?」
なんのためにそんなことが必要なのだろうか
ハイスペックである根津校長がまだ分からないなら私にもわかるわけが無い
祖父
「ほほほ、このわしの自慢の孫娘じゃ
実力は折り紙付き
たかが入試試験で好成績を残したところで
月之瀬の孫娘はさすがじゃな、という
感想程度でしまいじゃ」
オールマイト
「たかか入試って…一応ヒーロー育成機関としては
最高峰の高校なんですけどね…」
『先程のモニター室での私の名演技!
普通に入学するよりも
諸先生方や審査員の方々にも私の雄英転入を
印象付けできたと思います!』
そう、演技は大根でも
実力は確かなこの少女
その損失は八咫烏警察、そして
八咫烏高校としても大きいはず
なぜそうまでして雄英への転入を望むのか
理由が見えてこない
根津
「名演技…まぁいいさ
しかしなぜ、そうまでして…」
根津校長が問うと
総督と夜羽は顔を見合せ
少女が真っ直ぐ私、
オールマイトを見つめる
『オールマイト…あなたは今
何時間マッスルフォームを維持できるのですか?』
その問いかけにドキリと心臓がはねた
同様に根津校長も驚きをあらわにしている
そして総督へ視線を投げる
話してしまったのか、と
だが総督は首を横に振り
また、少女が口を開く
『祖父を責めないでください
それに、話してくれたのはオールマイト
貴方ですよ?』
「な、なにを…確かに私はあの事件の後
総督殿にお話しに伺ったが…」
5年前のあの戦いで深手をおい
呼吸器官半壊
胃袋全摘
度重なる手術による後遺症
そして、活動限界……
私の身に何かあった時のためにも
旧知の仲である八咫烏総督には
話しておかねばと
屋敷へ尋ねたことがあった
私にもしものことがあった時のために
「許せオールマイトよ
ワシもこの子が知ってしまっていたこと
最近になって知ったのじゃ」
『あの日私は祖父を訪ねてきた
オールマイトで遊び疲れ
そのままオールマイトの膝の上で寝ていましたね』
「私と、ではなく、私で、ね…
はっ、まさか狸寝『違います』うっ」
『 半球睡眠ご存知ですか?
半分寝ていて半分は起きている
フクロウの特性です』
根津
「まさか…」
『はい、眠りにつきながら
私も聞いていたのです
だからオールマイトが祖父に話した
活動限界、そして後継を探さなければならないこと
全てあの日に知ってしまいました』
オールマイト
「あの時既に…そうか…私が迂闊だった
君に余計な気を使わせてしまったね」
5年も前、あの日から
誰かに相談することも出来ず
ずっと胸の内に留めいたのだろう
それがどれだけ少女の心の負担になっていたことか
『確かに驚きました、国家機密レベルの話を
偶然とはいえ聞いてしまったのですから…
けれど、将来を考える
いいきっかけになりました
貴方が雄英高校に来ると聞いて
今日までずっと考えていたんです』
ゆっくり胸の内を話す少女
その孫の背を気遣うように
ポンポンと優しく撫でる総督
『産まれてこの方ずっと八咫烏警察を見てきました
自分も、この道をゆくのだと。
だけど
ヒーローを志す友達をそばに置き
ずっと考えていた
私だからできることが何かあるんじゃないかと』
根津
「それが、君が雄英高校に来る…
そしてヒーローを目指すということかい」
『私だからこそ八咫烏警察とヒーローを
繋ぐことが出来る。そう考えます』
オールマイト
「八咫烏警察とヒーロー、お互いの存在は
認知はしているし現場で合えば協力もするが、
進んで協力するほどでもない…か…」
『平和の象徴オールマイト
あなたがいなくなればこのヒーロー社会は間違いなく変わる
ぽっかりと大きな穴がうまれるでしょう
その穴を少しでも埋めるためには
ヒーローだけじゃない
ヒーローと警察の連携が必要不可欠』
夜羽の言葉にオールマイトと根津校長は顔を見合わせお互い大きくうなずく
そしてオールマイトはマッスルフォームを解き
トゥルーフォームへ戻った
オールマイト
「私の迂闊さで君の未来を
人生を変えてしまった本当にすまない」
『謝らないでくださいオールマイト
きっとあなたのことがなくても
私はいずれこうしていた…
少しはその肩の荷
下ろしてくださいオールマイト
そのために私達、八咫烏警察は動いたのだから』
まだ幼い15程の少女が
こんなにも先を見つめている
そして、その少女の一声でひとつの組織が
大きく動いている
まっすぐ私を見つめる
少女の眼差しに
「さすが、月之瀬のお孫さんだ」
「(緑谷少年といい、私は若き
才能に恵まれ過ぎているな)」
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祖父は史上最強の弟子〇ンイチの
超無敵超人、風林寺〇人殿イメージ笑