片翼の月 短編
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まだ夏と言うには
涼しい
春の柔らかな涼しさの残る昼下がり
尾白は本を片手に
雄英高校の中庭に来ていた
「天気がいいから中庭で本でも…って、
思ってたら…」
木の上で眠る夜羽
やはり鳥個性だからか
器用に木にもたれかかりながら寝ている
翼を巧みに使い
武術にも精通している
八咫烏高校からの転校生
こんな可愛い寝顔した子が
あんなに強いのだから
やるせない
ただでさえ地味なのに
武術家というキャラ被り…
こんなことを考えてると
自己憐憫に陥りそうなので頭を振って
思考を遮る
もう一度木の上を見上げると
こっくりこっくりと船を漕いでいる
「夜羽ちゃん落ちたりしないかな」
気持ちよさそうな寝顔を見ていると
なかなか起こす気持ちにはなれない
「昼休みが終わる前に起こすか」
万が一落ちそうになったら受け止められるよう
夜羽が寝てる木の根元に座り読書を始める
けれど気持ちのいい春風と
心地よい日差しに
ついうたた寝してしまった
どれくらいの時間が経ったのか
ふと目が覚めると
膝にずっしりとした重み
夜羽が尾白の膝を枕に
更にしっぽを抱き枕にして眠っている
幸せそうな穏やかな表情で
しっぽの先に頬をスリスリしている
「っ…かわぃ」
その仕草に悪いとは思いつつ見入っていると
予鈴がなった
「わ、不味い!起きて夜羽さん!」
『うーん』
肩を軽く揺するが夜羽は起きず
むぎゅむぎゅとしっぽを抱きしめる
「くっ…かわいい…」
『 あれ尾白くん…ごめんもう少し寝させて…』
「もう予鈴なっちゃったから!だめだよ!
それに次移動教室だよ!」
再び寝ようとする夜羽を
慌てて起こし
ようやく起き上がり
身体と翼を伸ばす夜羽
『じゃあ、急がなくちゃねぇ』
へらりと笑い
しっぽを手放したと思ったら
次は正面から尾白を抱きしめる
「んぬぁ!?!」
抱きつき癖でもあるのかこの子は
そんな突っ込みさえ入れること叶わず
されるがまま
夜羽が羽ばたき飛び上がり
外から1-Aの教室へ
『誰かー鍵開けてー!』
教室に残ってた生徒はほんの数人
窓が閉まって鍵もかかっていたので
夜羽が中にいるクラスメイトに
窓を開けてもらうようノックする
俺はと言うとあまりの恥ずかしさに
しっぽで顔を覆うことしか出来ない
芦戸
「わぁ何やってるの2人とも!」
葉隠
「あ、危ないよ〜!?」
焦りながら窓を
開けてくれたクラスメイト
「夜羽さん…お、おろして」
恥ずかしさのあまり未だ顔を隠す尾白は
耳まで真っ赤になっている
『あ、ごめん』
峰田
「尾白ぉぉぉぉお前またもや!
今度は確信犯かコノヤロー!」
芦戸
「なになに?こんなギリギリまで2人とも
どこでなにしてたの!?」
『ん?一緒に寝てたんだよね?』
尾白
「夜羽さん!誤解がうまれそうな言い方はよしてくれ」
葉隠
「尾白くんのスケベ!」
尾白
「だから違うって!」
教室内を見回し
爆豪がいなくてまぢ助かった…
と、ほっと胸を撫で下ろしたのもつかの間
「尾白…」
尾白
「へ?」
轟がいた
こころなしか少し
ムスッとしている気がしなくもない
表情があまり動かない轟にしては珍しい……
って、そうじゃない
「いや、轟くんこれには色々と事情が……!」
その後1週間程
轟の近くに立つと
空気がひんやり冷たくなっていたのは
気のせいではないだろう
涼しい
春の柔らかな涼しさの残る昼下がり
尾白は本を片手に
雄英高校の中庭に来ていた
「天気がいいから中庭で本でも…って、
思ってたら…」
木の上で眠る夜羽
やはり鳥個性だからか
器用に木にもたれかかりながら寝ている
翼を巧みに使い
武術にも精通している
八咫烏高校からの転校生
こんな可愛い寝顔した子が
あんなに強いのだから
やるせない
ただでさえ地味なのに
武術家というキャラ被り…
こんなことを考えてると
自己憐憫に陥りそうなので頭を振って
思考を遮る
もう一度木の上を見上げると
こっくりこっくりと船を漕いでいる
「夜羽ちゃん落ちたりしないかな」
気持ちよさそうな寝顔を見ていると
なかなか起こす気持ちにはなれない
「昼休みが終わる前に起こすか」
万が一落ちそうになったら受け止められるよう
夜羽が寝てる木の根元に座り読書を始める
けれど気持ちのいい春風と
心地よい日差しに
ついうたた寝してしまった
どれくらいの時間が経ったのか
ふと目が覚めると
膝にずっしりとした重み
夜羽が尾白の膝を枕に
更にしっぽを抱き枕にして眠っている
幸せそうな穏やかな表情で
しっぽの先に頬をスリスリしている
「っ…かわぃ」
その仕草に悪いとは思いつつ見入っていると
予鈴がなった
「わ、不味い!起きて夜羽さん!」
『うーん』
肩を軽く揺するが夜羽は起きず
むぎゅむぎゅとしっぽを抱きしめる
「くっ…かわいい…」
『 あれ尾白くん…ごめんもう少し寝させて…』
「もう予鈴なっちゃったから!だめだよ!
それに次移動教室だよ!」
再び寝ようとする夜羽を
慌てて起こし
ようやく起き上がり
身体と翼を伸ばす夜羽
『じゃあ、急がなくちゃねぇ』
へらりと笑い
しっぽを手放したと思ったら
次は正面から尾白を抱きしめる
「んぬぁ!?!」
抱きつき癖でもあるのかこの子は
そんな突っ込みさえ入れること叶わず
されるがまま
夜羽が羽ばたき飛び上がり
外から1-Aの教室へ
『誰かー鍵開けてー!』
教室に残ってた生徒はほんの数人
窓が閉まって鍵もかかっていたので
夜羽が中にいるクラスメイトに
窓を開けてもらうようノックする
俺はと言うとあまりの恥ずかしさに
しっぽで顔を覆うことしか出来ない
芦戸
「わぁ何やってるの2人とも!」
葉隠
「あ、危ないよ〜!?」
焦りながら窓を
開けてくれたクラスメイト
「夜羽さん…お、おろして」
恥ずかしさのあまり未だ顔を隠す尾白は
耳まで真っ赤になっている
『あ、ごめん』
峰田
「尾白ぉぉぉぉお前またもや!
今度は確信犯かコノヤロー!」
芦戸
「なになに?こんなギリギリまで2人とも
どこでなにしてたの!?」
『ん?一緒に寝てたんだよね?』
尾白
「夜羽さん!誤解がうまれそうな言い方はよしてくれ」
葉隠
「尾白くんのスケベ!」
尾白
「だから違うって!」
教室内を見回し
爆豪がいなくてまぢ助かった…
と、ほっと胸を撫で下ろしたのもつかの間
「尾白…」
尾白
「へ?」
轟がいた
こころなしか少し
ムスッとしている気がしなくもない
表情があまり動かない轟にしては珍しい……
って、そうじゃない
「いや、轟くんこれには色々と事情が……!」
その後1週間程
轟の近くに立つと
空気がひんやり冷たくなっていたのは
気のせいではないだろう
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