片翼の月
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空腹も満たされ
クラスメイトの何人かは
それぞれグループを作り
バトミントンやバレーボール
なんかで遊んでいた
そんな中夜羽は彼に声をかけた
『おーい、尾白君
食べたものが出てこない程度に手合わせしよ〜』
尾白
「え?食べ、え?」
そんな不思議な誘い文句で
夜羽と尾白のユルい組手が始まった
初手こそお互いゆっくりとした
動きだった2人だが
徐々にその動きは加速化していく
その動きに2人を見守っていた
緑谷、麗日は
麗日
「な、なんか2人とも本気になってきてない?」
緑谷
「いや、まだ2人とも動きに余裕があるよ、
それに尻尾や翼を使ってなぃー」
使ってない、といい切ろうとした
出久の言葉を否定するように
ゴツンと音がしたと思えば
尾白は尻尾を
夜羽は完全人化を解き翼を使っていた
麗日
「ゴリゴリ使い始めたよ…」
緑谷
「うわぁ尾白くんのあのしっぽ、攻撃に使うだけじゃなくてあそこで体の軸をずらして攻撃の起動を変えてる…わ、あんな角度から蹴りを出せるなんてそれこそあのしっぽがないと常人には不可能だ……
夜羽ちゃんはあの翼、攻撃にも防御にも使えるんだ!まさに矛と盾……あっ!あの動き!わざと翼で空気抵抗を受けて身体の動きに緩急をつけてるんだ!
あ、今の動きはブツブツブツブツ」
麗日
「あはは、さすがデク君…
私は目で追いかけるので精一杯…」
2人の動きはどんどん加速する
けれどその口元の笑みが
2人の気持ちの余裕と
この組手を楽しんでいるのだと表している
技と技の掛け合い
動きの読み合いが続き
出久の独り言と
尾白と夜羽の組手がデットヒート
そして
尾白の尾が夜羽の左足を捉え腕を掴む
夜羽は拘束から逃れようと身をよじった瞬間
ようやく待ったがかかる
飯田
「君たち!この公園を使っているのは
我々だけではないんだぞ!
慎みたまえ!」
学級委員長の飯田だ
「『あ』」
飯田の言葉に2人はピタリと動きを止める
恐る恐る当たりを見渡すと
クラスメイト以外のギャラリーが
夜羽と尾白を見守っていた
『あはは、いやぁ、危なかった
尾白君の変幻自在な
尻尾の使い方、ためになったよ』
「こっちこそ夜羽さんの
翼での攻防一体の動き参考になった」
そういって2人は
熱い握手を交わすと
自然と拍手が湧き上がった